癇癪とパニックを繰り返した6年間。母との試行錯誤の末に得た、小5ASD息子の気づきとは【かんしゃく特集】

ライター:丸山さとこ
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静かに室内で行うイメージの趣味が多いためか“大人しく穏やかな性格”だと思われることも多いコウですが、実際の彼はパニックになったり癇癪を起こしたりすることも多く、普段の印象とのギャップに驚かれることも珍しくありません。
今回は、そんな彼の今までの“癇癪・パニック歴”と、その時々でどう対応していたかについて振り返ります。

穏やかそうなコウだけれど、実際は癇癪を起こしたりすることも多く…?

折り紙や読書などの趣味から一見穏やかそうに見えるコウですが、実際は癇癪やパニックを起こすことも多く驚かれることも…
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折り紙や読書や手芸のように「静かに室内で行うイメージ」の趣味が多いためか、大人しく穏やかな性格だと思われることも多いコウです。

ところが、実際の彼は思い通りにならない時にパニックになったり癇癪を起こしたりすることも多く、普段の穏やかそうな印象とのギャップに驚かれることも珍しくありません。

癇癪だったりパニックだったりした幼少時

思うようにならない苛立ちや不満、どう表現する?

かんしゃくは「思うようにならない苛立ちや不満」などの気持ちの表現であり、要求を通す為の交渉として使われることもあります。
「保育園の頃の癇癪の起こし方、凄かったなぁ…(ブリッジするコウを思い出しながら)」
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保育園の頃のコウは交渉としてのかんしゃくを出せる程の高度なコミュニケーション能力は無かったため、「思うようにならない苛立ちや不満」をブリッジで表現するだけでした。

そんな風に時々叫んだりブリッジをしたりしながら登園していたコウでしたが、5歳頃になると少し様子が変わってきました。思うようにならない時、かんしゃくよりもパニックを起こすことが増えてきたのです。
無関心、一人遊び、ブリッジで怒り表現...?小5ASD息子が放課後に友達と遊べるようになるまで。「こんなとき、どうする?」を親子で具体的にシミュレーション
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癇癪よりもパニックが目立っていた小学1年生

1年生の頃のコウは、パニックになることが更に増えてきました。“やらなくてはいけないこと”ができていない時は「あ、あ…どうしよう!」とオロオロしてパニックを起こし、青ざめてうつろな表情のまま固まってしまうこともありました。

そんなコウは“やりたいこと”ができていない時も同様にパニックを起こすようになり、2年生の半ば頃まで“ハッキリとした癇癪”を起こすことは減っていました。

パニックに対しては“問いかけずに”静かなところへ

コウがパニックを起こす時は、大体PCがビジー状態になった時のように“処理できる情報量を超えてしまった時”だったので、パニックを起こした時はできる限り落ち着くまでそっとしていました。
パニックを起こしたコウを小脇に抱え、”暗くて静かな”刺激の少ない環境へ。
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落ち着いてからであっても再び同じ量の刺激に晒されれば再度パニックになってしまうため、コウが落ち着いた時点で“スモールステップに分割した指示”を出すようにしていました。(宿題のプリントであれば、 「椅子に座って鉛筆を持つ」 「名前を書く」「1マス埋める」などの指示を出していました)

この時、コウに対して「お母さんの話を聞いてくれる?」「お母さんも一緒にやっていい?」「どうしたの?」などの質問調の話しかけ方をしないように気を付けていました。

今ある情報の処理で一杯一杯なコウにとって“答えなければいけない質問”はタスクを増やすだけであり、パニックを誘発するきっかけにしかならなかったからです。

再び癇癪が目立ち始めた小学2年生

ただキーキー叫ぶだけではない、“しゃべる癇癪”が始まった!?

そんな状態だったコウは、2年生の途中くらいから再び癇癪を起こすようになってきました。座ったまま地団太を踏んだり叫んだりするのです。
癇癪を起こし、「どうせ僕なんか!」と自暴自棄になるコウと圧される私。
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ネガティブな発言が増え、「どうせ僕なんか!僕が下手だからできないんだ!」「あぁもう折角ここまでやったのに!」と怒るコウと一緒にいると私まで引きずられそうになるので、長引くようであれば、彼が落ち着くまで私は家事をしたりして心理的な距離と物理的な距離を空けて過ごしていました。

(癇癪を起こした後はコウのサポートに時間をとられる可能性がある為、先に家事を終わらせておくと段取りが良かったというのもあります)
「やりたい」と「できる」のギャップで癇癪に!ゲーム、料理、工作も…今、趣味を楽しむASDコウとの親子二人三脚の道のり
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癇癪からパニックになっていくコウ

その頃のコウは癇癪が復活した一方でパニックになりやすい状態も続いており、“癇癪のまま終わるのか、癇癪からパニックになっていくのか”を見守る必要もありました。
「もうダメだ!」と泣きわめくコウを『癇癪で終わるかパニックになっていくかどっちかな…』と見守る私
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癇癪の間は怒りつつも会話は成立するコウですが、一度パニックになるとしばらく言葉が通じない状態になり、“やりたい(やらなくてはいけない)ことができていない状態”が長引くことと“パニックそのものの疲労”で、親子共々ぐったりしてしまいます。
次ページ「癇癪を起こしたコウには“状況確認”と“感想(共感)”で対応」

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