1歳半健診でことばの遅れが気になったら?赤ちゃんのコミュニケーション力を家庭で育む3つのポイントとは?家庭で活用できるチェックリストも紹介

2020/12/06 更新
1歳半健診でことばの遅れが気になったら?赤ちゃんのコミュニケーション力を家庭で育む3つのポイントとは?家庭で活用できるチェックリストも紹介のタイトル画像

もしも1歳半健診で「様子を見ましょう」と言われたら...これから、どうやって子どもに関わっていけばよいのだろうかと悩まれているかもしれません。

このコラムでは、赤ちゃんのコミュニケーションの力の育ちに着目し、解説します。1歳半から2歳くらいの時期に、コミュニケーションと言葉の基礎を育むためには、3つのポイントに注目しながら関わることが大切です。このコラムでは、3つのポイントとはどんなものか、それぞれを育むにはどのように関わると良いか、工夫や支援方法についてご紹介します。

発達障害のキホンさんのアイコン
発達障害のキホン
15084 View
監修: 井上 いつか
言語聴覚士(ST)
大阪外国語大学、神戸総合医療専門学校卒。 医療・福祉機関で勤務後、現在フリーランスとして活動。
発達に凸凹のあるお子さまやご家族のサポート、支援者の育成、記事執筆・監修等を行う。

1歳半の健診では…

子どもたちは、1歳半~2歳の間に市町村の行う1歳半健診を受けることになっています。「スクスクと育っているだろうか」「発達について何か指摘されたらどうしよう」と不安に感じる方もいるかもしれませんね。

母子手帳には、

・「ママ」「ブーブー」など意味のある言葉をいくつか話しますか
・うしろから名前を呼んだとき、振り向きますか

というチェックリストがあることに気づいた方がいらっしゃると思います。言葉を話すかどうかのチェック項目が含まれるため、保護者の方は子どもの「発語」に注目されるかもしれません。でも人とのコミュニケーションに必要なのは「発語の力(言葉を発する力)」だけではありません。

実際に1歳半健診では、保健師さんとのやり取りを通して、話し言葉や話し言葉以外の手段で「伝える」力や「わかる」力、人と「関わる」力の育ちなどをチェックし、気になる行動や反応がないかどうかを観察します。これらの力を含め、コミュニケーションの発達を総合的にみていくことが大切です。では、「コミュニケーションの力」とはどういうものなのでしょうか。また、その力はどのように育っていくのでしょうか。

話し言葉を習得しつつある段階の子どもにとって、コミュニケーションと言葉を育むために大切な3つの力があります。このコラムでは、その土台となる3つの力をそれぞれご紹介します。基礎となるポイントを知り、子どもとの日々のやりとりに役立てていただけたらと思います。

でも、ただでさえ大変な子育てです。保護者だけで頑張るのでは、疲れ果ててしまいます。健診などで「様子をみましょう」と言われたり「発達の遅れ」を指摘されたりしたら、自治体の子育て支援センターなどに相談して、いろんな人の助けを求めることも忘れないでくださいね。
0歳からの発達が気になる赤ちゃんにやってあげたいこと
黒澤礼子
講談社
1歳半健診、積み木や指差しどんなことを診ているの? 診査内容や目的、持ち物の工夫などのタイトル画像

関連記事

1歳半健診、積み木や指差しどんなことを診ているの? 診査内容や目的、持ち物の工夫など

赤ちゃんのコミュニケーションと言葉の発達

そもそもコミュニケーションや言葉はどのように育まれるのでしょう。ここでは、乳幼児期の子どもたちのコミュニケーションと言葉の育ちについてご紹介します。

泣いてばかりの赤ちゃん

生まれたばかりの赤ちゃんは、おっぱいを飲むことや息をすることが大切な仕事です。舌やのどは、まだしゃべるためのつくりにはなっていませんし、脳の発達も未熟ですから、主に泣き声しか出せません。

オムツが濡れて嫌だったり困ったりしたとき泣いて声を出すと、誰かがそばにきて助けてくれるという経験をかさね、困ったときや何か伝えたいときに声を出して伝えようとする気持ちを育んでいきます。

3~4か月ごろ

3~4か月ごろになってくると、赤ちゃんは機嫌のいいときの声と、悪いときの声がだんだん分かれてくるようになります。周りの人があやすと笑うようになり、笑わせたいからあやすようになるという関係がうまれてきます。

5~6か月ごろ

「あーあー」「ばぶばぶ」など、2つ以上の音を発する喃語を話し始めるのはこのころです。喃語が意味のある言葉へとつながっていくためには、子どもの発する声に対して周りの人が子の思いを推測し「楽しいね」「気持ちいいね」と応えるなどのやりとりが必要となります。保護者や周りの人とのやり取りのなかで、赤ちゃんの言葉を発する準備が整ってくるのです。

6~8か月ごろ

人に関心を持ち、子どもから保護者に近づき催促するようなしぐさをしたり、声をだしたりしはじめます。そして、保護者の声色や表情などをまねし始めるようになります。保護者が料理をしているのをじっと観察してしゃもじで遊ぼうとしたり、お化粧道具で顔を塗りたくったりもするようになります。まねすることは、なにかを学ぶことにつながります。言葉も、誰かの話を聞いてまねしながら学んでいきますから、まねっこはとても大切な遊びのひとつです。

9~10か月ごろ

行きたい方向や、取ってほしいものに、指差しをするようになります。「あっちへ行きたい」と子どもが考えたときに指差しで教えてくれたり、取ってほしいおもちゃを指差しして要求したりすることで気持ちを伝えはじめます。そして、「見て」「一緒に遊ぼう」と物を持ってきたり物をさしだしたりしはじめます。

また、話しかけられていることがわかりはじめ、名前を呼ぶと振り向く、「お人形はどこ?」などの質問に反応する、「ちょうだい」に対して物を渡すなどができるようになってきます。

1歳ごろ

多くの赤ちゃんは、1歳ごろになると「ママ」「ワンワン」など、意味のある言葉がいくつか話せるようになってきます。独り言のようにつぶやくだけでなく、見てほしい・何かを取ってほしいという気持ちで「ママ」と言ったり、嬉しい気持ちを共有したい・怖いから助けてほしいという気持ちで「ワンワン」と言ったりする様子もみられはじめます。

1歳半~2歳くらいには、「ママ ねんね」「ワンワン いた」など単語と単語のふたつをくっつけて話す2語文が話せるようになります。

繰り返しお伝えしますが、言葉の発達には個人差があります。この時期に話さないからといって、必ずしも発達が遅れているということではありません。

このように、赤ちゃんは成長する中で言葉に繋がるコミュニケーションの力を少しずつ獲得していきます。
よくわかる子どもの精神保健
本城秀次
ミネルヴァ書房
1・2・3歳ことばの遅い子―ことばを育てる暮らしの中のヒント
中川信子
ぶどう社
赤ちゃんの喃語(なんご)とは?いつから出るの?喃語が出ない、遅いときの原因、工夫、相談先まとめのタイトル画像

関連記事

赤ちゃんの喃語(なんご)とは?いつから出るの?喃語が出ない、遅いときの原因、工夫、相談先まとめ

コミュニケーションに関する気になる行動

一歳半健診などは、赤ちゃんの様子を客観的にみてもらえる貴重な機会ですが、健診の機会に限らず、日ごろの赤ちゃんとの関わりの中でも、コミュニケーション面で気になるポイントがある方もいらっしゃるかもしれません。赤ちゃんと周りの人とのコミュニケーションと言葉について、気になることのチェックリストをご紹介します。気になる項目があって心配な場合には、ひとりで抱え込まずに早めに支援センターや保育園・幼稚園などに相談しましょう。また、このコラムも参考にしていただき、子どもとの関わり方の工夫も取り入れてくださいね。

・話しかけても目が合いづらい
・名前を呼んでも、振り向くなどの反応がない
・「ちょうだい」と言っても、手に持っているおもちゃを渡さない
・気持ちが通わないように感じるときがある
・他の子どもに興味がない
・バイバイなどの真似をしない(手のひらを自分に向けてバイバイする)
・言葉が遅いと思う(ワンワン、ママなど意味のある単語が少ししか出ない)
・言葉が出ていたのに、1歳半から2歳前後のころに言葉が出なくなった(折れ線現象)
・見て欲しいものがあるとき、それを見せに持ってこない
・何か欲しいものがあるとき、指をさして要求しない
・何かに興味を持ったとき、指をさして伝えようとしない
・大人が離れたところにあるおもちゃを指さしても、その方向を見ない
自閉症スペクトラムがよくわかる本
本田秀夫
講談社

コミュニケーションと言葉を育む大切な3つのポイント

それでは、コミュニケーションの力を育み、言葉にもつながる力を育てるには、どうしたらよいのでしょうか。
コミュニケーションと言葉には、以下の3つの力が関わっていて、これらの力を育てることがとても大切です。

1.「わかる」力:情報をキャッチする力・見て・聞いて・体験して「わかる」力
2.「伝える」力:情報を伝える力・言葉や言葉以外の手段を使って表現する力
3.人と「関わる」力:人と一緒に過ごしたい、わかりたい、伝えたいと思えるモチベーションの源

コミュニケーションの力を育むために...1〜2歳の時期大切にしたい関わり方

ここからは、1~2歳の時期に人と「関わる力」、「わかる力」、「伝える力」の3つの力を育む関わり方について紹介します。

人と「関わる」力

人と関わる力を育てることは、もっと人と一緒に過ごしたい、わかりたい、伝えたいという気持ちの源となり、コミュニケーションと言葉の土台となります。子どもの段階ごとに詳しく見ていきましょう。

【ステップ1:子どもの世界に入れてもらおう】
ステップ1は、人とあまり関わろうとしない、遊びを独り占めしたい・邪魔されたくない子に向けた関わり方です。

この段階では、子どもに「この人といると心地良いな、もっと一緒にいたいな」と思ってもらうことを目標にします。まずは、子どもの世界に入れてもらうことを目指します。そのためには、

子どもが注目しているものや、取り組んでいることに対して

・子どもが嫌がらない程度に近づいて
・声をかけ過ぎず
・干渉し過ぎず
・一緒にゆったりと過ごす

ことに気をつけてみてください。子どもの目線に合わせて同じものを見たり、子どもと同じタイミングで同じ遊びをしたりしながら、距離を縮めてみましょう。少しずつ子どもの世界に入れてもらうことで、同じ空間にほかの人がいても「大丈夫」「安心だ、心地が良い」と気づいてもらうことから始めましょう。

【ステップ2:子どもの見ているもの・聞いているもの・感じていること・動きにコメントしてみよう】
子どもが身近な大人と一緒の空間で過ごせるようになったら、ステップ2を試してみます。

子どもが見たり聞いたり感じたりしていることを、一緒に体験している人がいることに気付いてもらえるよう関わり、子どもが関心を向けていることについて言葉をかけましょう。

・世話をしながら話しかける:オムツをはかせながら「はい、オムツがはけました」「気持ちいいね」
・子どもの興味関心に合わせて言葉をかける:おもちゃの車を走らせながら「パトカーがくるよ」、青いブロックを積みながら「青いブロックだね」など
・子どもの気持ちを推測し、代弁する:「できた」「やったー!」
・子どもの身体の動きに合わせて声をかける、オノマトペなどで実況する:「お口、あーん」「ごっくん」など
・子どもの出す声や行動をそのまままねる:子どもがジャンプしたらジャンプする、「あ!」と言ったら「あ!」と言う
・大人が自分の行動や気持ちを口に出して言う:「あぁ、おいしい!」「かばんはどこかな?」

このとき、かける言葉を無理にまねさせる必要はなく、子どもの耳にしっかりと入れてあげるよう意識しましょう。

【ステップ3:子どもが「思いが叶った」「気持ちを満たしてもらえた」と思えるよう関わろう】

子どもが身近な人と一緒に過ごす中で、「気持ちを満たしてもらえた」と感じられるよう関わってみましょう。人と関わることで、嬉しいことが起こった、思いが叶った、不快な気持ちが軽減した、不安が和らいだという体験を積み重ねることが大切です。できる範囲で、お互いがより安心して気持ちよく過ごすためにはどうしたら良いのか、一緒に探りましょう。

【ステップ4:子どもにもっと期待してワクワクしてもらえるような関わりをしよう】

ステップ3までで、子どもは人との関わりが「悪くない」「むしろ心地良い、気持ちが満たされるかもしれない」と思える体験を重ねてきました。
ステップ4では、子どもにもっとワクワクと期待してもらえるように関わることで、身近な人にさらに意識や関心を向けてもらうことが目標です。

・体を使ったふれあい遊び
・繰り返し遊び:いない いないばあ、シャボン玉あそび、かくれんぼなど
・動きに合わせてオノマトペを使って大げさに声をかける
・子どもが興味を持ってくれるような仕掛け:眼鏡をさかさまにかけてみる、わざと失敗する

チャップリンやMr.ビーンなど、主人公がしゃべらなくても笑わせてくれる映画があります。こうしたコメディ映画などで、大げさな動き・表情、追いかけたり追いかけられたりといった流れを参考にしてみるのもよいかもしれません。
子どもがワクワクする関わり合いや繰り返し遊びの中で、時々パターンやタイミングをずらして、子どもが「あれ?」と思わず相手に注目したり、期待してじっと待ったりする機会をつくってみましょう。やりとりを楽しむ中で、子どもの「もっとやってほしい」という気持ちや行動を引き出すことで、相手の言葉や行動に注目する力や、思いを伝えたいと思える気持ちを育むことを目指します。
共同注意とは?アイコンタクト・指さしと子どもの発達の関係、自閉症との関連、発達を促す工夫をご紹介!のタイトル画像

関連記事

共同注意とは?アイコンタクト・指さしと子どもの発達の関係、自閉症との関連、発達を促す工夫をご紹介!

「わかる」力

関わり合いの中で、わかる力を育んでいきましょう。わかる力は、情報をキャッチする力ともいえます。「わかる」とは聞いてわかる力だけでなく、見てわかる力・体験してわかる力も含まれます。ここでは2つのステップに分けて、わかる力を育む関わり方を紹介します。

いずれの関わりでも大切なことは、「一緒に楽しく行うこと」です。

【ステップ1:聞こえてくる音や言葉へ耳を傾けることを楽しむ】

わかる・理解する力を育む第一歩として、周囲の音や言葉へ興味を持ち、楽しく耳を傾けることから始めます。

聴力は備わっているものの、周囲の音にあまり興味を示さない、言葉がけが耳に入りづらい場合があります。まずは楽しく音のありかを探したり、音や言葉に耳を澄ましたりする機会をつくりましょう。その際には、以下のポイントに注意してみてください。

・できるだけ気が散らない静かな環境で関わる
・ものを操作する音や、電話やチャイム・飛行機の音に耳を澄ましてみたり、楽器や歌を楽しんだり、関わり合い遊びの中で言葉かけをすることで、さまざまな音や言葉に親しむ
・子どもの正面で、ものを見せたり身体に触れたりしてから声をかけるなど、注意をひきつけてから言葉をかける
・子どもが何気なく音や言葉を聞いている様子が見られたら「リンリンと音がするね」「楽しいね」「よく聞いているね」と声をかける
・お話を聞いている様子が見られたら「聞いてくれてありがとう」と、注目したり耳を傾けたりしてくれて嬉しい気持ちを伝える

言葉の発達に遅れのあるお子さんの多くは、注意を向けるべき音や言葉に耳を傾けることが苦手です。そのため、指摘されたり叱られたりする場面が増え、そのことでますます苦手意識を高める場合もあります。まずは、「お菓子を食べよう」や「お外に行こう」など、楽しい声かけに耳を傾けることから試してみると良いかもしれません。

このような関わりを通じて、お子さんが周囲の音や言葉に耳を傾けやすい関わり方や工夫を見出すとともに、「相手に注目したり耳を傾けたりすると楽しいことが起こるんだな」と思える経験を積み重ねましょう。

【ステップ2:見たり、聞いたり、体験してわかることを増やす】

ステップ2では子ども自身が見たり聞いたり体験することで興味関心を広げ、わかることが増えることを目指します。

「わかる」ことを増やす手がかりは、以下のようなものがあげられます。

・その場所に行く・体験して「わかる」:プールに入ってようやく「水遊びをするんだな」ということがわかる、身体介助をされ座ってようやく「座る」ということがわかる
・繰り返し習慣化しているものは「わかりやすい」:玄関に行くと「靴を履く」ことがわかる、朝起きると「トイレに行く」ことがわかっている
・周囲の人の動きを見て「わかる」:お母さんが脱衣所に行くときは「お風呂に入る」とわかる、、保育園のお友達が一斉に部屋を出ると「移動する時間だ」とわかる
・実物を見ると、次に起こること・何をすべきかが「わかる」:プールバッグを見ると「プールに行く」ことがわかる、車の鍵を見せられると「車に乗る」ことがわかる
・写真やイラスト・文字を見ると「わかる」:靴の写真を見ると「靴を脱ぐ」ことがわかる、“おしまい!"と描かれたイラストや文字を示されると「おもちゃを片付ける」ことがわかる
・身振り手振りやジェスチャーをすると「わかる」:バイバイと手を振ると「部屋を出る」とわかる、ちょうだいのジェスチャーをされると物を渡す
・言葉を聞くと「わかる」

さまざまな方法や手掛かりを用いて「わかる」ことが大切です。わかることが増えることは、身の回りのことを理解し安心して生活することや、語彙を広げ「伝える」力を育むことにも繋がります。お子さんが「わかる」方法で、身の回りのことを伝えましょう。

「伝える」力

伝える力とは、話し言葉や話し言葉以外の手段を使って思いを表現する力、情報を伝える力ともいえます。

【ステップ1:子どもの伝えたいことは何か、身近な大人が推測する】

「伝える」力を育む準備として、何が不快なのか、どうなると安心なのか、本当は何がしたいのかを、人と関わる中でお子さん自身が知っていくことが必要です。

発達段階によっては、お子さん自身何が不快なのか、どうしたいのか、具体的にどう振る舞えば良いのかが、よくわかっていないことがあります。その場合、やむを得ずパニックや癇癪を起すことがあり、本人も周囲の人もどうしてよいか分からないことがあります。

このような場合、まずは子どもの現在の気持ちを探り、「伝えたいこと」を推測、代弁してあげることから始めます。

【ステップ2:表現手段を紹介し、一緒に練習してみよう】

欲しいものやしたいことがある、一緒にやって欲しい・見て欲しいことがある、嫌で避けたいことがあるなど、子どもが何か訴えたい様子が見られたら、それを表現したり相手に伝えたりするための手段を紹介しましょう。そしてもし可能であれば、一緒に練習してみましょう。言葉で表現することが難しそうであれば、言葉以外の、例えば以下の手段も試してみましょう。モデルを見せてあげたり、嫌がらない範囲で子どもの身体や手を取って手助けしたりしながら一緒に行ってみてください。

・相手に向かっていく、肩をトントンとたたく、行動で示す
・クレーンする、手を引いて連れていく
・実物・写真・絵を持っていく
・絵や文字を書いて示す
・身振り手振り、ジェスチャー、うなずき・首ふりで示す
・手さしや指さしで指し示す
・視線や表情、態度で表す
・発声や言葉で伝える
・選択肢から選び取る

大切なのは、お子さんが無理なく、楽に使える手段を用いることです。話し言葉だけにとらわれすぎず、相手に思いが伝わるさまざまな方法を紹介し「思いを伝える手段を増やしていく」という姿勢でのぞみましょう。そうすることで、子ども自身が「気持ちを汲み取ってもらえてホッとした」「伝わって嬉しかった」と感じられる機会を増やし、“もっと落ち着いて思いを伝えたい”と思う気持ちを育みます。

練習のポイントは、うまくいかない困った場面で始めないこと、比較的穏やかに過ごせる時間や、身近な人と楽しく遊んでいるときに行うということです。日々の生活の中で、子どもが自然と思いを表現する様子が見られたら、見逃さず褒めてあげたり「いいね!」と注目やサインを送ってあげたりすることも大切です。どんな手段であっても、落ち着いて思いを伝えられる機会が増えることは、癇癪やパニックを起こさずに済む時間を増やすことにも繋がります。

まとめ

このコラムでは、コミュニケーションに関わる3つの土台、人と「関わる力」、「わかる力」、「伝える力」を育むための工夫を紹介しました。

どんな子どもも、その子のペースで成長しています。

ご紹介した3つの力のうち、既にできているところを見つけたらすかさず褒め、お互いに無理なくできそうなところから少しずつチャレンジしてみてください。ポイントは、「一緒に楽しもうとすること」です。実践してみて「うまくいかない」「疲れてしまった」「つらい」と感じたときは、どうか一人で悩まずに発達支援センターなどに相談してください。いろいろな人に子どもの成長を支援してもらい、見守ってもらいながら、ゆっくりと取り組んでみてくださいね。

LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
https://h-navi.jp/column
発達ナビPLUSバナー
当サイトに掲載されている情報、及びこの情報を用いて行う利用者の行動や判断につきまして、正確性、完全性、有益性、適合性、その他一切について責任を負うものではありません。また、掲載されている感想やご意見等に関しましても個々人のものとなり、全ての方にあてはまるものではありません。
あわせて読みたい関連記事

あわせて読みたい関連記事

この記事を書いた人

発達障害のキホン さんが書いた記事

放課後児童クラブ(学童クラブ)を発達障害のある小学生は利用できる?特性への配慮はある?利用方法、放課後等デイサービスとの違いなどを解説のタイトル画像

放課後児童クラブ(学童クラブ)を発達障害のある小学生は利用できる?特性への配慮はある?利用方法、放課後等デイサービスとの違いなどを解説

「放課後児童クラブ」(学童クラブ)は、「小学校に就学している児童」「保護者が労働等により昼間家庭にいないもの」が利用することができます。障...
進学・学校生活
1851 view
2021/03/29 更新
1歳半健診で発達の遅れが気になったら?経過観察と言われたらどうする?発達障害の可能性も?相談できる専門機関や発達支援を紹介のタイトル画像

1歳半健診で発達の遅れが気になったら?経過観察と言われたらどうする?発達障害の可能性も?相談できる専門機関や発達支援を紹介

「ことばが出ない」「親子のコミュニケーションが取れない」1歳半健診を前に、子どもの発達に不安を覚えてしまう人は少なくありません。健診後に「...
発語・コミュニケーション
2493 view
2021/03/05 更新
メラトベルとはどんな薬?自閉スペクトラム症のある子どもなどに処方される睡眠障害の改善薬メラトベルの効果や副作用などを詳しく解説!のタイトル画像

メラトベルとはどんな薬?自閉スペクトラム症のある子どもなどに処方される睡眠障害の改善薬メラトベルの効果や副作用などを詳しく解説!

メラトベルとは、メラトニンを成分とした入眠改善薬です。メラトベルは、6歳から15歳までの神経発達症(主に自閉スペクトラム症)のある子どもに...
発達障害のこと
6984 view
2021/01/28 更新
放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。