1歳半健診でことばの遅れが気になったら?赤ちゃんのコミュニケーション力を家庭で育む3つのポイントとは?家庭で活用できるチェックリストも紹介【専門家監修】

ライター:発達障害のキホン

もしも1歳半健診で「様子を見ましょう」と言われたら...これから、どうやって子どもに関わっていけばよいのだろうかと悩まれているかもしれません。

このコラムでは、赤ちゃんのコミュニケーションの力の育ちに着目し、解説します。1歳半から2歳くらいの時期に、コミュニケーションと言葉の基礎を育むためには、3つのポイントに注目しながら関わることが大切です。このコラムでは、3つのポイントとはどんなものか、それぞれを育むにはどのように関わると良いか、工夫や支援方法についてご紹介します。

監修者井上いつかのアイコン
監修: 井上いつか
言語聴覚士
大阪外国語大学、神戸総合医療専門学校卒。 医療・福祉機関で勤務後、現在フリーランスとして活動。 発達に凸凹のあるお子さまやご家族のサポート、支援者の育成、記事執筆・監修等を行う。

1歳半の健診では…

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子どもたちは、1歳半~2歳の間に市町村の行う1歳半健診を受けることになっています。「スクスクと育っているだろうか」「発達について何か指摘されたらどうしよう」と不安に感じる方もいるかもしれませんね。

母子手帳には、

・「ママ」「ブーブー」など意味のある言葉をいくつか話しますか
・うしろから名前を呼んだとき、振り向きますか

というチェックリストがあることに気づいた方がいらっしゃると思います。言葉を話すかどうかのチェック項目が含まれるため、保護者の方は子どもの「発語」に注目されるかもしれません。でも人とのコミュニケーションに必要なのは「発語の力(言葉を発する力)」だけではありません。

実際に1歳半健診では、保健師さんとのやり取りを通して、話し言葉や話し言葉以外の手段で「伝える」力や「わかる」力、人と「関わる」力の育ちなどをチェックし、気になる行動や反応がないかどうかを観察します。これらの力を含め、コミュニケーションの発達を総合的にみていくことが大切です。では、「コミュニケーションの力」とはどういうものなのでしょうか。また、その力はどのように育っていくのでしょうか。

話し言葉を習得しつつある段階の子どもにとって、コミュニケーションと言葉を育むために大切な3つの力があります。このコラムでは、その土台となる3つの力をそれぞれご紹介します。基礎となるポイントを知り、子どもとの日々のやりとりに役立てていただけたらと思います。

でも、ただでさえ大変な子育てです。保護者だけで頑張るのでは、疲れ果ててしまいます。健診などで「様子をみましょう」と言われたり「発達の遅れ」を指摘されたりしたら、自治体の子育て支援センターなどに相談して、いろんな人の助けを求めることも忘れないでくださいね。
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赤ちゃんのコミュニケーションと言葉の発達

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そもそもコミュニケーションや言葉はどのように育まれるのでしょう。ここでは、乳幼児期の子どもたちのコミュニケーションと言葉の育ちについてご紹介します。

泣いてばかりの赤ちゃん

生まれたばかりの赤ちゃんは、おっぱいを飲むことや息をすることが大切な仕事です。舌やのどは、まだしゃべるためのつくりにはなっていませんし、脳の発達も未熟ですから、主に泣き声しか出せません。

オムツが濡れて嫌だったり困ったりしたとき泣いて声を出すと、誰かがそばにきて助けてくれるという経験をかさね、困ったときや何か伝えたいときに声を出して伝えようとする気持ちを育んでいきます。

3~4か月ごろ

3~4か月ごろになってくると、赤ちゃんは機嫌のいいときの声と、悪いときの声がだんだん分かれてくるようになります。周りの人があやすと笑うようになり、笑わせたいからあやすようになるという関係がうまれてきます。

5~6か月ごろ

「あーあー」「ばぶばぶ」など、2つ以上の音を発する喃語を話し始めるのはこのころです。喃語が意味のある言葉へとつながっていくためには、子どもの発する声に対して周りの人が子の思いを推測し「楽しいね」「気持ちいいね」と応えるなどのやりとりが必要となります。保護者や周りの人とのやり取りのなかで、赤ちゃんの言葉を発する準備が整ってくるのです。

6~8か月ごろ

人に関心を持ち、子どもから保護者に近づき催促するようなしぐさをしたり、声をだしたりしはじめます。そして、保護者の声色や表情などをまねし始めるようになります。保護者が料理をしているのをじっと観察してしゃもじで遊ぼうとしたり、お化粧道具で顔を塗りたくったりもするようになります。まねすることは、なにかを学ぶことにつながります。言葉も、誰かの話を聞いてまねしながら学んでいきますから、まねっこはとても大切な遊びのひとつです。

9~10か月ごろ

行きたい方向や、取ってほしいものに、指差しをするようになります。「あっちへ行きたい」と子どもが考えたときに指差しで教えてくれたり、取ってほしいおもちゃを指差しして要求したりすることで気持ちを伝えはじめます。そして、「見て」「一緒に遊ぼう」と物を持ってきたり物をさしだしたりしはじめます。

また、話しかけられていることがわかりはじめ、名前を呼ぶと振り向く、「お人形はどこ?」などの質問に反応する、「ちょうだい」に対して物を渡すなどができるようになってきます。

1歳ごろ

多くの赤ちゃんは、1歳ごろになると「ママ」「ワンワン」など、意味のある言葉がいくつか話せるようになってきます。独り言のようにつぶやくだけでなく、見てほしい・何かを取ってほしいという気持ちで「ママ」と言ったり、嬉しい気持ちを共有したい・怖いから助けてほしいという気持ちで「ワンワン」と言ったりする様子もみられはじめます。

1歳半~2歳くらいには、「ママ ねんね」「ワンワン いた」など単語と単語のふたつをくっつけて話す2語文が話せるようになります。

繰り返しお伝えしますが、言葉の発達には個人差があります。この時期に話さないからといって、必ずしも発達が遅れているということではありません。

このように、赤ちゃんは成長する中で言葉に繋がるコミュニケーションの力を少しずつ獲得していきます。
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コミュニケーションに関する気になる行動

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一歳半健診などは、赤ちゃんの様子を客観的にみてもらえる貴重な機会ですが、健診の機会に限らず、日ごろの赤ちゃんとの関わりの中でも、コミュニケーション面で気になるポイントがある方もいらっしゃるかもしれません。赤ちゃんと周りの人とのコミュニケーションと言葉について、気になることのチェックリストをご紹介します。気になる項目があって心配な場合には、ひとりで抱え込まずに早めに支援センターや保育園・幼稚園などに相談しましょう。また、このコラムも参考にしていただき、子どもとの関わり方の工夫も取り入れてくださいね。

・話しかけても目が合いづらい
・名前を呼んでも、振り向くなどの反応がない
・「ちょうだい」と言っても、手に持っているおもちゃを渡さない
・気持ちが通わないように感じるときがある
・他の子どもに興味がない
・バイバイなどの真似をしない(手のひらを自分に向けてバイバイする)
・言葉が遅いと思う(ワンワン、ママなど意味のある単語が少ししか出ない)
・言葉が出ていたのに、1歳半から2歳前後のころに言葉が出なくなった(折れ線現象)
・見て欲しいものがあるとき、それを見せに持ってこない
・何か欲しいものがあるとき、指をさして要求しない
・何かに興味を持ったとき、指をさして伝えようとしない
・大人が離れたところにあるおもちゃを指さしても、その方向を見ない
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