わたしのアンテナがキャッチしたその声のほうへ行くと...

色々予想して頭をフル回転させる。足もフル回転させる。

そうして駆け回って探していると、小さな高い声が聴こえた気がした。

蚊の鳴くような、普段なら雑踏に埋もれるくらいの音量の音にも似た声。

それは毎日聴き慣れたもので、楽器みたいな、動物の赤ちゃんみたいな...
自閉症ハル3歳がいない!助けを求めるも、申しわけなく平気なフリをして。募る焦り、最悪の想像も【初めての迷子騒動編】の画像
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いた。やっぱりハルの鳴き声だった(鳴き声って)。

ちょっと暗い中階段に腰かけていた。

最上段から見下ろしていたその顔は、というと、何食わぬ顔すぎた。 
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わたしはというと、無表情で無感情でした。なんだか感情を動かすことに疲れていて、無言で抱っこして子育て広場に戻りました。そして報告と、迷惑をかけたことを謝らなくては、と思いました。
迷惑をかけたことを謝らなくてはと思う母
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周りの反応は...

子育て広場の職員さんは私たちが現れた瞬間、歓声を上げてくれました。みんなそれぞれに安堵してくれて、「よかったよかった」と言ってくれました。ちらっとしか見ることができなかったけれど、その30代くらいの女性職員さんは、少し泣いてくれていて。それを見たら、涙が出てしまいました。
「よかった」と言ってくれる子育て広場の職員の皆さん
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そうしてだんだん気づいた

これが覚えている限りの最初の、人をお騒がせした大きめな迷子だと思います。人に迷惑をかけてしまうことがひどくストレスでした。もうあのころは、ストレスによってアンテナが張り巡らされ、それによってストレスを拾っていたようで、なんだって疲れました。

そうしてだんだん気づいたんです。この子育て広場に週に何回も通っていたけれど、こんな風に子どもが外に出ていってしまってお母さんが捜索に出るといった光景、こういった親子は、一度も見たことなかったなと。

なのでいやでも、「やっぱりわが子は普通ではない...?」という思いが、ハルの行動を目にするたび頭をよぎるようになっていました。 
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