放課後児童クラブ(学童クラブ)を発達障害のある小学生は利用できる?特性への配慮はある?利用方法、放課後等デイサービスとの違いなどを解説

2021/03/29 更新
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「放課後児童クラブ」(学童クラブ)は、「小学校に就学している児童」「保護者が労働等により昼間家庭にいないもの」が利用することができます。障害のある子どもの受け入れも行いますが、実際の体制は、市町村や施設、タイミングなどによっても大きく異なります。

放課後児童クラブ(学童クラブ)の利用方法や、放課後等デイサービスとの違い・併用などについて解説します。

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放課後児童クラブ(放課後児童健全育成事業)とは?

保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、授業の終了後等に小学校の余裕教室や児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与え、その健全な育成を図るものです。

該当施設は「放課後児童クラブ」「学童クラブ」などと呼ばれ、子どもたちが放課後や長期休みを過ごします。子どもたちは遊びや保育の知識のある支援員に見守られ、友達と遊んだり宿題をしたり、おやつを食べたりして生活します。施設によっては、ものづくりや料理、ハイキングなどさまざまなイベントを行うところもあります。

全国に26,625か所あり、登録児童数は1,311,008人(令和元2年7月1日時点)です。公営の施設と民営の施設があり、具体的なサービス内容や過ごし方は施設によって異なります。

放課後児童クラブ(学童クラブ)を利用できる人は?

児童福祉法第6条では「小学校に就学している児童」であって、「保護者が労働等により昼間家庭にいないもの」が、放課後児童クラブ(学童クラブ)を利用できると定められています。

学年については、平成27年度から対象児童が6年生まで拡大されたことにより、小学校1〜6年生まで利用することができます。

具体的な利用条件については各市町村が定めているので、お住まいの自治体のHPで確認する必要があります。

例えば広島県広島市の場合、HPに以下のように細かく記載しています。

次の(1)~(3)までの条件を全て満たす場合に対象となります。

(1)広島市内に住所を有している児童

(2)小学校に在学している児童

(3)保護者及び同居する親族(18歳未満の者を除く。以下「保護者等」という。)が次のいずれかの事由に該当することで、家庭において適切な保護を受けられないことが常態であると認められる児童

ア 保護者等が、就労のため、1週間のうち概ね4日以上(月16日以上)、午後5時頃まで家庭にいないこと。
イ 保護者等が、疾病又は負傷の状態にあるか障害があること。
ウ 保護者等が、疾病又は負傷の状態にあるか障害がある親族等を、常時介護していること。
エ 保護者等が、出産予定日前8週間(多胎妊娠の場合は14週間)に当たる日から出産日後8週間に当たる日までの間(以下「産前産後期間中」という。)であること。
オ 保護者等が、大学・専門学校等へ通学中であること。
カ その他児童を保護できない特別の事由があること

出典:https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/education/104955.html
市町村によってはHPに利用条件の詳細を記載していない場合もあり、また、民間学童では独自の基準を設けている場合もあります。放課後児童クラブ(学童クラブ)の利用対象にあたるかどうかは、ご自分の市町村や周辺のクラブに問い合わせてみると良いでしょう。

放課後児童クラブ(学童クラブ)の利用方法

登録・申請方法

①問い合わせ
概ね9月か10月ごろ、市町村や各施設で次年度の入室希望者の募集が始まります。募集開始時期は市町村によって異なるので、HPなどで情報をチェックしておく必要があります。市町村によっては年度途中からの入室申し込みを受け付けている場合もあります。

申し込みをする際、まずは市町村、もしくは利用する可能性のある放課後児童クラブ(学童クラブ)に直接問い合わせて、空き状況や必要な手続きを確認しましょう。地域の放課後児童クラブ(学童クラブ)一覧や問い合わせ先は、市町村のHPにまとめられていることがほとんどです。

②入室申し込み・選考
入室申込書や保護者の勤務証明書等、放課後児童クラブ(学童クラブ)から指定された書類を期限までに提出します。施設によっては、入室説明会を行うこともあります。定員を超えると選考が行われる場合もあり、その選考基準も市町村によって異なります。

また、学年があがるときの継続手続きや退室手続きも施設によって異なるため、直接確認する必要があります。

③利用決定・手続き
利用が決定した方向けに、説明会への出席や書類の提出が案内されます。

通い方

開所時間は施設によって異なりますが、概ね、平日は学校が終わったあと(14時や15時ごろ)から19時ごろまで、長期休み等は朝8時や9時ごろから19時ごろまで開室しているところが多いようです。

小学校から放課後児童クラブ(学童クラブ)までの送迎を行うところもあれば、子どもたちが自分で下校・登室するところもあります。施設によって方針が異なるため、気になる方は問い合わせの際に確認すると良いでしょう。

放課後児童クラブ(学童クラブ)から自宅までは保護者が送迎を行うことが多いですが、保護者の希望があれば子どもが一人で登帰室できる場合もあります。

利用料金について

放課後児童クラブの利用料は市町村や施設によって異なりますが、数千円の月額を徴収しているところが多いようです。利用料と別でおやつ代などが必要な場合もあります。例えば東京都港区の場合、学童クラブ育成料として月額3,000円と、おやつ代・お楽しみ会費月額2,000円を徴収しています(令和3年時点)。

多くの場合、家庭の状況に応じた利用料の減免制度も取り入れられています。東京都港区の場合には、対象を以下のように定めています。

・生活保護世帯
・区市町村民税非課税世帯
・生活保護に準ずる世帯(生活保護基準額の1.2倍以下の世帯、18歳未満の子どもが3人以上の場合は1.31倍以下の世帯)
・低所得のひとり親世帯(児童扶養手当受給世帯)
・兄弟・姉妹で学童クラブに入会している児童の第2子以降

出典:https://www.city.minato.tokyo.jp/kodomo/kodomo/kodomo/gakudoclub/ikuseir...

発達障害のある子どもが放課後児童クラブ(学童クラブ)を利用するには?

障害児の受入・配慮について

日本放課後児童支援員協会による「放課後児童クラブ運営指針」では、障害を理由として受け入れを拒否せずに、受け入れに伴う負担が過重でない限りにおいて、当人の状態に合わせた必要かつ合理的な配慮をするよう記載があります。

・障害のある子どもについては、地域社会で生活する平等の権利の享受と、包容・参加(インクルージョン)の考え方に立ち、子ども同士が生活を通してともに成長できるよう、障害のある子どもも放課後児童クラブを利用する機会が確保されるための適切な配慮および環境整備を行い、可能な限り受け入れに努める。

・放課後児童クラブによっては、新たな環境整備が必要となる場合なども考えられるため、受け入れの判断については、子ども本人及び保護者の立場に立ち、公平性を保って行われるように判断の基準や手続き等を定めることが求められる。

出典:https://www.city.kumamoto.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=5&id=10815&s...
また、厚生労働省による「障害児受入強化推進事業」「障害者受入強化推進事業」では、障害児の受入に必要となる、専門的知識を有する「放課後児童支援員」等を配置するための人件費・研修費等を市町村が負担すると定められています。

実際の支援体制は、市町村や施設、タイミングなどによっても大きく異なります。発達障害やその傾向のある子どもが利用できるかどうか、個別の配慮を受けられるかどうかは問い合わせて確認する必要があります。すでに障害児の受入れをしたことのあるクラブであれば、それまでにどのような体制でサポートしていたのか確認してみると良いでしょう。

学校や家庭・関係機関との連携について

「放課後児童クラブ運営指針」では、家庭や地域の関係機関・学校との連携を密に行うよう書かれています。

・障害のある子どもの受け入れに当たっては、子どもや保護者と面談の機会を持つなどして、子どもの健康状態、発達の状況、家庭の状況、保護者の意向等を個別に把握する。

・地域社会における障害のある子どもの放課後の生活が保障されるように、放課後等デイサービス等と連携および協力を図る。

出典:https://www.city.kumamoto.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=5&id=10815&s...
例えば施設によっては、以下のような連携を行ってもらえる場合があります。

▼例
・相談支援員や放課後等デイサービスの職員、保護者をまじえてケース会議を行い、特性や困りごと、個別支援計画について共有する
・特別支援学級の先生や担任の先生と、学校と放課後児童クラブそれぞれの様子を共有する
・保護者と面談を行い、家庭の様子や学童の様子を共有したり、相談に乗ったりする

放課後児童クラブ(学童クラブ)と、放課後等デイサービスの違いは?併用はできる?

放課後児童クラブ(学童クラブ)と放課後等デイサービスの違い

障害のある子どもが放課後に利用できる施設として、放課後児童クラブ(学童クラブ)のほかに「放課後等デイサービス」があります。両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

●対象
放課後児童クラブ(学童クラブ)の利用対象者は、「小学校に就学している」かつ「保護者が労働等により昼間家庭にいない」児童です。

放課後等デイサービスの利用対象者は、「身体に障害のある児童、知的障害のある児童又は精神に障害のある児童(発達障害児を含む)」かつ「就学児童」(小学校、中学校、高等学校に通っている児童)で、障害のある児童のみを対象としているのが放課後等デイサービスです。

●支援の内容
放課後児童クラブの支援内容はクラブによって異なりますが、大きな役割としては、子どもたちがおやつを食べたり遊んだり、宿題をしたりするのを見守る、遊びと生活の場です。民間の学童クラブでは、イベントや習い事などを提供するところもあります。利用者20名につき1〜2名程度の支援員がつきます。

一方放課後等デイサービスでは、個別支援計画に基づいて、子どもの特性や困りごとに応じた支援が行われます。その内容は預かり型や療育型、習い事型などさまざまで、利用者5名に対して1〜2名程度の支援員がつきます。

放課後児童クラブと放課後等デイサービスの併用

施設の空き状況にもよりますが、制度のうえでは放課後児童クラブ(学童クラブ)と放課後等デイサービスの併用は可能です。また、相談支援員や各施設の職員に連携を依頼することもできます。

放課後児童クラブに通所しつつ、週1日は放課後等デイサービスで、少人数で特性に合わせた療育の支援を受けるなど、併用するケースもあります。
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まとめ

「放課後児童クラブ」(学童クラブ)は、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、授業の終了後等に小学校の余裕教室や児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与え、その健全な育成を図るものです。

障害のある子どもの受け入れも行いますが、実際の支援体制は、市町村や各施設、タイミングなどによっても大きく異なります。発達障害やその傾向のある子どもが利用できるかどうか、個別の配慮を受けられるかどうかは問い合わせて確認してみましょう。
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