障害のある子どもが放課後児童クラブ(学童クラブ)を利用するには?

障害児の受入・配慮について

日本放課後児童支援員協会による「放課後児童クラブ運営指針」では、障害を理由として受け入れを拒否せずに、受け入れに伴う負担が過重でない限りにおいて、当人の状態に合わせた必要かつ合理的な配慮をするよう記載があります。
・障害のある子どもについては、地域社会で生活する平等の権利の享受と、包容・参加(インクルージョン)の考え方に立ち、子ども同士が生活を通してともに成長できるよう、障害のある子どもも放課後児童クラブを利用する機会が確保されるための適切な配慮および環境整備を行い、可能な限り受け入れに努める。

・放課後児童クラブによっては、新たな環境整備が必要となる場合なども考えられるため、受け入れの判断については、子ども本人及び保護者の立場に立ち、公平性を保って行われるように判断の基準や手続き等を定めることが求められる。
出典:https://www.city.kumamoto.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=5&id=10815&s...
また、厚生労働省による「障害児受入強化推進事業」「障害者受入強化推進事業」では、障害児の受入に必要となる、専門的知識を有する「放課後児童支援員」等を配置するための人件費・研修費等を市町村が負担すると定められています。

実際の支援体制は、市町村や施設、タイミングなどによっても大きく異なります。障害のある子どもが利用できるかどうか、個別の配慮を受けられるかどうかは問い合わせて確認する必要があります。すでに障害児の受け入れをしたことのあるクラブであれば、それまでにどのような体制でサポートしていたのか確認してみると良いでしょう。

学校や家庭・関係機関との連携について

「放課後児童クラブ運営指針」では、家庭や地域の関係機関・学校との連携を密に行うよう書かれています。
・障害のある子どもの受け入れに当たっては、子どもや保護者と面談の機会を持つなどして、子どもの健康状態、発達の状況、家庭の状況、保護者の意向等を個別に把握する。

・地域社会における障害のある子どもの放課後の生活が保障されるように、放課後等デイサービス等と連携および協力を図る。
出典:https://www.city.kumamoto.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=5&id=10815&s...
例えば施設によっては、以下のような連携を行ってもらえる場合があります。

▼例
・相談支援員や放課後等デイサービスの職員、保護者をまじえてケース会議を行い、特性や困りごと、個別支援計画について共有する
・特別支援学級の先生や担任の先生と、学校と放課後児童クラブそれぞれの様子を共有する
・保護者と面談を行い、家庭の様子や学童の様子を共有したり、相談に乗ったりする

放課後児童クラブ(学童クラブ)と、放課後等デイサービスの違いは?併用はできる?

放課後児童クラブ(学童クラブ)と放課後等デイサービスの違い

障害のある子どもが放課後に利用できる施設として、放課後児童クラブ(学童クラブ)のほかに「放課後等デイサービス」があります。両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

●対象
放課後児童クラブ(学童クラブ)の利用対象者は、「小学校に就学している」かつ「保護者が労働等により昼間家庭にいない」児童です。

放課後等デイサービスの利用対象者は、「身体に障害のある児童、知的障害のある児童又は精神に障害のある児童(発達障害児を含む)」かつ「就学児童」(小学校、中学校、高等学校に通っている児童)で、障害のある児童のみを対象としているのが放課後等デイサービスです。

●支援の内容
放課後児童クラブの支援内容はクラブによって異なりますが、大きな役割としては、子どもたちがおやつを食べたり遊んだり、宿題をしたりするのを見守る、遊びと生活の場です。民間の学童クラブでは、イベントや習い事などを提供するところもあります。利用者20名につき1〜2名程度の支援員がつきます。

一方放課後等デイサービスでは、個別支援計画に基づいて、子どもの特性や困りごとに応じた支援が行われます。その内容は預かり型や療育型、習い事型などさまざまで、利用者5名に対して1〜2名程度の支援員がつきます。

放課後児童クラブと放課後等デイサービスの併用

施設の空き状況にもよりますが、制度のうえでは放課後児童クラブ(学童クラブ)と放課後等デイサービスの併用は可能です。また、相談支援員や各施設の職員に連携を依頼することもできます。

放課後児童クラブに通所しつつ、週1日は放課後等デイサービスで、少人数で特性に合わせた療育の支援を受けるなど、併用するケースもあります。
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放課後等デイサービス(放デイ)とは?利用方法、費用など【専門家監修】

まとめ

「放課後児童クラブ」(学童クラブ)は、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、授業の終了後等に小学校の余裕教室や児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与え、その健全な育成を図るものです。

障害のある子どもの受け入れも行いますが、実際の支援体制は、市町村や各施設、タイミングなどによっても異なります。障害のある子どもが利用できるかどうか、個別の配慮を受けられるかどうかは問い合わせて確認してみましょう。
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