ワンオペ、発達障害育児に疲れたら、公的レスパイトの活用を。ショートステイ、移動支援、日中一時支援、居宅介護など費用補助もあるサービスを紹介

2020/11/05 更新
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「レスパイト」とは英語で、「小休止」「息抜き」「休息」といった意味を表す言葉です。

休みなく続く育児で疲れてしまったときやワンオペ育児で余裕がないとき、保護者が休息をとりリフレッシュすることは非常に大切です。

この記事では、発達障害のある子どもを育てる保護者が休みたいときに利用できる、レスパイトサービスを紹介します。

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育児に疲れたときは、レスパイト(一時的休息)をとることが大切

「レスパイト」とは英語で、「小休止」「息抜き」「休息」といった意味を表す言葉です。

誰かをケアする立場である介護者や保護者が、介護や育児で疲れたときに一時的に休息をとることは「レスパイト」と呼ばれ、ケアする人たちの権利であるとされています。

休みなく続く育児で疲れてしまったときやワンオペ育児で余裕がないとき、保護者が休息をとり、リフレッシュすることは非常に大切です。保護者が自分自身をケアして心に余裕を持つことは、子どもにとってもプラスになるはずです。

この記事では、発達障害のある子どもを育てる保護者が休みたいときに利用できる、レスパイトサービスを紹介します。

発達障害のある子どもの育児で利用できる、レスパイトサービスは?

発達障害がある子どもの育児で使えるレスパイトサービスには、障害者総合支援法や児童福祉法に基づいたものが複数あります。育児における困りごとや状況に応じて、利用しやすいものを探してみてください。

ショートステイ(短期入所)

障害者総合支援法に基づいた「障害福祉サービス」で、国が障害区分等により利用対象者を定めています。

障害のある人を自宅で介護する人が病気などの場合、障害者支援施設や児童福祉施設等へ短期間入所し、入浴、排せつ及び食事の介護など、必要な支援を受けることができます。

宿泊を伴って最大で連続30日間利用することができ、介護者の病気や体調不良のほか、出張や旅行、休息をとりたいなどの理由で利用が可能です。

日中一時支援

障害者総合支援法のうち「地域生活支援事業」に含まれており、市区町村が地域の実態にあわせた基準を設けて運営しています。

障害のある人の家族の一時的な休息のため、障害者支援施設や児童福祉施設等で障害のある人の日中活動の場を確保し、預かりのサービスを提供します。宿泊を伴わない支援となります。

居宅介護(ホームヘルプ)

障害者総合支援法に基づいた「障害福祉サービス」で、国が障害区分等により利用対象者を定めています。

自宅において、入浴・排せつ・食事など家事や生活等に関する介護や相談・その他の生活全般にわたる支援を受けられます。利用対象は、国の定める障害支援区分に則って定められています。

児童発達支援・放課後等デイサービス

児童福祉法に基づいた通所支援サービスで、障害のある子どもが利用できます。児童発達支援は未就学の子ども、放課後等デイサービスは就学児童(小学生・中学生・高校生)を対象としています。

児童発達支援・放課後等デイサービスでは、各事業所によってそのサービス内容が異なります。習い事や療育に特化した支援を行う場合もありますが、保育園や学童保育のように子どもたちが日中の時間や放課後を過ごす、預かり型の支援を行う事業所もあります。
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移動支援

障害者総合支援法のうち「地域生活支援事業」に含まれており、市区町村が地域の実態にあわせた基準を設けて運営しています。

移動が困難な人が、ガイドヘルパーによる外出の支援を受けられます。冠婚葬祭や投票、文化的活動などの社会生活を送る上で欠かすことのできない外出や、イベントへの参加や観劇など余暇活動などの社会参加のために利用することができるとされています。市区町村によっては、通学や通園の移動支援を行う場合もあります。

また、類似サービスとして「同行援護」「行動援護」があります。利用対象や内容が市区町村により異なる移動支援に対し、同行援護と行動援護は、全国どの市区町村でも同じ基準が適用されます。

同行援護は視覚障害のある人を対象としており、行動援護は重度の知的障害、精神障害のある人を対象としています。
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一時預かり事業

児童福祉法に基づき市区町村が主体となって行っている、未就学児向けの支援サービスです。

保護者が子どもを見ることが一時的に困難になった家庭のために、保育所、幼稚園、認定子ども園、地域子育て支援拠点などが一時的に子どもを預かります。別名「一時保育」ともいいます。

一時預かりのスタイルは主に以下の3つにわけられます。

①幼稚園・保育所に通っていない子どものための「一般型」
子どもが保育所、幼稚園、認定こども園等に通っていない場合に利用することができる

②幼稚園に在籍する子どものための「幼稚園型」
普段の幼稚園の教育時間の前後、または春休みや夏休みなどの長期間の休業日に幼稚園等において一時的に預かってもらうことができる

③ 保育施設の一般利用に空きがあるときに利用可能な「余裕活用型」
利用している子どもの数が定員に達していない保育施設で保育が行われ、預かる子どもの人数は、定員の範囲内で行うようにと取り決められている
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レスパイトサービスの利用方法は?どんな人が利用できるの?

障害者や障害児を対象とした福祉サービスを利用するには、受給者証の申請が必要です。申請窓口や手続きは、そのサービスの根拠法によって異なります。

なお障害者総合支援法や児童福祉法における「障害者」「障害児」の規定には特に障害者手帳の所持が条件となっていないため、サービスの利用にあたり手帳の有無は問われません。

ただし、医師の診断書により障害があることを確認するケースはあります。

自立支援給付(ショートステイ・居宅介護など)の利用方法

ショートステイや居宅介護は障害者総合支援法「自立支援給付」に含まれ、利用するサービス費用の一部を行政が障害のある方へ個別に給付するものです。そのため、国が障害区分等により利用対象者を定めています。

1. 市区町村の障害福祉担当窓口へ申請
申請の際には、状況に応じて障害者基礎年金1級の受給の有無や介護保険申請の状況などを聞かれる場合があります。

2. 障害者支援区分認定調査
市区町村の認定調査員による面接が行われ、全国共通の質問票から心身の状況に関する80項目と状況の調査が行われます。詳しくは次のリンクをご覧ください。
3.一次判定
認定調査の結果に基づき、コンピューター判定が行われます。

4.二次判定
一次判定の結果と状況調査、医師意見書などを踏まえ、市区町村が主催する、支援区分や特別な支給決定を審議する「審査会」で二次判定が行われます。

5.障害区分認定
二次判定の結果に基づき、非該当、区分1~6の全7段階で支援区分認定が行われます。各サービスの区分ごとのサービス量は上記のリンクを参考にしてみてください。

6.サービス利用意向の聴取・サービス等利用計画案の提出
支援区分の認定と並行して、市区町村から福祉サービスの利用等に関する計画(サービス等利用計画、または障害児支援利用計画と呼びます)の案を提出するように求められます。

サービス等利用計画案、障害児支援利用計画案は市区両村から指定された特定相談支援事業者、障害児相談支援事業所が作成しますが、申請者自身による作成(セルフプラン)も可能です。

7.支給決定
支援区分や本人の状況、家族・家庭の状況、現在の困りごとや将来に向けた希望、福祉サービスの利用意向、サービス等利用計画案などを踏まえてサービスが支給決定され、受給者証が申請者に通知されます。

8.サービス担当者会議
申請した方が利用する全サービスの担当者(サービス管理責任者)が出席し、利用する方に適したサービス提供のあり方や、事業所ごとに作成する「個別支援計画」の方向性などについて話し合われます。

9.支給決定時のサービス等利用計画の作成
市区町村の支給決定やサービス担当者会議での案協議をもとに、最終的なサービス等利用計画を作成します。(セルフプランの場合には、8・9が省略されることがあります)

10.サービスの契約・利用開始
申請した方はサービスを提供する事業所と利用契約を結び、サービスの利用を開始します。サービスの量や内容については、サービス利用開始後であっても必要に応じて見直すことができます。
※費用について※
利用者負担は、原則として「1割」です。ただし、世帯ごとの前年の収入に応じて負担額の月額上限が定められているため、その金額以上の自己負担は生じないことになっています。利用月額が0円に免除される場合もあります。特に、生活保護を受けている世帯や住民税が非課税の世帯については、利用者負担はありません。
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地域生活支援事業(移動支援・日中一時支援など)の利用方法

移動支援・日中一時支援は障害者総合支援法のうち「地域生活支援事業」に含まれ、市区町村が地域の実態にあわせた基準を設けて運営しています。

具体的な利用手続きは市区町村やサービスによって異なるため、申請窓口で必要書類や手続きについて確認しておくと良いでしょう。

1. 市区町村の障害福祉担当窓口へ申請
この際、具体的な手続きや必要書類について確認しておきましょう。

2.利用手続き
具体的な手続きは、市区町村やサービスごとに異なります。

3.支給決定
市区町村からサービスを受けるに適当だと判断されると、受給者証が申請者に通知されます。

4.サービスの契約・利用開始
サービスを提供する事業所と利用契約を結び、サービスの利用を開始します。サービスの量や内容については、サービス利用開始後であっても必要に応じて見直すことができます。

※費用について※
利用にかかる料金は、自治体により異なります。障害福祉サービスの利用者負担区分により、サービスの1割負担が基本となります。世帯の収入の状況によっては負担のない場合もあります。詳しくは市区町村の福祉担当窓口へお問い合わせください。
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児童発達支援・放課後等デイサービスの利用方法

児童発達支援・放課後等デイサービスは、児童福祉法に基づいた「障害児通所支援」に含まれます。

1.福祉窓口に相談
児童相談所・障害児相談支援事業所や、市区町村の福祉担当窓口などに相談します。利用したいサービスや子どもの状況を聞かれることが多いので、母子手帳を持参したり、過去に子どもの発達について相談した履歴や発達検査の受検歴があれば、その時の状況や結果なども伝えたりするとよいでしょう。

2.施設見学&相談
実際に利用したい事業所に行き、見学します。その際に利用についても具体的に相談しましょう。

利用したいサービスが決まったら、相談支援事業所で受給申請に必要な障害児支援利用計画案を作成してもらうか、セルフプランで作成します。

3.障害児通所給付費支給申請をする
受給者証取得のため市区町村の福祉担当窓口に障害児通所給付費支給申請をします。必要な書類は市区町村によって異なりますので、事前によく確認しておきましょう。

4.調査・審査
受給者証を発給するための利用要件を満たしているかどうかや、子どもに必要だと考えられる適切なサービスの量(日数)について、市区町村の支給担当窓口によって検討されます。面接調査や訪問調査で、状況や利用意向の聞き取りやアセスメントを行う自治体もあります。

5.支給決定
支給が決定したら、受給者証が交付されます。受給者証には受けられるサービスの量についても記載されています。

交付を受けたら障害児支援利用計画を作成します。相談支援事業所が受給者証の給付決定内容に基づき、利用を希望する事業所と連絡し調整して作成してくれます。

6.サービスの契約・利用開始
受給者証と障害児支援利用計画(もしくはセルフプラン)を持って利用する事業所に行き、サービスを受ける契約手続きをします。

※費用について※
放課後等デイサービスは障害児通所給付費の対象となるサービスです。受給者証を取得することで国と自治体から利用料の9割が給付され、1割の自己負担でサービスが受けられます。

利用した日数に応じた1割負担分の利用料を支払いますが、前年度の所得によりひと月に保護者が負担する額の上限が決められているので、利用する日数が多くても下記の金額以上の負担は発生しません。また、自治体によっては独自の助成金がある場合もありますので、問い合わせてみましょう。

一時預かり事業を利用できる人と、利用方法

一時預かり事業の利用対象

子育て家庭の保護者が以下の理由で利用することができ、理由によって利用できる日数は異なります。

・保護者の育児にともなう心理的、肉体的な負担を軽減したいとき
・保護者の就労支援
・病気・出産・看護・冠婚葬祭などの場合

また、施設での一時預かりを実施するのが難しい場合、子どもの自宅に直接職員が訪問をする「居宅訪問型」を選択できる場合もあります。ただし、以下の3つの要件のうちのどれかを満たしている必要があります。

・子どもに障害、疾病等があり、集団保育が著しく困難であると認められる
・ひとり親家庭などで、保護者が一時的に夜間、および深夜の就労を行っている
・離島その他の地域において、保護者が一時的に就労を行っている

利用対象は基本的に就学前の子どもですが、自治体や各施設によって預けることのできる月齢が異なります。

一時預かり事業の利用方法

一時預かりの申し込みを行いたいときには、直接各施設にお問い合わせの上で申し込みを行う場合と、まれに市役所の窓口で申し込みを行う場合の2つがあります。

直接施設へ申し込むときには、一時預かりのための登録を行う必要があります。一時預かりのサービスの利用の際には利用登録と申請書の提出が求められます。市役所の窓口で申し込みを行うときには、窓口にて案内される申請書に必要事項を記入し、申し込みを行います。

※費用について※
一時預かりにかかる費用は自治体や実施施設によって異なります。料金が1時間単位で決められている場合もあれば、半日・1日単位で決められている場合もあります。だいたい、1日あたりに換算すると1,500円から5,000円くらいの幅の中で料金が定められていることが多いようです。
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まとめ

発達障害のある子どもの保護者のなかには、「育児で疲れても、頼れる人が少ない」「子どもを預けることに罪悪感がある」と考えている方もいるかもしれません。

育児に忙しい保護者が休息をとることは、保護者自身にとってはもちろん、子どもにとっても大切なことです。育児による心身の疲労を一人で溜め込むのではなく、サービスを利用して休息をとることを検討してみてください。
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