ADHD息子、専修高校で人間関係トラブル発生!親子で決めたいじめられないための2つの約束

ライター:かなしろにゃんこ。
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ADHDと広汎性発達障害がある息子のリュウ太は専修高校で楽しいスクールライフのはずが、ちょい悪グループに目をつけられてイジメがスタートしてしまいました。
良くも悪くも目立ってしまうリュウ太は自分で乗り越えようとするもののうまくいかず。いじめの標的にならないための振舞いを親子で話し合ったのでした。

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監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている(産業医のご依頼を随時受付中)。 ・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮/京都/名古屋):https://yuik.net/ ・ゆうスキンクリニック(上野/池袋/新宿/横浜):https://yubt.net/ ・横浜ゆう訪問看護ステーション(不登校、引きこもり、子育て中の保護者のカウンセリング等お気軽に):https://yokohama.yuik.net/shinyoko-houkan/

人づきあいがヘタだったADHD息子、自己主張を解放してトラブル⁉

周りと話すとすぐにケンカになってしまう小5のリュウ太くん
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ADHDで広汎性発達障害がある息子のリュウ太は保育園時代から人間関係でうまくいかないことばかりでした。

小学校時代は自分の趣味のことを話したくて早口でしゃべって周りに聞いてもらえなかったり、趣味が周りと合わなくて話の輪に入っていけなかったり、みんなと同じ話題に合わせることもしませんでした。

その結果、親しい友人は少なく、周りとはケンカばかりで、楽しい会話などできず相手に対して暴言ばかり言ってしまうという状態でした。

ですが、息子が中学生のころ、私が発達障害の自助会での勉強会で教えてもらった「発達障害がある人向けのコミュニケーションと人づきあいのルール」を息子に伝えるようにしていくと友人が一人二人と増えていきました。
周りに合わせた話をしていくことを学んだ中学時代
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自分の趣味の話はセーブをして友人の趣味に寄り添う方法を取っていたことで友人間のケンカやトラブルはほとんど起きなくなりました。

しかし、車の整備士を目指すための専修学校高等課程に進学してからは、これまで自分の趣味の話をセーブしてきた反動か?同じ車が好きな者同士が集まる場所で、リュウ太は自分の興味のある話題を話したり、自己主張するようになっていったのでした。
得意な分野の話で誰とでも仲良くなった専修学校時代
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得意な車の会話を武器に積極的に話をしていった結果、たくさんの友人ができました。

楽しそうなリュウ太くんを疎ましく思う人たちもいて…
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これはリュウ太が会話上手だったからではなく、同じ趣味を持つ者同士という環境の中では『時系列で話せない』『要点のまとめがヘタ』『語彙力が乏しい』など多少コミュニケーションに難があっても、共通の話題で盛り上がれることが大きく、また明るく話しかける姿勢が功を奏したのだと思います。

リュウ太もマニアックな会話が思う存分できて毎日学校が楽しかったと言います。

その反面、専修学校にはくせの強い人も多く、中には楽しそうにしているリュウ太を疎ましく思っている人もいたようで嫌がらせもありました。出るくぎは打たれるというやつでしょうか。
嫌がらせの対象になってしまったリュウ太くん
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同じクラスのA君には、物を取られたり壊されてしまうということがありました。

B君は、リュウ太が嫌がるような言葉を投げつけてきたり、金銭を要求することもあったといいます。

A君もB君も目立つタイプで影響力が強いために、学校の友人も助けづらそうな様子だったということもあり、リュウ太も「困ったことが起きても一人で解決しようと友人に相談することはなかった」と言います。

小中学校のときからいじめてくる人に対して抵抗して負けずに戦ってきたリュウ太。

助けを求めず自分で解決しようと思っていたようですが、嫌がらせがエスカレートしてくると「学校にイヤなヤツがいるから学校を辞めたい」と言うようになったため親子間で話しあうことにしました。リュウ太の話を聞くと、A君・B君が関わってくるのは、リュウ太のことが気になっているから故なのかなと感じました。
親や友だちに相談できず悩む日々
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いじめたときにどんな反応をするんだろう?
暴力や脅しが効いているか?

リュウ太の反応を見て、優越感だけではなく罪悪感も感じているのかもしれない。自分の中にあるさまざまな気持を確認する手段となっているのかもしれないーー。


息子たち同士での解決は難しそうだと感じ、学校の先生に相談してみたものの、人間関係のことは自分たちで乗り越えるようにという方針であまり力になってくれない様子。そこで、「暴力と金銭を要求する子に対して弁護士に相談することにします」と伝えたところ、先生も介入してくれるようになり、相手に注意をしてくれました。

A君は保護者が謝罪に応じてくれましたが、B君は元々学校にあまり来ない状態でもあったためか退学となり、いじめ問題は一旦は解決しました。

私は学校が対応してくれなかったらいじめ対策専門の弁護士に相談しようと思っていました。
学校の先生に相談したけれど…
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しかし、リュウ太自身も変わらないことには、根本的な解決にはならないのではないかと思いました。

そこで、私は『リュウ太には目をつけられやすい特性がある』と言うことについて話をすることにしたのです。

集団の中では目立たずに過ごすこと、そのために

➀自己主張を再びセーブすること

②大きな声で喋らないようにすること


集団の中でうまく渡っていく方法をアレコレと伝えても覚えられませんし実践できないものです。ですから2つだけ伝えることにしました。
リュウ太が持つADHDの天真爛漫な個性を殺してしまうのはかわいそうなので、あくまで集団の中で自己主張をしないキャラの演技をするだけだよ!としました。
集団の中で目立たず過ごすための2項目
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この方法を実践したそのあとは学校での人間関係で大きなトラブルもなく過ごし卒業することができました。
そのことがあったからかリュウ太は人の心理というものを調べたりして距離を置いてつきあう方法なども考えるようになったと言います。

自分が他人にどう思われているのかなんてわかりませんから、失敗しながらパターンで覚えるしかないですよね。

表現することが求められる場所では目立っていいけれど、そうでない日常では目立つことは目をつけられやすくなるーーということを理解して成長していってほしいと思うのでした。

現在23歳になったリュウ太、今は思いっきり趣味の話をしたいときは同じ趣味の人が集まるオフ会や集会に行くようにしているそうです。
そこは自分よりも年上の人が多く集まる場所なので主張などは控え目にしているそうです。まだまだ人づきあいを学んでいる最中です。
執筆/かなしろにゃんこ。

専門家コメント(医師・公認心理師 森しほ先生)

「自分らしくいたい」と「傷つきたくない」の間で、安心できる居場所を一生懸命に探してきたのですね。
発達障害、とくにADHDやASD傾向のある方は、「悪気なく目立ってしまう」「空気より興味を優先してしまう」「感情や言葉がストレートに出やすい」といった特性から、集団の中で誤解や摩擦が起きやすいことがあります。これは、脳の情報処理の違いによるものです。
また、好きなことを話せる環境に出会うと、今まで抑えていた自己表現が一気に解放されることがあります。
「やっと安心できた」という自然な反応でもあります。
けれど、子どもたちの集団の中では、“楽しそうにしている人”“目立つ人”として、ターゲットになってしまうこともあります。
発達の偏りのあるお子さんは「困っても相談できない」「自分で解決しようと抱え込む」傾向があります。
幼少期から失敗経験や注意される経験が多いことで、「人に頼るより我慢したほうが早い」と学習してしまうからです。
そんな時には、“個性を否定せず、環境に合わせる技術を教える”という対応はとっても素晴らしいのではないでしょうか。
「あなたが悪い」ではなく、「集団では目立ちすぎない工夫も武器になる」と伝えると、自己否定をするのではなく“社会で自分を守るスキル”の学習ができますね。
発達特性のある人に必要なのは、「そのままの自分を大切にできる場所」と、「安全に社会を渡るための技術」の両方なのではないでしょうか。

集団での摩擦がおきて悩んでいる場合、気を付けたいことをまとめると以下のようになります。
1.「安心して好きな話をできる場所」を分ける
学校や職場ですべてを全開にすると、どうしても温度差が生まれます。趣味全開トークは、オフ会やSNSなど“同じ熱量の人が集まる場所”に分けるのがおすすめです。「好き」を我慢するのではなく、“出す場所を選ぶ”感覚です。
2.「声量」と「話す時間」を意識する
ADHD傾向のある方は、楽しいと声が大きくなったり、一気に話してしまうことがあります。
おすすめは、
・相手が話した時間=自分も話す
・3分話したら質問を返す
など、自分なりの“会話ルール”をつくることです。
3.「困ったら相談」を練習しておく
いじめやトラブル時、「自分で耐える」が癖になっている人は本当に多いです。ですが、金銭要求や物を壊される行為は明らかに一線をこえています。
相談先を事前にリスト化しておくと安心です。
・学校の先生
・スクールカウンセラー
・親
・信頼できる先輩
・自治体相談窓口
など、“相談先”をつくっておきましょう。
4.「集団の中での自分モード」をつくる
「集団では自己主張を少しセーブする」という考え方と同じ流れとなりますが、“自分を偽る”のではなく、“社会用アバター”をつくるイメージで動いてみましょう。
「学校モード」「趣味モード」「仕事モード」と切り替えることで、ストレスを減らすことができます。
「みんなと同じ」を目指すより、「自分が壊れない工夫」を積み重ねることが、穏やかに生きるコツなのではないでしょうか。
これからも自分らしさを保ちながら、ストレスなく暮らしていけることを願っています。
(監修:医師・公認心理師 森しほ先生)
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