特別支援教育コーディネーターとは?発達障害のある子の合理的配慮を相談できる?学校内外での役割や支援内容を解説

ライター:発達障害のキホン
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特別支援教育コーディーネーターは、園や学校に配置されます。保護者や関係機関に対する学校の窓口として、また、学校内の関係者や福祉・医療等の関係機関との連絡調整の役割を担い、子どもたちのニーズに合わせた支援をサポートします。特別支援教育コーディネーターの役割や、具体的なサポート内容について解説します。

特別支援教育コーディネーターとは?

特別支援教育は、発達障害を含めた障害のある幼児・児童・生徒の自立や社会参加に向けて、校内外の関係機関のネットワークやチームワークによって一人ひとりのニーズに合わせた支援を実現するという教育の考え方です。

改正学校教育法の施行に伴い、平成19年4月1日より全国の学校・園で特別支援教育が本格的に実施・推進されています。

特別支援教育コーディネーターは各学校や園に配置され、特別支援教育の推進のため、主に以下の役割を担っています。

・校内委員会の企画・運営
・関係諸機関・学校内関係者との連絡・調整
・保護者からの相談窓口

特別支援教育コーディネーターは、教諭が兼ねています。小学校・中学校の場合は担任をしている先生、養護教諭の先生、特別支援学級の先生が、こども園・幼稚園の場合、役職上の主任である教諭が特別支援教育コーディネーターを担当することが多いようです。

自分の学校や園における特別支援教育コーディーネーターがわからない場合、学校や園に問い合わせてみてください。
特別支援教育の推進について(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1300904.htm

特別支援教育コーディーネーターの具体的な仕事内容は?

特別支援教育コーディネーターは、保護者や関係機関に対する学校の窓口として、また、学校内の関係者や福祉・医療等の関係機関との連絡調整の役割を担う者として位置付けられます。

小学校・中学校における、特別支援教育コーディネーターの仕事内容

(1)学校内の関係者との連絡調整・校内委員会の推進
特別支援教育コーディネーターは校内委員会(※)の企画・運営を担い、協議を円滑にできるようにしていきます。また、支援を必要とする児童・生徒の情報を収集し、必要に応じて特別支援教育支援員 、スクールカウンセラー等、学校内の専門スタッフとつなげる連絡調整役を担います。

保護者や担任の先生とともに具体的な支援内容や方針の確認等を行うケース会議を実施したり、児童・生徒の個別指導計画を作成し、実施、評価、改善を行う役割も担います。

※校内委員会:児童生徒の担任の先生のほか、校長、教頭、学年主任等、養護教諭などで組織され、効果的な指導や対応に向けて情報を共有し、全校的な支援体制をとるもの
(2)外部の関係機関との連絡調整
特別支援教育コーディネーターは、外部の専門家チームや、医療・福祉の関係機関等との連絡調整が必要になった場合の窓口となります。地域の医療・福祉の関係機関等やそれらが提供している支援内容について情報を収集・整理し、必要に応じて教員や保護者へ情報を伝えます。

(3)保護者に対する相談窓口
保護者に対する学校の相談窓口となり、保護者を支援します。
併せて、通常学級の中で教育上特別の支援を必要とする児童・生徒に効果的な教育的支援を行うために、対象児童の保護者だけでなく全ての保護者に対して特別支援教育の重要性についての理解の推進を図っていきます。

(4)担任への支援・進級時の引き継ぎ調整
担任の先生に対して相談に応じたり、助言したりするなどの支援を行います。また、児童・生徒の進級時には、新旧の各学級担任間で教育上特別支援を必要とする児童などに対する指導方針が異なることのないよう、校長の指示のもと、その調整を行います。

(5)巡回相談員や専門家チームとの連携
巡回相談員及び専門家チームとの連携を図り、支援内容の改善につなげていきます。

特別支援学校における、特別支援教育コーディーネーターの仕事内容

特別支援学校においても特別支援教育コーディネーターは、保護者や関係機関に対する学校の窓口、また、学校内の関係者や福祉、医療等の関係機関との連絡調整の役割を担います。

加えて、各学校の教員の専門性や施設・設備を活かし、地域における特別教育に関する相談を受けるセンター的役割があります。地域の小・中学校への支援や、地域内の特別支援教育の核としての関係機関との連絡調整を行い、ネットワークの構築や協力関係を推進するための情報収集・情報共有を行います。
特別支援教育コーディネーター実践ガイド(独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 )
https://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_c/c-59.html
発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/10/13/1383809_1.pdf

保護者から相談してもいいの?合理的配慮を受けたいときは?

特別支援教育コーディーネーターには、保護者からの相談窓口を担う役割があります。子どもの学校の様子が気になるときや支援内容を相談したいとき、担任の先生以外にも、特別支援教育コーディーネーターに直接相談するという方法があります。

通常学級に通っていても、発達の気になる子どもへの配慮や支援、特別支援学級への移籍についての内容等も特別支援教育コーディーネーターに相談することができます。

また「発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン」(文部科学省)には、以下のような記載があります。
特別支援教育コーディネーターは、各学級担任とともに、児童本人や保護者等から、現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明を受けるなど、合理的配慮の提供に当たっての相談窓口としての役割も果たします。
出典:https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFile...
特別支援教育コーディーネーターは保護者から合理的配慮についての相談を受けると、その内容を担任の先生へと共有し、配慮を受けられる環境づくりを助言することになります。合理的配慮を受けたいが担任の先生に相談しづらい、どのように伝えるべきかわからない、などあれば、特別支援教育コーディネーターに最初に相談してみると良いでしょう。
次ページ「まとめ」

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