コロナ禍の「マスク問題」。感覚過敏のある娘が断固拒否…困った母の作戦とは

ライター:古都 コト子(koto)
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娘は新生児のころから感覚過敏があり、素肌に触れられることや、抱っこを嫌がるタイプの子でした。服選びも難しく、特定のメーカーの靴しか履けなかったり、帽子をかぶってくれなかったり、髪の毛を切らせてくれないのは当たり前。自転車で移動しようにも、ヘルメットを頑なに拒否していたことも。必要以上のものが体に触れるということが、娘にとってはとても苦痛だったようです。

はじめはマスクを断固拒否!

マスクを着けるのを嫌がる娘
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当然、コロナ禍においてマスクが必須となった当初は、着けるように言っても断固として拒否していました。療育園は理解があったので、外遊びをメインにしたり、ソーシャルディスタンスを守ったりすることで、マスクが着けられない子がいても大丈夫なように、いろいろな配慮をしてもらえていました。一方で、マスクを着けていないと、一般のお店には入店できないなど困った場面も増えました。

もともと、娘が好きなキャラクターの子ども用マスクは家に常備していました。それもなかなか着けてくれず、着けてもすぐに取ってしまい困っていました。ただでさえ、こだわりが出ることが多い娘。どこかに少し行くだけでマスクの攻防戦を繰り広げなければならないことが、私にとっても相当なストレスになっていました。

とは言え、かかりつけの病院に行ったりするには、どうしてもマスクを着けてもらわなければなりません。私は少しずつ、マスクを着けられるようになる取り組みを進めてみました。

マスクを着けられるようになるまで

娘に着けるマスクを選ばせるような工夫をしました
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まず、家の掃除をするときや喉の乾燥を防ぐために、家の中で私がマスクを着けている姿を生活の一部として見せるようにしました。それでも、外出先でマスクを着けるように言っても「着けたくない」と拒否する姿勢は、あまり変わりませんでした。

少し変化があったのは、コロナが少し落ち着いていた時期に、娘の好きなお友達に会いに行ったときでした。屋外でしたが、その友達がマスクをしていたので、娘は自分もマスクをしないと一緒に遊べないと思ったようです。その日はしばらくの間、マスクをしていても夢中で遊ぶことができていました。

また、本人が着けるマスクも、私が勝手に選ぶのではなく、娘と一緒に選ぶようにしました。娘が自ら「これが良い」と言って決めたマスクなので、着けるように言うと、渋々ながらもマスクを着けようとする姿勢が見られるように。こうして、本人が気に入ったマスクを何枚か用意することで、娘がその日の気分でマスクを選ぶようになり、着けることを嫌がる頻度が減っていきました。

今では、お気に入りのマスクを何枚かローテーションで使うようになり、外出先で渡されたりする無地の白い子ども用マスクも着けられるようになっています。

感覚的な我慢は少ないほうがいいけれど

「触れる」「履ける」「被れる」「着られる」など、何年も前からの訓練の効果であるようにも感じています
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先日、療育の先生から聞いたマスクの着け方のアドバイスの中に、「マスクを無理矢理着ける経験ばかりさせてしまうと、マスク=嫌な物になってしまう。だから、なるべく楽しく、日常生活の中に取り入れて練習してみる」がありました。今思えば、私が娘に試した方法も、このやり方に近かったのかなと思います。

ただ、新生児のころから感覚過敏があった娘が、このように比較的スムーズにマスクを着けられるようになったのは、何年も前からの訓練の効果であるようにも感じています。泥を触るのを嫌がっていた時期は、どろんこ遊びを通して少しずつ触れるように。ヘルメットを嫌がっていた時期は、好きな外遊びをしているときに帽子を被る練習をすることで帽子を克服してから、ヘルメットを被ったりすることもできるようになりました。

こうして、少しずつ少しずつ、以前は嫌がっていた感覚もいろいろな取り組みを通して克服できるようになってきている娘。それでもやっぱり、感覚的な我慢は少ないほうが快適には違いありません。マスクを着けなくても良い場所に移ったときは、「もう外しても良いよ」とすぐに声を掛けてあげています。
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