院志望のASD大学生息子、いきなり就活開始!?その驚きのワケとは

2021/09/29 更新
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でこぼこ兄妹のお兄ちゃん、タケルも今年大学3年生になりました。大学3年生の夏ともなると、そろそろ周囲は就職活動を終え、内定が出る人もちらほら。それを見てタケルもソワソワし始めたようで…。

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寺島ヒロ
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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 客員研究員
応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。

ASD息子、大学3年生に

わが家のASD息子、タケルも大学3年生。大学院への進学を希望しています。周りでは、そろそろ企業の内定をもらったという人も出てきました。
ネットで就活している人の様子を見てそわそわするタケル
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学部卒業した後、就職する人と進学する人のルートモデル
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いきなり就職活動を始めたタケル!でも、どうして?

ところが、夏休みの少し前、タケルが酒造メーカーの会社説明会のパンフレットを読んでいるのを見つけました。ふと見ると、ほかにも10冊近い会社案内の冊子を持っているではありませんか。

「あれ?会社説明会に行ったの? 4年で卒業して就職するつもり?」と聞くと、「いえ、進学します」とのこと。
 
私「一応、就職先も確保しとこうってこと? お酒づくりに興味あったの?」
タケル「醸造に興味はあります。説明会で話を聞いて理解が深まりました」
私「その会社を受けてみるつもり?」
タケル「受けても良いかなって思ってる」
私「でも進学するんじゃないの?」
タケル「進学はします」
私「???」

何だか話がかみ合わない…。

あれこれ聞いて、どうやら「3年生になったら就活をするもの」「院に行くことを考えるのは納得のいく内定がもらえなかったとき、夏ごろに考えればいい」と言っている誰かの話を聞きかじって、自分なりに解釈していることが分かりました。
 
大学院に進学する場合でも、就職活動は学部生3年生のうちにするものだと思っていたんですね。内定をもらったまま6年間も出社しないつもりだったんでしょうか。
 
「え? 進学する人は就活しなくていいの? 3年生になったら就活をするもんだ、と聞いていたが!」と驚いていました。
「ぜひご参加ください」と書いてあったので、文字通り受け取り会社説明会に出席していたタケル
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「お勉強」はできても、年相応の知識がないことも…

ASDのある人は、一般的になんとなく見聞きして覚えてるだろうと思われる知識がスポッと抜け落ちていることがあります。しばしば「常識がない」と言われてしまうこともありますが、特性上仕方がない部分もあるんですよね。周囲にいる親や支援者が教えてあげるのも、特に子どもの社会が広がってくると限界があると感じます。
 
私も何か発覚する度に「そこ知らんかったんかーい!?」と驚かされるのですが…まあ、実のところ私自身にもこういう部分がありますので、気持ちはわからなくもないのですよね…。
 
せめて、情報を集める手助けをしたり、間違ったときには一緒に軌道修正できるよう、息子の「常識のなさ」を柔らかい心で受け止めてあげたいものだと思います。

執筆/寺島ヒロ
(監修:井上先生より)
大学院進学、素晴らしいですね。就活をしながら大学院進学を考えている人はたしかにおられるので、間違ってはいないように思いますが、進路決定の優先順位をどのようにつけてよいのか整理することが困難だったり、企業からのお誘いをうまく断れない、などは難しい問題ですね。でもきっと将来の良い経験なると思います。大学では、学生支援室や学生相談室で発達障害のある学生の進路相談を受けられるところが増えています。そういった機関があるか調べることも大事ですし、利用をおすすめしてもよいかもしれません。
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