お昼寝失敗で癇癪、寝かしつけに数時間。眠れないASD息子に効果的だったのは?正論アドバイスに傷ついた乳幼児期

2021/10/15 更新
お昼寝失敗で癇癪、寝かしつけに数時間。眠れないASD息子に効果的だったのは?正論アドバイスに傷ついた乳幼児期のタイトル画像

寝ないほど追い詰められるものはない。こんにちは、ADHDと自閉スペクトラム症の診断を持つ小学2年生、むっくんの母ウチノコです。むっくんは小さなころから入眠がどうも苦手でした。現在はそれなりに折り合えるようになりましたが、むっくんの睡眠事情はずっと私の悩みの種でした。そんなわが家の睡眠事情を振り返ってみたいと思います。

ウチノコさんのアイコン
ウチノコ
13931 View
監修: 三木崇弘
フリーランス児童精神科医
スクールカウンセラー
兵庫県姫路市出身。愛媛大学医学部卒・東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程修了。早稲田大学大学院経営管理研究科修士課程在学中。 愛媛県内の病院で小児科後期研修を終え、国立成育医療研究センターこころの診療部で児童精神科医として6年間勤務。愛媛時代は母親との座談会や研修会などを行う。東京に転勤後は学校教員向けの研修などを通じて教育現場を覗く。子どもの暮らしを医療以外の側面からも見つめる重要性を実感し、病院を退職。 2019年4月よりフリーランス。“問題のある子”に関わる各機関(クリニック、公立小中学校スクールカウンセラー、児童相談所、児童養護施設、保健所など)での現場体験を重視し、医療・教育・福祉・行政の各分野で臨床活動をしている。

赤ちゃんのころの様子

むっくんは赤ちゃんのころから現在に至るまで、一貫して総睡眠時間は平均より短め、入眠に時間がやたらかかるのに一度眠ると起きないという睡眠リズムを持っています。

私がむっくんの睡眠に悩み始めたのは授乳が終わったころからでした。とにかく入眠に時間がかかり、授乳なしではお昼寝も夜の寝かしつけも思うようにいかないのです。初めての子育てだったことも相まって、夫婦共にむっくんを寝かせることのストレスは相当なものでした。
寝かしつけに苦労していた日々
Upload By ウチノコ
更に当時は、お座りや歩行、発語などといった月齢相当の目安となるような発達は順調に進むものの、睡眠以外にも、多動、他害、癇癪、偏食なども強く、むっくんへどう接したらよいのかが全く掴めませんでした。育児書やネット上のアドバイスを片っ端から試すのに、何もかもうまくいかない。お昼寝に失敗すると癇癪が起こりやすく、更に関わりが難しくなってしまうので、朝起きたときから何をして過ごせば今日寝てくれるだろうかと、睡眠のことばかり考えていた気がします。
癇癪を恐れ、眠らせることに執着していて…
Upload By ウチノコ
当時の私は、むっくんが起きている間は息ができず、眠っている間だけ息ができる。そんなふうにも感じていました。子どもとの暮らしを楽しめない自分を、自分で責めてもいたことを覚えています。

3~5歳のころ

このころから、むっくんはイヤイヤながらも眠る努力をしてくれるようになりました。むっくんも寝ようと頑張るものの、布団の中でじっとすることができず寝付くのに1~2時間かかります。昼間は園へ行き外遊びもばっちり!夕方からはずっと、一般的に眠るに適したと言われる環境を必死で維持しているのに、ふとんの肌触りや温度、外の車の音などの刺激にいちいち反応し、暗闇でごそごそ動き続けてしまうのです。隣で寝たふりをしながらその音を2時間近く聞くことは、とにかくイライラするものでした。最終的には脅してじっとさせて眠らせるという、穏やかな眠りには程遠い寝かしつけをしていました。
10秒止まれたら眠れる息子
Upload By ウチノコ

眠れない理由

むっくんは5歳のころになかなか寝ない理由を教えてくれました。
むっくんの寝ない理由
Upload By ウチノコ
必死で眠らせようとしていた私と、私とのお別れが嫌で眠らないように頑張っていたむっくん。むっくんは今も不安を感じやすい子なので、イライラする私の横でずっと独りで不安と向き合っていたのかもしれないと思うと情けなくて・・・。むっくんは機能的に眠ることが苦手な面もありますが、上手く眠れない理由の一つに強い不安感があると知り、私はこのころから【早く眠る】ではなく【穏やかに眠る】ことを意識するようになりました。

私にできたこと

むっくんは3歳半のときに神経発達症の診断を受けて医療とつながっていましたが、入眠に時間がかかると言っても0時ごろまでには眠れて中途覚醒もないタイプでした。そのため、入眠に時間がかかることが日中の活動に差し支えることはなく、主治医からお薬などを勧められることもありませんでした。

そこで、眠るときはできるだけ心地よい感覚で安心できるように、マッサージをしたり、寝具を重くしたり、アロマを使ったりの工夫はしていました。だけどむっくんは私に何かしてもらうより自分で調節して、自分のタイミングで眠る方が楽そうでしたので、私や弟の動きが自己調節を妨げないように大人用の寝具を一人で使えるようにして、私はひたすら気配を消して見守っていたように思います。色々試しましたが、一番効果があったのはなにより私が先に眠ることでした。夜、私一人の時間が欲しいという望みを潔く諦められたころから入眠への悩みはいくらか楽になっていったような気がします。
先に眠ることが一番効果があったものの…
Upload By ウチノコ

当時を振り返って

子どもが思うように眠らないと、私は自分時間の確保ができません。いつまでこれが続くのか、このままでこの子は大丈夫なんだろうかという心配や不安も襲ってきます。そんなときに「子どもの睡眠時間は大切だからしっかり確保しましょう!」やら「眠らせるには日光に当てる、たっぷり外遊び、生活リズムを整える」などの正論アドバイスを見聞きすると、まるで「寝かせられないあなたはダメな親」と言われているように感じてしまい、心をズタズタにされたものです。今ならハイハイ、そういう子もいるだろうけど、ウチは全然違うんですよーって笑って返せますが当時はそうではなかった。だから発達障害では睡眠が上手くいかない場合があると知ったとき、眠らないのは仕方ないことなんだと思えて救われたような気がしました。

今も平均より睡眠時間が少なめなむっくんですが、スクスク元気に成長しています。身長だって平均ですし、夜が遅くても朝は自力で定時起床できます。相変わらず入眠に時間はかかりますが、眠り方のコツも掴めてきて、本人なりに試行錯誤しながら自分の睡眠と向き合っています。当時は諦めた私の自由時間も今は確保できています。だからそんなに心配しなくても大丈夫だよ、寝なくても何とかなるもんだよって、あのころの自分に伝えてあげたいな、なんて思ったりするのです。

執筆/ウチノコ
(監修:三木先生より)
コントロールのきかない癇癪や不眠は本当に恐怖の対象ですよね。でも、大人が必死になればなるほど子どもが安心できなくなるのは、睡眠以外のテーマでも同じかもしれません。まずは大人が先に安心して、その様子を見てもらうという方法はとても良かったように思います。
癇癪を起こす息子に「子どものころの自分」が嫉妬…発達障害育児、家出をするほど追い詰められたら――児童精神科医 三木先生に聞いてみた!のタイトル画像

関連記事

癇癪を起こす息子に「子どものころの自分」が嫉妬…発達障害育児、家出をするほど追い詰められたら――児童精神科医 三木先生に聞いてみた!

休校で体調も勉強も絶好調…!?ASD中学生いっちゃんの睡眠問題、13年の歴史を振り返る。「解決までの最短ルート」を求めなかったわが家の今のタイトル画像

関連記事

休校で体調も勉強も絶好調…!?ASD中学生いっちゃんの睡眠問題、13年の歴史を振り返る。「解決までの最短ルート」を求めなかったわが家の今

子どもの睡眠障害の症状や対処法、発達障害との関係について解説のタイトル画像

関連記事

子どもの睡眠障害の症状や対処法、発達障害との関係について解説

発達ナビPLUSバナー
当サイトに掲載されている情報、及びこの情報を用いて行う利用者の行動や判断につきまして、正確性、完全性、有益性、適合性、その他一切について責任を負うものではありません。また、掲載されている感想やご意見等に関しましても個々人のものとなり、全ての方にあてはまるものではありません。
あわせて読みたい関連記事

あわせて読みたい関連記事

この記事を書いた人

ウチノコ さんが書いた記事

発達障害がある小2息子は不登校。得意もあるし、学習面も大丈夫そうだけど…将来はどうする?――児童精神科医 三木先生に聞いてみた!のタイトル画像

発達障害がある小2息子は不登校。得意もあるし、学習面も大丈夫そうだけど…将来はどうする?――児童精神科医 三木先生に聞いてみた!

こんにちは、ADHDと自閉スペクトラム症の診断を持つ小学2年生、むっくんの母ウチノコです。今回はなかなか気になるむっくんの将来について、ど...
将来のこと
3997 view
2021/12/05 更新
悪夢が怖い!発達障害むっくんの「眠れない」問題、どうしたら?母も入眠障害に…親子で向き合った睡眠問題の年長から小2現在のタイトル画像

悪夢が怖い!発達障害むっくんの「眠れない」問題、どうしたら?母も入眠障害に…親子で向き合った睡眠問題の年長から小2現在

こんにちは、ADHDと自閉スペクトラム症の診断を持つ小学2年生、むっくんの母ウチノコです。小さなころから入眠が苦手なむっくんも成長と共に自...
身のまわりのこと
4712 view
2021/11/16 更新
不登校開始から1年、笑顔が増えた発達障害小2息子。これから親にできることは?――児童精神科医 三木先生に聞いてみた!のタイトル画像

不登校開始から1年、笑顔が増えた発達障害小2息子。これから親にできることは?――児童精神科医 三木先生に聞いてみた!

こんにちは、ADHDと自閉スペクトラム症の診断を持つ小学2年生、むっくんの母ウチノコです。むっくんは小学1年生の秋から不登校を選択しました...
進学・学校生活
16359 view
2021/11/02 更新
放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。