私にできたこと

むっくんは3歳半のときに神経発達症の診断を受けて医療とつながっていましたが、入眠に時間がかかると言っても0時ごろまでには眠れて中途覚醒もないタイプでした。そのため、入眠に時間がかかることが日中の活動に差し支えることはなく、主治医からお薬などを勧められることもありませんでした。

そこで、眠るときはできるだけ心地よい感覚で安心できるように、マッサージをしたり、寝具を重くしたり、アロマを使ったりの工夫はしていました。だけどむっくんは私に何かしてもらうより自分で調節して、自分のタイミングで眠る方が楽そうでしたので、私や弟の動きが自己調節を妨げないように大人用の寝具を一人で使えるようにして、私はひたすら気配を消して見守っていたように思います。色々試しましたが、一番効果があったのはなにより私が先に眠ることでした。夜、私一人の時間が欲しいという望みを潔く諦められたころから入眠への悩みはいくらか楽になっていったような気がします。
先に眠ることが一番効果があったものの…
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当時を振り返って

子どもが思うように眠らないと、私は自分時間の確保ができません。いつまでこれが続くのか、このままでこの子は大丈夫なんだろうかという心配や不安も襲ってきます。そんなときに「子どもの睡眠時間は大切だからしっかり確保しましょう!」やら「眠らせるには日光に当てる、たっぷり外遊び、生活リズムを整える」などの正論アドバイスを見聞きすると、まるで「寝かせられないあなたはダメな親」と言われているように感じてしまい、心をズタズタにされたものです。今ならハイハイ、そういう子もいるだろうけど、ウチは全然違うんですよーって笑って返せますが当時はそうではなかった。だから発達障害では睡眠が上手くいかない場合があると知ったとき、眠らないのは仕方ないことなんだと思えて救われたような気がしました。

今も平均より睡眠時間が少なめなむっくんですが、スクスク元気に成長しています。身長だって平均ですし、夜が遅くても朝は自力で定時起床できます。相変わらず入眠に時間はかかりますが、眠り方のコツも掴めてきて、本人なりに試行錯誤しながら自分の睡眠と向き合っています。当時は諦めた私の自由時間も今は確保できています。だからそんなに心配しなくても大丈夫だよ、寝なくても何とかなるもんだよって、あのころの自分に伝えてあげたいな、なんて思ったりするのです。

執筆/ウチノコ
(監修:三木先生より)
コントロールのきかない癇癪や不眠は本当に恐怖の対象ですよね。でも、大人が必死になればなるほど子どもが安心できなくなるのは、睡眠以外のテーマでも同じかもしれません。まずは大人が先に安心して、その様子を見てもらうという方法はとても良かったように思います。
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