子どもの睡眠障害の症状や対処法、発達障害との関係【医師監修】
ライター:医師・専門家監修|発達障害・支援のキホン
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睡眠障害(不眠障害)は、なかなか寝付けない入眠困難、中途覚醒などが頻回におきたり、覚醒後に寝つけなくなる睡眠維持困難、早朝覚醒のいずれか1つ以上の睡眠に関する問題を呈し、苦痛や社会的な困難を伴います。また、睡眠障害はASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)などの発達障害のある子どもに併存することが多いといわれています。今回は子どもの睡眠障害について、症状や原因、対処法などを紹介します。
監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
子どものこころ専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。
小児神経専門医
てんかん専門医
子どものこころ専門医
どんぐり発達クリニック院長
睡眠障害とは?子どもがなかなか眠らないのは睡眠障害なの?
睡眠障害(不眠障害)は、なかなか寝付けない入眠困難や中途覚醒などが頻回に起きたり、覚醒後に寝つけなくなる睡眠維持困難や早朝覚醒のいずれか1つ以上の睡眠に関する問題が週に3日以上あり、3ヶ月以上続いている状態で、苦痛や社会的な困難を伴います。
なお、診断にあたっては、このような不眠が、ナルコレプシーや概日リズム睡眠‐覚醒障害などそのほかの睡眠‐覚醒障害によるものでないこと、医薬品など物質の影響でないこと、併存する精神疾患によるものではないことの確認が必要となります。
子どもの心身の育ちにとって睡眠はとても重要です。子育て中の保護者の方にとって、子どもの睡眠は大きな悩みの一つであるかもしれません。「子どもが夜ちゃんと寝てくれなくて…」、「たびたび夜中に起きて騒ぐので、家族みんな寝不足で…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
子どもがぐっすり寝てくれないと、お世話をする保護者のほうも寝不足になり、体力的にも精神的にもつらいと思います。夜泣きしたり騒いでしまったりすると、近所迷惑になっていないかというストレスを感じる方もいらっしゃるでしょう。また、うまく眠れない日が続くと、何かの病気ではないか、発育に影響はないのか、不安になったりするかもしれません。
子どもは、新生児期には昼夜を問わず短い睡眠・覚醒を繰り返しますが、幼児期(3歳から6 歳ごろ)までに浅い眠りと深い眠りのサイクルが大人と同様のリズムに移行していきます。そのため、幼児期になっても睡眠に何らかの問題がある場合、改善の必要があるといえます。
特に、発達障害のある子どもは、睡眠障害を経験する場合が多いといわれています。睡眠リズムのシステムづくりになんらかの問題が生じたり、発達障害の二次障害として睡眠障害があらわれたりする可能性もあります。睡眠障害が長く続くと、日常生活に更なる影響が出ることもあるため、早めに対処や治療をおこなっていくことが重要です。
なお、診断にあたっては、このような不眠が、ナルコレプシーや概日リズム睡眠‐覚醒障害などそのほかの睡眠‐覚醒障害によるものでないこと、医薬品など物質の影響でないこと、併存する精神疾患によるものではないことの確認が必要となります。
子どもの心身の育ちにとって睡眠はとても重要です。子育て中の保護者の方にとって、子どもの睡眠は大きな悩みの一つであるかもしれません。「子どもが夜ちゃんと寝てくれなくて…」、「たびたび夜中に起きて騒ぐので、家族みんな寝不足で…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
子どもがぐっすり寝てくれないと、お世話をする保護者のほうも寝不足になり、体力的にも精神的にもつらいと思います。夜泣きしたり騒いでしまったりすると、近所迷惑になっていないかというストレスを感じる方もいらっしゃるでしょう。また、うまく眠れない日が続くと、何かの病気ではないか、発育に影響はないのか、不安になったりするかもしれません。
子どもは、新生児期には昼夜を問わず短い睡眠・覚醒を繰り返しますが、幼児期(3歳から6 歳ごろ)までに浅い眠りと深い眠りのサイクルが大人と同様のリズムに移行していきます。そのため、幼児期になっても睡眠に何らかの問題がある場合、改善の必要があるといえます。
特に、発達障害のある子どもは、睡眠障害を経験する場合が多いといわれています。睡眠リズムのシステムづくりになんらかの問題が生じたり、発達障害の二次障害として睡眠障害があらわれたりする可能性もあります。睡眠障害が長く続くと、日常生活に更なる影響が出ることもあるため、早めに対処や治療をおこなっていくことが重要です。
発達障害のある子どもの睡眠障害
実際に発達障害のある子どもに睡眠障害もあり、困っているという体験談を紹介します。
■悪夢が怖い!発達障害むっくんの「眠れない」問題、どうしたら?母も入眠障害に…親子で向き合った睡眠問題の年長から小2現在
ADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の診断のあるむっくんは元々入眠困難がありましたが、6歳になったころ悪夢を見るようになりました。悪夢を見ると泣きながら起きあがり、再度入眠するのを怖がるため、お母さんは朝までアニメなどを見て一緒に過ごすこともありました。そうしているうちに、お母さんも「今日も眠れなかったらどうしよう」と悩むようになり、一時は自身も入眠困難に陥ってしまいました。
ADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の診断のあるむっくんは元々入眠困難がありましたが、6歳になったころ悪夢を見るようになりました。悪夢を見ると泣きながら起きあがり、再度入眠するのを怖がるため、お母さんは朝までアニメなどを見て一緒に過ごすこともありました。そうしているうちに、お母さんも「今日も眠れなかったらどうしよう」と悩むようになり、一時は自身も入眠困難に陥ってしまいました。
悪夢が怖い!発達障害むっくんの「眠れない」問題、どうしたら?母も入眠障害に…親子で向き合った睡眠問題の年長から小2現在
■0歳から4歳になった今も続く自閉症息子の睡眠の悩み。低年齢のうちは薬に頼りたくないと思っていたけれど
かさはらあやこさんの息子さんはASD(自閉スペクトラム症)の診断があり、生後100日を過ぎたあたりからは夜泣きが始まりました。毎日23時ごろから2~3時間ほぼ決まった時間に泣くようになり、落ち着くまで時間を有しました。さらに昼間は癇癪も激しく、睡眠不足のなか対応することで夫婦ともに消耗し、肉体的にも精神的にも辛い状況だったといいます。この状況は一旦3歳になったころに収まりましたが、幼稚園の行事が増えたころから再発。そこで、4歳になるころに医師のすすめで投薬を開始し、少しずつ落ち着いてきました。
かさはらあやこさんの息子さんはASD(自閉スペクトラム症)の診断があり、生後100日を過ぎたあたりからは夜泣きが始まりました。毎日23時ごろから2~3時間ほぼ決まった時間に泣くようになり、落ち着くまで時間を有しました。さらに昼間は癇癪も激しく、睡眠不足のなか対応することで夫婦ともに消耗し、肉体的にも精神的にも辛い状況だったといいます。この状況は一旦3歳になったころに収まりましたが、幼稚園の行事が増えたころから再発。そこで、4歳になるころに医師のすすめで投薬を開始し、少しずつ落ち着いてきました。
0歳から4歳になった今も続く自閉症息子の睡眠の悩み。低年齢のうちは薬に頼りたくないと思っていたけれど
■睡眠障害のあるASD娘、高校受験を前に投薬開始!「眠れるけど起きる時間は…」本人の下した決断、そして進路は
ASD(自閉スペクトラム症)のあるいっちゃんは非24時間睡眠覚醒症候群といって、毎日寝る時間が1時間から2時間遅れていく病気もありました。通っていた幼稚園からは「生活リズムを整えるように」と言われていましたが、規則正しい生活をしてもどうしても寝る時間にずれが出ていました。
実はお母さんにも睡眠障害があったため、もしかしてと3歳になるころにいっちゃんの睡眠日記を付けはじめた結果、「概ね26時間周期、睡眠時間は10時間のロングスリーパー」ということが判明。朝型の生活をするのは難しいと感じ、高校は通信制を選び、無理のない学校生活を送っています。
ASD(自閉スペクトラム症)のあるいっちゃんは非24時間睡眠覚醒症候群といって、毎日寝る時間が1時間から2時間遅れていく病気もありました。通っていた幼稚園からは「生活リズムを整えるように」と言われていましたが、規則正しい生活をしてもどうしても寝る時間にずれが出ていました。
実はお母さんにも睡眠障害があったため、もしかしてと3歳になるころにいっちゃんの睡眠日記を付けはじめた結果、「概ね26時間周期、睡眠時間は10時間のロングスリーパー」ということが判明。朝型の生活をするのは難しいと感じ、高校は通信制を選び、無理のない学校生活を送っています。
睡眠障害のあるASD娘、高校受験を前に投薬開始!「眠れるけど起きる時間は…」本人の下した決断、そして進路は
子どもの発育に睡眠が重要な理由は?
睡眠リズムは成長につれて確立します
子どもの睡眠のメカニズムは、脳の成長につれ変わっていきます。生まれてすぐのころは短い周期で昼夜の区別なく眠りと覚醒を繰り返します。生後6ヶ月ごろまでには昼間に長めに起きて夜に集中して眠る、約24時間の生体リズムが形成されます。その後、午前中の昼寝、午後のお昼寝の順に必要がなくなり、3歳~6歳くらいまでに夜間にまとまって寝るようになります。
睡眠量だけでなく、睡眠の質(睡眠構造)も年齢・成長にともない変化します。人間の睡眠は、レム睡眠(浅い眠りで身体は眠っているのに、脳が活発に動いている状態)とノンレム睡眠(脳も身体が休んでいる深い眠りの状態)の2つに分けられますが、生後間もなくはレム睡眠に似た浅い動睡眠が睡眠全体の約半分を占めます。
生後3ヶ月ごろにはレム睡眠が減少し、入眠もノンレム睡眠から始まるようになります。3歳から6歳ごろまでにはノンレム睡眠とレム睡眠を90分ほどの周期で繰り返す、大人とほぼ同じ睡眠リズムができてきます。そのために睡眠のシステムが形成される時期に良質な睡眠をとることは、大切であるといわれています。
また、1歳ごろまでにメラトニンという体内時計を調整する役割をもつホルモンの分泌が急速に始まり、最終的には10歳頃までメラトニン分泌の高い状態が続き、睡眠と覚醒のリズムが確立されていくといわれています。メラトニンは、覚醒と睡眠を切り替えて眠りをうながしますが、日中に光をたくさんあびることで分泌されるので、早寝早起きの生活リズムを続けることでより分泌量が増え、より眠れるようにもなります。
乳児期はこれらの睡眠のシステムが形成される途中であるため、睡眠が浅かったり、細切れになりますが、3歳以降になってもこのシステムがうまくできていない場合、対策を考えたほうがよいかもしれません。
睡眠量だけでなく、睡眠の質(睡眠構造)も年齢・成長にともない変化します。人間の睡眠は、レム睡眠(浅い眠りで身体は眠っているのに、脳が活発に動いている状態)とノンレム睡眠(脳も身体が休んでいる深い眠りの状態)の2つに分けられますが、生後間もなくはレム睡眠に似た浅い動睡眠が睡眠全体の約半分を占めます。
生後3ヶ月ごろにはレム睡眠が減少し、入眠もノンレム睡眠から始まるようになります。3歳から6歳ごろまでにはノンレム睡眠とレム睡眠を90分ほどの周期で繰り返す、大人とほぼ同じ睡眠リズムができてきます。そのために睡眠のシステムが形成される時期に良質な睡眠をとることは、大切であるといわれています。
また、1歳ごろまでにメラトニンという体内時計を調整する役割をもつホルモンの分泌が急速に始まり、最終的には10歳頃までメラトニン分泌の高い状態が続き、睡眠と覚醒のリズムが確立されていくといわれています。メラトニンは、覚醒と睡眠を切り替えて眠りをうながしますが、日中に光をたくさんあびることで分泌されるので、早寝早起きの生活リズムを続けることでより分泌量が増え、より眠れるようにもなります。
乳児期はこれらの睡眠のシステムが形成される途中であるため、睡眠が浅かったり、細切れになりますが、3歳以降になってもこのシステムがうまくできていない場合、対策を考えたほうがよいかもしれません。
睡眠が発達をうながします
細胞組織の生成と新陳代謝を促す成長ホルモンは、身長を伸ばしたり、筋肉をつくったりするのに欠かせません。また、脳の発達や記憶などにも関係するホルモンです。この成長ホルモンは、睡眠中、特に入眠後最初に訪れるノンレム睡眠中に多く分泌されるといわれています。つまり睡眠中に成長ホルモンが分泌されることで、身体の組織や脳が構築され発達するのです。
このように、子どもにとって睡眠は日中の疲労を回復するだけではありません。乳幼児から思春期の睡眠は、心身が大きく成長する時期に必要なホルモンが分泌される、発達に欠かせない大切な時間といえるでしょう。
そのため、子どもの睡眠の問題には早期に対処することが重要です。睡眠障害が改善されることで発達障害にもよい影響を与えると考える医師や研究者もおり、さまざまな研究も進められています。
このように、子どもにとって睡眠は日中の疲労を回復するだけではありません。乳幼児から思春期の睡眠は、心身が大きく成長する時期に必要なホルモンが分泌される、発達に欠かせない大切な時間といえるでしょう。
そのため、子どもの睡眠の問題には早期に対処することが重要です。睡眠障害が改善されることで発達障害にもよい影響を与えると考える医師や研究者もおり、さまざまな研究も進められています。
子どもの睡眠障害とは?どんな場合に疑われる?
眠りになんらかの問題がある状態を睡眠障害といいます。「眠れない」不眠症をイメージする人が多いのですが、眠りすぎやいびきなども含め、眠りの質と量にまつわるさまざまな問題を広く含みます。
以下の様子が見られるときは睡眠障害が原因の可能性もあります。
以下の様子が見られるときは睡眠障害が原因の可能性もあります。
・夜中に突然大声で叫び、パニックを起こす
・手足のムズムズ感や違和感、痛みで眠れない
・夜中に歩き回る
・夜普通に寝ているが、日中眠そうにしていたり居眠りしたりする
・寝る時間が遅くて不規則な生活が続き、直せない
・睡眠が十分に取れなくて頭痛や体調不良が続いている
・落ち着きがなく、衝動性がある
睡眠時間や睡眠中に起きる問題のほか、一見睡眠と関係なさそうなことも睡眠障害が原因かもしれません。子どもが良質な睡眠ができているか、普段の様子や生活をチェックし、心配なことがあれば医師に相談しましょう
・手足のムズムズ感や違和感、痛みで眠れない
・夜中に歩き回る
・夜普通に寝ているが、日中眠そうにしていたり居眠りしたりする
・寝る時間が遅くて不規則な生活が続き、直せない
・睡眠が十分に取れなくて頭痛や体調不良が続いている
・落ち着きがなく、衝動性がある
睡眠時間や睡眠中に起きる問題のほか、一見睡眠と関係なさそうなことも睡眠障害が原因かもしれません。子どもが良質な睡眠ができているか、普段の様子や生活をチェックし、心配なことがあれば医師に相談しましょう
発達障害がある子どもの不眠、どんな対処法がある?【医師監修】
子どもの睡眠障害の種類
子どもの不眠症
寝つきが悪い、眠りが浅く途中で何度も目が覚めてしまう、朝早く起きてしまう、眠りの質が悪いなど、睡眠が十分でない状態です。睡眠不足が続くと、「なんとなく調子が悪い」といった不定愁訴や、頭痛・腹痛、不機嫌やイライラの原因にもなることがあります。
子どもの過眠症
夜ちゃんと寝ているはずなのに、日中あらがえないほど眠い状態です。低年齢の子どもは昼寝を必要としますし、体力がないので疲れていることもありますが、十分に睡眠時間を取っているのにひどく眠そうな場合やずっと寝ている場合、睡眠時無呼吸症候群など別の病気が関係している可能性があります。
子どもの概日リズム睡眠障害
昼夜のリズムと体内時計がうまく合わず、調節できなくなって睡眠リズムがくずれてしまい、社会生活に支障をきたす状態のことです。子どもの場合、朝起きられないと園や学校にも遅刻してしまい、不登校につながりやすい傾向も指摘されています。先ほど紹介した非24時間睡眠覚醒症候群も概日リズム睡眠障害の中の一つです。
子どものいびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)
子どものいびきや無呼吸は、正常な睡眠や成長に悪影響を及ぼすことがあります。子どもの場合、いびき、無呼吸の主な原因は、鼻づまりやアデノイド・口蓋扁桃(こうがいへんとう)といったのどや鼻の奥のリンパ組織の肥大で、物理的に気道が狭まることです。また、肥満で気道が狭くなることもあります。
眠り出すと呼吸が止まってしまい、身体が酸欠状態になるため睡眠が中断してしまうため、十分に睡眠がとれなくなってしまうのです。長時間の睡眠時無呼吸症候群(SAS)が続くと、深い睡眠がとれないことによる成長ホルモンの分泌低下に伴う成長障害など発達のさまたげになるおそれもあります。
アデノイドや扁桃肥大の場合、耳鼻咽喉科で手術すると治ることが多いようです
眠り出すと呼吸が止まってしまい、身体が酸欠状態になるため睡眠が中断してしまうため、十分に睡眠がとれなくなってしまうのです。長時間の睡眠時無呼吸症候群(SAS)が続くと、深い睡眠がとれないことによる成長ホルモンの分泌低下に伴う成長障害など発達のさまたげになるおそれもあります。
アデノイドや扁桃肥大の場合、耳鼻咽喉科で手術すると治ることが多いようです
子どもの運動障害(運動症)
■むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
脚などの下肢がむずむずするなど動かしたい強い衝動を覚えます。夜間など睡眠時間帯に起こることで、気になって眠れなくなったり深い睡眠をさまたげてしまいます。主に下肢にあらわれますが背中や顔などに違和感が生じることもあります。子どもの場合、「成長痛」との関連もあるのではないかといわれています。
脳内の伝達物質であるドーパミンの機能異常のほか、子どもは鉄分不足が原因で起きる場合もあるようです。鉄分の多い食事をとるなど生活改善を行うことで改善することもあります。
脚などの下肢がむずむずするなど動かしたい強い衝動を覚えます。夜間など睡眠時間帯に起こることで、気になって眠れなくなったり深い睡眠をさまたげてしまいます。主に下肢にあらわれますが背中や顔などに違和感が生じることもあります。子どもの場合、「成長痛」との関連もあるのではないかといわれています。
脳内の伝達物質であるドーパミンの機能異常のほか、子どもは鉄分不足が原因で起きる場合もあるようです。鉄分の多い食事をとるなど生活改善を行うことで改善することもあります。
■睡眠関連律動性運動異常症
乳幼児期から4歳くらいまでの時期に発症する睡眠障害。頭を左右に振ったり、前後に強く動かすなどする。9ヶ月の子どもでは59%に見られるほど、乳児期には非常に多い症状ですが、5歳前後には5%以下になります。
軽度なら問題ありませんが、頭を壁にぶつけてけがをしたり、音で家族が不眠になったりすると、治療が必要になる場合があります。
乳幼児期から4歳くらいまでの時期に発症する睡眠障害。頭を左右に振ったり、前後に強く動かすなどする。9ヶ月の子どもでは59%に見られるほど、乳児期には非常に多い症状ですが、5歳前後には5%以下になります。
軽度なら問題ありませんが、頭を壁にぶつけてけがをしたり、音で家族が不眠になったりすると、治療が必要になる場合があります。
子どもの睡眠時随伴症
睡眠中に生じるねぼけ、夜尿、歯ぎしり、悪夢などの身体的現象の総称です。子どもによくある「寝ぼけ」を含め、睡眠中に歩き回り、起きると覚えていない睡眠時遊行症(夢遊病)、恐怖の叫びをあげたり、泣いたりして目覚める睡眠時驚愕症(夜驚症)、睡眠中に恐怖や不安をともなう生々しい夢をみる悪夢障害などがあります。重症なものは本人や家族を悩ませることがあります。
思春期までになくなることがほとんどですが、遺伝やストレス、外部からの刺激が原因であることが多いといわれています。ストレスや刺激を取り除くと共に、症状が出ているときにけがをしないように見守りましょう。
思春期までになくなることがほとんどですが、遺伝やストレス、外部からの刺激が原因であることが多いといわれています。ストレスや刺激を取り除くと共に、症状が出ているときにけがをしないように見守りましょう。
子どもの夜驚症
寝ている最中に突然泣きだしたり、叫び声をあげだしたりする状態のことで、睡眠時随伴症の一つに数えられています。夜驚症はノンレム睡眠時に起こり、心拍数の上昇や発汗などの身体症状も表れます。症状が起きているときは意識が朦朧としており、話しかけても返答がないことが多く、通常は数分後にまた入眠します。また、起きてから尋ねても夜のことは基本的に覚えていないという特徴があります。
子どもの悪夢障害
睡眠中に頻繁に悪夢を見ることで、睡眠が妨げられて日常生活に影響が出てくる状態のことです。特徴として、本人は悪夢の内容を明確に覚えているということです。そのため、悪夢を見ることを恐れて眠れなくなるということも起こり得ます。
悪夢障害は子どもに多く見られ、成長していくとともに自然とおさまってくることが多いといわれています。
悪夢障害は子どもに多く見られ、成長していくとともに自然とおさまってくることが多いといわれています。
睡眠障害の子どもたち: 子どもの脳と体を育てる睡眠学 (子どものこころの発達を知るシリーズ)
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発達障害の二次障害として睡眠障害が現れることもある
睡眠障害は、発達障害の併存症として見られることが多いといわれています。
自閉症やADHDなど、発達障害と診断された人は高い確率で睡眠の問題が起こります。特に乳幼児期には、寝つきが悪かったり、ちょっとの音で目を覚ましてしまい、途中で目を覚ますとなかなか寝ないなど、年齢相応の睡眠リズムが確立しにくい傾向が顕著にみられることも知られています。
(『睡眠障害の子どもたち』大川匡子編著 合同出版刊p49より)
※現在、自閉症は自閉スペクトラム症(ASD)という診断名に統一されています。
これは、睡眠障害が発達障害を引き起こすという意味ではありません。発達障害の特性により、睡眠になんらかの問題が出てしまうことが主な原因です。
これは、睡眠障害が発達障害を引き起こすという意味ではありません。発達障害の特性により、睡眠になんらかの問題が出てしまうことが主な原因です。
ASD(自閉スペクトラム症)と睡眠障害の関わり
ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもは50~80%と高い確率で睡眠に問題が見られます。これは光への感受性の特性や夜間のメラトニン分泌の低さなどが影響していると考えられています。また、ASDのある子どもは刺激に対する感覚過敏があり、わずかな物音や寝具の感触などの刺激に反応しやすく、そのことが入眠や睡眠維持の妨げとなっている可能性があります。
ADHD(注意欠如多動症)と睡眠障害の関わり
ADHD(注意欠如多動症)のある子どもの場合は、調査によってばらつきがありますが、22~74%という確率で睡眠の問題が見られます。特にむずむず脚症候群が多いといわれています。これは、ADHD(注意欠如多動症)におけるドーパミンの異常が関連している可能性が指摘されています。
また、ADHD(注意欠如多動症)のある子どもは眠ることに対しての抵抗がある場合もあり、入眠の遅れや日中の眠気などが生じることもあります。
また、ADHD(注意欠如多動症)のある子どもは眠ることに対しての抵抗がある場合もあり、入眠の遅れや日中の眠気などが生じることもあります。
【専門家監修】ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の違いは?こだわりはどちらの特徴?
発達障害と誤診される睡眠障害も
睡眠不足から集中力や落ち着きがなくなった子どもに多動や不注意、衝動的行動といった症状がみられることもあります。特に子どもの睡眠時無呼吸症候群の症状として多動や不注意、衝動的行動がよく現れることもあり、ときにADHD(注意欠如多動症)と特徴が似ているため注意が必要です。
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睡眠障害を改善する方法・対処法
子どもの心身の成長には良質な睡眠が大切です。また軽度の睡眠障害や生活リズムの乱れは家庭での工夫で改善できることもあります。
睡眠障害がよくなると、家族の生活の質も上げることになるので、早期に取り組むことが大切です
睡眠障害がよくなると、家族の生活の質も上げることになるので、早期に取り組むことが大切です
体内リズムを整える
朝、光を浴びることで体内時計がリセットされます。まず起きたら窓を開け、お日さまの光をあびましょう。毎日早寝早起きのリズムで生活し、きちんと朝食を食べているでしょうか? 昼寝の時間や長さは適切でしょうか? 生活習慣を見直してみましょう。また、適度に疲れていると眠くなるので、外で身体をうごかすなどの日中の行動も大切です。
夕ご飯やお風呂が遅くなったり、だらだらテレビを見ることも、不眠につながります。親の都合で子どもの生活リズムが崩れることのないように気をつけましょう。
夕ご飯やお風呂が遅くなったり、だらだらテレビを見ることも、不眠につながります。親の都合で子どもの生活リズムが崩れることのないように気をつけましょう。
入眠儀式をつくる
寝る前に着替えて歯を磨く、絵本を読むなどの決まりごとをつくるのもよいでしょう。毎日同じ習慣や手順で眠りに就くことで、自然と寝るモードに気持ちが変わり、寝つきがよくなることがあります。子どもがどんなことをすると眠りやすいか探しながら、合うものがあれば毎日繰り返して「おやすみの儀式」にしてみましょう。
子守唄を歌う、背中をとんとんするなど、赤ちゃんの寝かしつけにも効果がありますので、試してみてください。
子守唄を歌う、背中をとんとんするなど、赤ちゃんの寝かしつけにも効果がありますので、試してみてください。
寝る環境を整える
寝室の環境も睡眠に影響することがあります。落ち着いて眠りにつける空間づくりと、朝起きやすくなる工夫をするのもよいでしょう。
ベッドは日当たりのよい場所に置くのもよいかもしれません。遮光性のあるカーテンをして、朝決まった時間に開け、起床時に日光を浴びるようにします。インテリアの色使いは、淡い青や黄色、アースカラーなどの穏やかで落ち着いた色を使うのもよいでしょう。
不安を感じやすい場合や光に敏感な場合は、天井に布などを吊って天井を低くしたり、照明を和らげると効果があるようです。また、お気に入りのものを置いたり、囲って個室のようにすると「自分のスペース」と安心できる場合もあります。
入眠する数時間前からは明るい照明は避け、テレビやスマートフォンも使用しないほうがよいようです。せっかく寝ようとしても、隣室などから大人の楽しそうな声やテレビの音が聞こえると、目が覚めてしまうこともあります。子どもが静かで落ち着いた雰囲気で眠りにつけるよう、環境づくりを工夫しましょう。
ベッドは日当たりのよい場所に置くのもよいかもしれません。遮光性のあるカーテンをして、朝決まった時間に開け、起床時に日光を浴びるようにします。インテリアの色使いは、淡い青や黄色、アースカラーなどの穏やかで落ち着いた色を使うのもよいでしょう。
不安を感じやすい場合や光に敏感な場合は、天井に布などを吊って天井を低くしたり、照明を和らげると効果があるようです。また、お気に入りのものを置いたり、囲って個室のようにすると「自分のスペース」と安心できる場合もあります。
入眠する数時間前からは明るい照明は避け、テレビやスマートフォンも使用しないほうがよいようです。せっかく寝ようとしても、隣室などから大人の楽しそうな声やテレビの音が聞こえると、目が覚めてしまうこともあります。子どもが静かで落ち着いた雰囲気で眠りにつけるよう、環境づくりを工夫しましょう。
気分転換・リラックス
どうしても寝つきが悪い時には無理に寝かせようとせず、思い切って起きるという手もあります。一度部屋を明るくして外に出てみたり、好きなことをしたり、音楽をかけてみたり、一度気持ちを切り替えると、かえって落ち着き、眠くなることもあるようです。
マッサージもおすすめです。やさしくなでてあげるだけでもよいので、眠る前の親子のスキンシップを入眠儀式として取り入れてみてはいかがでしょうか。
マッサージもおすすめです。やさしくなでてあげるだけでもよいので、眠る前の親子のスキンシップを入眠儀式として取り入れてみてはいかがでしょうか。
睡眠障害の治療法
子どもの睡眠障害の注意点として、大したことではないと放っておいたり、どこに相談していいのか分からなかったりするうちに悪化してしまうことがあげられます。
子どもの眠りについて気がかりなことがあったら、まずは抱え込まずにかかりつけの小児科や地域の保健センターに相談しましょう。状況に応じた専門機関の紹介や対処法を教えてくれます。乳幼児期は子どもの心身が発達する大事な時期ですので、早めに対処することが重要です。
医療機関で行われる代表的な治療法をご紹介します。
子どもの眠りについて気がかりなことがあったら、まずは抱え込まずにかかりつけの小児科や地域の保健センターに相談しましょう。状況に応じた専門機関の紹介や対処法を教えてくれます。乳幼児期は子どもの心身が発達する大事な時期ですので、早めに対処することが重要です。
医療機関で行われる代表的な治療法をご紹介します。
生活指導
子どもの睡眠障害の場合、親の生活習慣の影響を受けやすいので、家族全体の生活習慣を見直したり、夜泣きへのかかわり方などについて指導したりといった、行動療法的なアプローチが特に有効です。
まずは睡眠に関する知識を正し、睡眠環境や生活リズムを整えることで適切な睡眠が得られるようにします。睡眠リズムを記録する睡眠表をつけることもあります。
まずは睡眠に関する知識を正し、睡眠環境や生活リズムを整えることで適切な睡眠が得られるようにします。睡眠リズムを記録する睡眠表をつけることもあります。
薬物療法
子どもの薬物治療については、医師による治療方針やケースにもよりますが、生体リズムの改善のため、ドーパミンを薬で調整する治療法があります。また、緊張や不安が原因の場合、それを和らげるための薬が処方されることもあります。
いずれにしても薬物治療を行う際には主治医と相談の上、用法や用量を守って進めることが重要です。
いずれにしても薬物治療を行う際には主治医と相談の上、用法や用量を守って進めることが重要です。
高照度光療法
朝に強い光を浴びることで体内時計がリセットされる仕組みを使い、自然に覚醒する2~3時間前から、人工的に作った2500~10000ルクスの明るい光を浴びる治療法です。睡眠障害が生活指導や薬で改善しない場合などにまれに行われ、効果は1~2週間後から現れてきます。
睡眠の改善が発達や生活によい影響をもたらします
ここまで子どもの睡眠障害について紹介してきました。睡眠障害は本人だけでなく家族もつらいことがあるかもしれませんが、生活習慣や環境の改善などで劇的によくなることもあります。睡眠に問題があると感じたら早期に対処法を考え、ときに病院などに相談し、一緒に改善していく方法を探しましょう。
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