発達障害がある子の不眠、どんな対処法がある?

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発達障害があると、うまく眠れないなど、睡眠に何らかの問題を経験する場合が多いと言われています。原因としては、過敏さや睡眠リズムに必要なホルモンとの関係、不安感などが考えられています。
ここでは、発達障害がある子の不眠について、その原因から、家庭でできる対処法、相談先まで紹介します。

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目次 発達障害と不眠の関係 家庭でできる不眠の対処法 家庭での対処が難しいときの相談先

発達障害と不眠の関係

発達障害のある子どもの多くは、睡眠に何らかの問題を経験する場合が多いと言われています。不眠に悩む場合は、その原因として、感覚の過敏さなどの特性、睡眠リズムのシステムづくりに問題がある、感覚統合の未熟さによる不安感、うつなどの二次障害などが考えられます。

自閉症やADHDなど、発達障害と診断された人は高い確率で睡眠の問題が起こります。特に乳幼児期には、寝つきが悪かったり、ちょっとの音で目を覚ましてしまい、途中で目を覚ますとなかなか寝ないなど、年齢相応の睡眠リズムが確立しにくい傾向が顕著にみられることも知られています。

(『睡眠障害の子どもたち』大川匡子編著 合同出版刊p49より)

出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4772611487

特性

・気持ちの切り替えが困難
こだわりや過集中などの特性により、寝る前にやっていたことからなかなか睡眠へと切り替えることが難しい場合があります。

・感覚の過敏さ
音や光などに対する感覚が過敏なため、覚醒しやすいといわれています。
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脳機障害

・セロトニン・メラトニンなど睡眠に関連するホルモンの不足
発達障害がある人は、メラトニンの量や、セロトニン・メラトニンといったホルモンの元となるトリプトファンの量が、極端に多すぎたり少なすぎたりするのではないかと考えられています。体内時計をコントロールする、これらのホルモンの不足があると、不眠や概日リズム睡眠障害になりやすくなると考えられています。

感覚統合の未熟さ

また、感覚統合が未熟で、自分の身体の位置や動き、力の入れ具合を感じる感覚である「固有覚」などが十分に発達していないと、自分のボディイメージがつきづらく、コントロールもうまくできません。そのために不安感があり、不眠の原因になるのではないかと言われています。
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うつ

発達障害の二次障害であるうつなどを発症することで、不眠につながる場合もあります。

上記をはじめとして、発達障害がある子どもの不眠には、いくつかの原因が考えられています。
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家庭でできる不眠の対処法

生活リズムを整える

早寝早起き、朝食をしっかりとる、昼寝させ過ぎない、日中体を動かす、夕飯やお風呂の時間を見直すなど、まずは生活リズムを整えてみましょう。

入眠儀式をつくる

特性などによって、睡眠への切り替えが難しい場合は、入眠儀式をつくることでスムーズに眠れるようになる場合もあります。寝る前に着替えて歯を磨く、絵本を読むなどの決まりごとをつくります。毎日同じ習慣や手順で眠りにつくことで、寝るモードに気持ちが変わりやすくなります。親子のスキンシップにもなるマッサージを、入眠儀式として取り入れてみるのもよいかもしれません。

子どもがどんなことをすると眠りやすいか探しながら、合うものがあれば毎日繰り返して「入眠儀式」にしていきましょう。

気分転換

どうしても寝つきが悪い時には無理に寝かせようとせず、思い切って起きるという方法もあります。一度部屋を明るくして布団の外に出てみたり、音楽をかけてみましょう。眠れないことで不安になり、寝ようと意識しすぎるとかえって興奮してしまい眠れなくなってしまう場合もあるからです。

寝る環境を整える

寝室の環境も睡眠に影響します。落ち着いて眠りにつける空間づくりと、朝起きやすくなる工夫をしましょう。

ベッドは日当たりのよい場所に置きましょう。遮光性のあるカーテンをして、朝決まった時間に開け、起床時に日光を浴びるようにします。

インテリアは、淡い青や黄色、アースカラーなどの穏やかで落ち着いた色を選びましょう。不安を感じやすい場合や光に敏感な場合は、天井から布などを吊って高さを抑えた空間にしたり、照明を和らげたりもできます。眠る時間には静かな環境をつくってあげましょう。

また、発達障害がある子どもの中には、感覚統合が未熟なためボディイメージの弱さが不安感につながっている場合があります。そのような場合には、以下に挙げられているような、重みのある寝具や、ぴったりと体に添う寝具などを取り入れると、安心して眠れるようになる場合もあります。

本研究において使用されたチェーンブランケットは睡眠に対して主観的にも客観的にも肯定的な影響を及ぼした。触覚と固有受容覚の入力の増進により、重みのあるブランケットは不眠症を減少させる上で、助けとなるかも知れない。チェーンブランケットは睡眠の質を改善させるための革新的な非薬理学的方法であり、また薬理学的方法を補完するツールとなる可能性がある。

「重い(重みのある)ブランケットが不眠症の人の睡眠に与える肯定的な影響」ヨーテボリ大学・サールグレン・アカデミー・臨床神経科学・生理学、 SDSクリニック(ヨーテボリ)、リンシェーピング大学 臨床実験医療(スウェーデン)より引用

出典:https://www.jscimedcentral.com/SleepMedicine/sleepmedicine-2-1022.pdf
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家庭での対処が難しいときの相談先

生活リズムの改善や、環境調整、寝具の工夫などでも不眠が解消しない場合は、家族だけで抱え込まずに、かかりつけの小児科や地域の保健センターに相談しましょう。専門的な治療が必要な場合は、専門機関や対処を教えてくれるでしょう。

医療機関では、不眠の原因の確認を行い、必要に応じて治療が行われます。医療機関で行われる代表的な治療法には、次のようなものがあります。

生活指導

子どもの睡眠障害は、保護者の生活習慣の影響を受けやすいため、家庭の生活習慣の見直しや、子どもがうまく眠れないときのかかわり方などについての指導など、行動療法的なアプローチが有効です。

そこで、保護者の睡眠に関する知識を正し、睡眠環境や生活リズムを整えることで適切な睡眠が得られるようにします。睡眠リズムを記録する睡眠表をつけることもあります。

薬物療法

子どもの薬物治療については、医師による治療方針やケースにもよりますが、生体リズムの改善のため、メラトニンやドーパミンを薬で調整する治療法があります。また、緊張や不安が原因の場合、それを和らげるための薬が処方されることもあります。薬物治療を行う際には主治医と相談の上、用法や用量を守って進めることが重要です。

高照度光療法

朝に強い光を浴びることで体内時計がリセットされる仕組みを使い、朝、身体の中心部の体温が上昇し始める時間に、人工的につくった明るい光を浴びる治療法です。
不眠の際に活用できる商品なども出ています。不眠の原因によっても対処法は異なってきますが、まずはご家庭でできることを試し、それでも改善が難しいようであれば、早めに相談機関につながるようにしましょう。
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