新連載!1歳半健診で気づいた発達の遅れ。カタコト口調・数字大好きな自閉症長男と、グレーゾーン次男。不安だけど「楽しい探し」な毎日を

ライター:ゆきみ
新連載!1歳半健診で気づいた発達の遅れ。カタコト口調・数字大好きな自閉症長男と、グレーゾーン次男。不安だけど「楽しい探し」な毎日をのタイトル画像

はじめまして。2人の息子を育てている、ゆきみと申します。
自閉スペクトラム症の長男は、3歳で話し始めたけれど母音のみ。6歳となった今も片言の口調。とてもお話が苦手な子です。マイペースで数字を愛する長男と、心配性で天邪鬼、発達障害グレーゾーンな次男のことを描いていきたいと思います。

監修者井上雅彦のアイコン
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

人とお話をするのが苦手な息子たちです

長男けんとは、現在6歳(年長)です。3歳のときに療育手帳を取得し、自閉スペクトラム症と診断をうけました。

言葉が出始めたのは3歳。それから5歳まで、ほぼ母音のみで、6歳になった現在も片言の口調です。構音障害で「一生、上手にはお話し出来ない可能性がある」と病院の先生や言語聴覚士さんに言われました。

次男ゆうきは現在4歳1ヶ月(年少)。先生のお話しによると、発達障害グレーゾーンです。3歳まで「ママ」という言葉だけで会話を成立させようとしていましたが、急にやる気スイッチが入り、最近お話しができるようになってきました。
自閉スペクトラム症の長男けんと、発達障害グレーゾーンの次男ゆうき
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2人とも、成長ホルモン分泌不全性低身長症という、身長が伸びにくい病気でもあります。現在は同じ、こども園に通っています。会話はあまり交わさないけれど、兄弟の絆を感じる瞬間がたまにあり、ママはコッソリ泣いてしまいます。
会話はあまり交わさないけれど、兄弟の絆を感じる瞬間も
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おとなしい赤ちゃんがプールで大号泣

けんとは赤ちゃんのとき、とても静かで、あまり泣きませんでした。助産師をしている知人に「本当に静かな赤ちゃんね」と驚かれたことも。
あまり泣かず、おとなしかった赤ちゃんのころ
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体を動かすためにベビースイミングとベビー体操に通ってみることに。しかし、プールに入った瞬間、大号泣。
ベビースイミングに行くと、けんとは大号泣
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更衣室に入るだけで泣いてしまうようになったので、プールには行かなくなりました。

ベビー体操では好んでは動きません。お気に入りのヨーグルトカップを持っていき「こっちおいでー」と誘い、なんとか体を動かすようにしていました。
ベビー体操でも、好んで動かないけんと
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ある日、動物園へ行き、「ゾウさんだ」と指さしをしても、全く反応がありません。思いつきで「1、2、3~」と指で数えるのを見せてあげたら、まさかの大興奮!
動物園で、数える様子を見せると大興奮!のけんと
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その後、ママは動物園でずっと数を数えることになりました。キラキラな笑顔で「もう1回」とアピールしてくれるのが愛おしかったのですが、エンドレスリピートだったので、ちょっと大変。その日から現在まで「数字とともに生きる」といっても過言ではないほど、数字にまつわることが大好きです。

不安を感じ始めた1歳半健診、そして現在まで

出産するまでは子どもと関わることが少なかったため、この月齢の子どもが何をするのかという平均的な発達をまったく知らず、気にしていませんでした。そんなときにあった1歳半健診で、周りの子どもたちと違うことに気づき、衝撃が走ります。
不安を感じ始めた1歳半健診の様子
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保育士さんが積み木を積んだり、「犬はどれだ」と質問したりしても見ることすらない息子。ほかの子たちが「わんわん」と楽しそうに指をさしてる姿を目の当たりにして、不安になり涙が出ました。

すると、保育士さんが声をかけてくださり「発達相談」に行くことに。臨床心理士さんと発達のお話をして、勧められた市の親子教室へ通うことにしました。その後、年少で発達支援センターに通園。年中から、こども園に転園して現在にいたります。

不安な日々の中から「楽しい探し」したい

3歳で自閉スペクトラム症だと診断を受けた直後、息子がどうなるのか 未来を想像することができず、不安な日々が続きました。 私自身、子どもが診断を受けるまで知識がなく、勝手な印象で自閉スペクトラム症というのは、笑わない子、ずっと家にこもっていて人とまったく関わらない子、だと思い込んでいたのです。

周りの家族、親戚、友人も同じでした。1人でも多くの方に自閉スペクトラム症のことや、ユニークな部分も知ってもらいたい!と思うようになり、ブログで子どもたちのことを発信し始めました。

私はシンガーソングライターとしてイベントのステージで歌うときがあるのですが、息子はさまざまな感覚過敏がありその場にはいられません。いつか、こういう感覚過敏のある方たちが気軽に参加でき、走り回ったり、声をあげたり、泣いてしまっても周りを気にしなくて大丈夫な出入り自由!みんなWelcomeな、イベントを開催したいという夢を持つようになりました。

マイペースで過敏な息子を通じて、「うちの子もだ」「自閉スペクトラム症ってそうなんだ」「こういう子もいるんだ」と1人でも多くの方にお届けできるコラムを書いていけたらと思っております。よろしくお願いします。

執筆/ゆきみ
(監修:井上先生より)
自閉スペクトラム症のあるお子さんのこだわりは、問題行動と見られることもありますが、その行動自体がお子さんにとって楽しみな余暇活動になっていることもあると思います。お子さんの視点に立って、お子さんを見ることができるようになると、子育ての楽しみも少しずつ増えていくかもしれません。
コンサートや映画は、子育て中の親御さんの場合、お子さんが泣いたりパニックを起こしたりすることを心配してためらってしまう方も多いです。ゆきみさんのような方が、子育ての経験をもとにバリアフリーのコンサートなどを主催していただけるのは、とても夢があっていいですね。
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