新連載!1歳半健診で気づいた発達の遅れ。カタコト口調・数字大好きな自閉症長男と、グレーゾーン次男。不安だけど「楽しい探し」な毎日を

ライター:ゆきみ
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この記事では1歳半健診で発達の遅れに気づき3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断されたお子さんの体験談を専門家の解説と共にご紹介します。

はじめまして。2人の息子を育てている、ゆきみと申します。
自閉スペクトラム症の長男は、3歳で話し始めたけれど母音のみ。6歳となった今も片言の口調。とてもお話が苦手な子です。マイペースで数字を愛する長男と、心配性で天邪鬼、発達障害グレーゾーンな次男のことを描いていきたいと思います。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

ASD(自閉スペクトラム症)に気づいたきっかけは?【幼児期(0歳~小学校就学前)】

乳幼児の段階では、言語・認知・学習といった発達領域が未発達なため、お子さんがASD(自閉スペクトラム症)かどうか分かりにくい傾向があります。しかし、乳幼児期全体を通してみると、特徴的な行動をとっていたことに気づく場合があります。
以下では、ASD(自閉スペクトラム症)の子どもの幼児期(0歳~小学校就学前)に表れる特徴の傾向を紹介します。

対人関係やコミュニケーションの遅れや偏りがある

周りの人や同年齢の子どもに興味を持たず一人遊びをし続ける、集団の活動に参加することが苦手、名前を呼んでもこちらを向かない、視線を合わせようとしない、興味があるもの共有したくて指さしをして伝えない傾向がある、一方的に言いたいことを言う、質問にうまく答えられないなどの特徴があります。知的障害(知的発達症)を伴う場合、言葉の遅れ、オウム返し(エラコリア)といった特徴がみられる場合もあります。定型発達の子どもが友達と「ごっこ遊び」をするのに対し、ASD(自閉スペクトラム症)の子どもは集団での遊びにあまり興味を示さないことが多いといわれています。

特定の刺激や活動にこだわりがある

特定の刺激や活動にこだわりがみられることがあります。くるくる回るものや、といった特徴がみられることがあります。

〈例〉
・新しい場所や活動が苦手
・おもちゃをひたすら並べる
・特定の遊びを繰り返す
・くるくる回るものをずっと見ている
・水遊びが大好きで、始めるとやめられない
・遊具やおもちゃを使う順番を待つことができない
・決まったおもちゃで遊びたがる
・ほかの子どもが自分が遊びたいおもちゃで遊んでいると、パニックになる
・道順が違うとパニックになる
・ドアを意味もなく開け閉めする
・活動の切り替えが難しい など

幼児期ASD(自閉スペクトラム症)には、以上のような特徴がみられることがありますが、子どもによって特性の表れ方はそれぞれなため、このような特徴があるからといって必ずしもASD(自閉スペクトラム症)があるとは限りません。
お子さんに気になる様子があるときは、保護者だけで悩まず保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所といったところへ相談をしましょう。
井上 雅彦先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
井上 雅彦先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
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以下では、1歳半健診で発達の遅れに気づき3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断されたお子さんの体験談をご紹介します。専門家のコメントと併せて是非御覧ください。

人とお話をするのが苦手な息子たちです

長男けんとは、現在6歳(年長)です。3歳のときに療育手帳を取得し、自閉スペクトラム症と診断をうけました。

言葉が出始めたのは3歳。それから5歳まで、ほぼ母音のみで、6歳になった現在も片言の口調です。構音障害で「一生、上手にはお話し出来ない可能性がある」と病院の先生や言語聴覚士さんに言われました。

次男ゆうきは現在4歳1ヶ月(年少)。先生のお話しによると、発達障害グレーゾーンです。3歳まで「ママ」という言葉だけで会話を成立させようとしていましたが、急にやる気スイッチが入り、最近お話しができるようになってきました。
自閉スペクトラム症の長男けんと、発達障害グレーゾーンの次男ゆうき
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2人とも、成長ホルモン分泌不全性低身長症という、身長が伸びにくい病気でもあります。現在は同じ、こども園に通っています。会話はあまり交わさないけれど、兄弟の絆を感じる瞬間がたまにあり、ママはコッソリ泣いてしまいます。
会話はあまり交わさないけれど、兄弟の絆を感じる瞬間も
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おとなしい赤ちゃんがプールで大号泣

けんとは赤ちゃんのとき、とても静かで、あまり泣きませんでした。助産師をしている知人に「本当に静かな赤ちゃんね」と驚かれたことも。
あまり泣かず、おとなしかった赤ちゃんのころ
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体を動かすためにベビースイミングとベビー体操に通ってみることに。しかし、プールに入った瞬間、大号泣。
ベビースイミングに行くと、けんとは大号泣
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更衣室に入るだけで泣いてしまうようになったので、プールには行かなくなりました。

ベビー体操では好んでは動きません。お気に入りのヨーグルトカップを持っていき「こっちおいでー」と誘い、なんとか体を動かすようにしていました。
ベビー体操でも、好んで動かないけんと
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ある日、動物園へ行き、「ゾウさんだ」と指さしをしても、全く反応がありません。思いつきで「1、2、3~」と指で数えるのを見せてあげたら、まさかの大興奮!
動物園で、数える様子を見せると大興奮!のけんと
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その後、ママは動物園でずっと数を数えることになりました。キラキラな笑顔で「もう1回」とアピールしてくれるのが愛おしかったのですが、エンドレスリピートだったので、ちょっと大変。その日から現在まで「数字とともに生きる」といっても過言ではないほど、数字にまつわることが大好きです。

不安を感じ始めた1歳半健診、そして現在まで

出産するまでは子どもと関わることが少なかったため、この月齢の子どもが何をするのかという平均的な発達をまったく知らず、気にしていませんでした。そんなときにあった1歳半健診で、周りの子どもたちと違うことに気づき、衝撃が走ります。
不安を感じ始めた1歳半健診の様子
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保育士さんが積み木を積んだり、「犬はどれだ」と質問したりしても見ることすらない息子。ほかの子たちが「わんわん」と楽しそうに指をさしてる姿を目の当たりにして、不安になり涙が出ました。

すると、保育士さんが声をかけてくださり「発達相談」に行くことに。臨床心理士さんと発達のお話をして、勧められた市の親子教室へ通うことにしました。その後、年少で発達支援センターに通園。年中から、こども園に転園して現在にいたります。

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