生後6ヶ月で強烈な夜泣き、3歳で感じた違和感。でも「異常なし」と言われて…「何かある」の勘からつけ始めた育児日記が、後のASD診断に役立って

2021/11/17 更新
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わが家のでこぼこ兄妹は現在21歳と14歳。兄のタケルは2000年生まれで、子どものころはまだ発達障害という言葉もあまり知られていませんでした。法改正の影響もあり、2006年ごろから地方自治体の支援を受けられるようになったのですが、それまでは「なんだかおかしい...」という違和感の答えがなく、いろいろと迷う日々が続きました。今回はタケルが発達障害だとわかった経緯と、当時の困りごとについて思い出しながら書いていきます。

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寺島ヒロ
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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 客員研究員
応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。

タケル誕生!2850gの元気な赤ちゃん

わが家のでこぼこ兄妹の兄、タケルは8歳のときにアスペルガー症候群(※)の診断書を受け取りました。その後、19歳で精神障害者保健福祉⼿帳を取得する際に改めて診察・検査を受けてASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。

(※)現在は、ASDに統合されています。
そんなタケルが生まれたのは、夏、そろそろ本格的に暑くなろうかというころでした。妊娠中、出産時とも特に問題はなく、あまり時間もかからずスルッと生まれた赤ちゃんで、私は「聞いていたよりずっと楽だった!なんて親孝行な子なんだろう!」と、思いました。
それから、半年ほどの間は何事もなく過ぎていきました。今思えば「何もなさすぎた」というほど、手のかからない赤ちゃんだったのです…。

とにかく寝ない!泣きだしたら止まらない!

生まれて6ヶ月を過ぎるころ、強烈な夜泣きが始まりました。赤ちゃんは泣くのは仕事、とは聞いていましたが、1時間、2時間…と、本当に泣き始めると延々泣いているのです。そして最後は疲れて喉が開かなくなり「ひほっひほっ」とかすれた音を出しながら、腕の中で跳ねるようにしながら眠りにつくのでした。
 
泣いている間に本格的な呼吸困難を起こして、病院に走ったことも何度もあります。どうも、タケルは「壊さないように身体を使う」ということができないようでした。
夜何度も起て泣き続ける息子…昼は機嫌よく別人のよう
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もしかして高次脳機能障害...?

しかし、私はタケルが3歳になるころには「これは学生のときに心理学の授業で聞いた高次脳機能障害というやつではないのか?」と考えるようになっていました。
高次脳機能障害は怪我が原因で脳機能に障害が現れることです。タケルは大きなケガをしたことはなかったとは思うのですが、私が見ていないときにぶつけていなかったとは限らない、何しろいつも暴れながら泣いているので可能性として低くはないと思ったのです。
そのころのタケルには、

・注意を引いてもその方向を見ない。物を目の端で見る

・笑顔がぎこちない。口が「笑顔の形」に開いても笑い声が出ない

・おもちゃを想定されたやり方で遊ばない。ひたすら並べたり積み上げたりする

・寝るときはおっぱいを飲みながら抱っこでないと寝ない(5歳まで)

・落ち着きがなく、緊張が高まると身体を小刻みに揺らし続ける

・服の肌触りに非常にこだわる

・文字の読み書きができる。3歳ごろに書くようになったのでわかったが、読むだけはもっと前からできていたよう。漢字も読み方を教えてもらうとほぼ一回で覚える

・100ピースほどのパズルはほとんど迷わず解ける。一度解いたパズルはピースの形と置いた場所を覚えている

…などの特徴が見られました。
話始めると止まらないタケル。制止しても、またしばらくすると続きを話し始める。
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※その後、タケルは高次脳機能障害ではなく、アスペルガー症候群の診断を受けました。上記は、私が「気になったところ」ということで挙げさせていただいていたもので、お子さんにこのような部分があったからといって、障害があるというわけではありません。念のため。

病院では問題ないというけど...やっぱり何かヘン!

実際は高次脳機能障害ではなかったのですが、このとき「疑い」を持ったことで、私はタケルの体調や睡眠時間の長短、遊びの内容などを事細かに育児日記として記録することを始めました。
 
病院や保健所の発達相談会で聞いても「異常はない」と言われてはいたのですが、将来、もしかして何らかの障害だと分かったとき治療の役に立つかもしれないと思ったのです。
気になるところを書き留めることにしたが、不安が止まらない…
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地方自治体の発達相談で判明!「たぶんアスペルガー」

発達障害だと分かったのは、タケルが7歳のときに市で毎年開催している子どもの発達相談会に参加したことがきっかけです。
この年に初めて県の発達センターから医師を含む専門のスタッフが派遣され、発達障害についての相談をすることができるようになりました。その場には、息子も伴って行ったのですが、もうスタッフさんに二言三言お話しただけで「この子は…!詳しい検査が必要かもしれません」と言われました。

「異常なし」から一変!療育センターで詳しい検査を受けることに

結局、その場での本人の様子と「育児日記」から、「アスペルガー症候群に大変近い」との医師の所見を得て、一週間後には療育センターで詳しい検査を受けられることに。療育センターでも、生まれてからの詳細なデータが残っていたため、すぐにアスペルガー症候群の診断がつき、まったく待たされることなく療育に入ることができました。そして、8歳の誕生日を迎えたころに診断書を受け取ることとなりました。
書き溜めていた「育児日記」はしっかりとその役目を果たしてくれたのです。

執筆/寺島ヒロ
(監修:井上先生より)
お子さんの夜泣きが続く大変な日々を、よく乗り切られましたね。当時は現在のように、一般的に発達障害に対する情報が広まっていませんでした。幼児期の睡眠障害については、最近日本でも注目されるようになってきました。
寺島ヒロさんのように、相談に行かれる場合に「育児日記」のようなものをつけておかれると、専門家や医師も具体的な情報が得られ分かりやすくなると思います。
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