発達が気になる子どもの「感覚」を育む「運動発達の支援」とは?LITALICOジュニアのスーパーバイザーが教える3つのポイント。普段の遊具遊びで意識したいヒントもご紹介

ライター:発達ナビ アライアンス プログラム
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株式会社アネビー
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3月18日に、『新五感』を提唱するアネビーの遊具を体験しながら、LITALICOジュニアのシニアスーパーバイザーが遊び方のコツを紹介するイベントが開催されました。たくさんの学びと発見があったイベント、その様子をレポートします。

目次

発達が気になるお子さんの感覚特性を踏まえた、遊びと発達のつながりとは?

株式会社アネビー主催の「こども理解と発達支援のヒントが満載!セミナー&遊具体験ツアー」が、3月18日にアネビートリムパークお台場店にて開催されました。支援者の方々が、発達が気になるお子さんの感覚特性と運動・遊びのつながりについて知ることができる貴重な機会となりました。
アネビー
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このセミナーを主催する『アネビー』は、発達支援遊具にも力を入れ、遊びと楽しさを真剣に考えてきました。特に力を入れているのが、「新五感」として提唱されている「視覚」「聴覚」「タッチ覚(触覚)」「バランス覚(前庭覚)」「ボディ覚(固有覚)」を育むことができる「ハビル遊具」です。今注目を集めているこの「ハビル遊具」も、イベントでは実際に体験することができました。

※ハビル遊具:個人の感覚に働きかけ発達を引き出す遊具
新五感
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そしてこのセミナーに、LITALICOジュニアのシニアスーパーバイザーである永塚健氏が登壇し、感覚特性を踏まえた遊びと発達のつながりについて講義がありました。普段から幼稚園で発達が気になるお子さんと接している先生方が参加され、実際に遊具を体験しながらの熱量の高い時間となったイベントの様子を、今回の記事ではお伝えします。
シニアアドバイザー
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永塚 健(ながつか けん)氏/LITALICOジュニア保育所等訪問支援訪問支援員 スーパーバイザー
プロフィール:入社後、LITALICOジュニアにて指導員、訪問支援員として活動。現在は、指導員、訪問支援員にあわせて、社内の指導員の育成に関わる業務、ペアトレなど保護者支援、困難ケースのサポート、社外の教員、保育士・関係機関向けの研修や指導に関わる業務を担当。
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遊びが育む「新五感」が学習や社会性の基盤に?遊具から環境づくりまで、子どもの遊びを手がけるアネビーの想いに迫るのタイトル画像
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遊びが育む「新五感」が学習や社会性の基盤に?遊具から環境づくりまで、子どもの遊びを手がけるアネビーの想いに迫る

発達障害があるお子さんの「感覚」を育む「運動発達の支援」のために、意識したい3つの力って?

「まずは発達障害ではなく、発達未然と捉え方を変えてみてはいかがでしょうか?今は乗り越えられていないだけで、適切な環境があれば必ず課題を乗り越えることができるはずです」と、永塚氏は話します。

特性とは一人ひとりのクセのようなもので、まずは学齢に縛られずにお子さんの特性の現在地を把握し、適切なトレーニングを促してあげることが大切となってきます。

その上で、感覚を育む運動発達の支援のためには、無意識でコントロールする基礎感覚である「触覚(温度・痛み・触感)」「前庭覚(重力・スピード・揺れ・傾き)」「固有覚(身体の位置・動き・力の入れ具合)」を意識することが必要です。
ハビル遊具
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「運動をすることで、感覚を上手に処理できるようになります。結果として、手先や言葉の使い方の上手さや、注意力、読み書きの土台にまでつながったりするんですよ」

運動を通して、脳から神経を伝達して身体に指示を与え、実行した動きの結果と調整を脳にフィードバックしていく。その繰り返しが感覚統合の発達につながり、最終的には運動機能だけではなく、集中力や学習能力の土台、自己制御など幅広い成長へと花開いていくそうです。

この脳と身体の対話を起点に、物と自分の身体の対話(ボディイメージ、書字音読など)、そして人と自分の身体の対話(感情理解、順番、共感など)と、運動発達は社会性の発達にまで広がりを見せていきます。
大山
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「今の社会は地面が平らだったり、公園の遊具が危険だからと禁止されたり、身体の感覚を育む複雑な動きがしにくくなっています。脳や感覚は、不安定さとか複雑性の中で育まれていくものです、その点は改めて意識してほしいポイントです」と、永塚氏。

そんなさまざまな感覚を育む一つの選択肢としてのハビル遊具について、実際に永塚氏の解説を聞きながらセミナー参加者全員でラウンドしていきました。
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「ハビル遊具」を実際に体験してみた!感覚を育むためにどんな工夫があるの?

運動をすることで感覚を上手に処理できるようになる「ハビル遊具」。その中でも選りすぐりの遊具を、いくつかピックアップしてご紹介します。

ハビル遊具その1:すべり台

大山
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すべり台は、「滑り始め」「滑走時」「滑り終わり」と、その瞬間で重心や加速が変化する遊具です。その変化に対応した姿勢保持に必要な身体の使い方を養うことができます。

特にこのハビル遊具のすべり台は、例えば途中に波のような起伏があることでうねりの中でバランスを取る感覚を養ったり、トンネルで視界が遮られることでバランス覚だけで滑ったりと、楽しみながら感覚を育んでいくことを考えて設計されています。
すべり台
すべり台の座面に歪みがあり、想定外の揺れを感じることができる
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ブルブル
暗いトンネルの中で、身体の感覚だけで進むすべり台
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「お尻の触覚ですべり台を感じながら、固有覚で腹筋や背筋に力を入れて身体の土台をつくって、倒れないように滑っていきます。この積み重ねが感覚統合につながっていきます」と、永塚氏。

ただ上から下に滑るだけではなく、その過程で複雑な動きをして対応させるために、ハビル遊具のすべり台には多くのポイントが詰め込まれていました。

ハビル遊具その2:平均台/一本橋

大山
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平均台は、「落ちるかもしれない」ことを意識し、バランス覚をフル活用させ、また倒れないように足の曲げ具合や力の入れ具合を調整するボティ覚にも働きかけることができます。

ハビル遊具の平均台や一本橋は、「不規則な揺れ」を遊びに取り入れることで、対応するために「ボディ覚」が発達していきます。同時にどのように攻略するか「考える力」や「挑戦する力」まで育むことができる、多くの意味を持った遊具です。
筑波山
足場が平面と球面で差があり、足の裏で感覚を掴みながら進む
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グラグラする板の上をバランスを取って進んでいく
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「慣れてきたら、例えば板の中央部分にお手玉を置いて、踏まないようにというルールをつくることで難易度を上げることもできます。工夫しながら成長を促してあげてください」と、永塚氏。

その運動にどんな意味があるのかを考えながら遊ぶことで、遊具はより価値を発揮していきます。

ハビル遊具その3:トランポリン

サラブレッド
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「自転車と一緒で、左右前後に倒れることで身体の真ん中の軸を見つけていきます。真っ直ぐに飛びたいんだったら、思い切りグラグラ跳ばせてあげて、軸に気づいていく経験を重ねた方が良いんです」と、永塚氏。

揺れる地面で前庭覚を使ってバランスを取って跳ぶ体勢をつくったり、空中で傾きに合わせて身体を調整したりすることができるトランポリン。着地の衝撃をゆっくり感じることができるので、ボディ覚に刺激を受けていることが分かりやすい遊具です。

また友達と一緒に弾むと、思わぬ揺れにバランス覚が働き、身体の接触でタッチ覚への刺激もアップします。楽しく跳ぶ遊びの中には、そんな感覚を育む秘密が隠されていました。

ハビル遊具その4:はしごやネットでの遊び

アンブルラダー
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はしごやネットでの遊びをさらに発展させたもので、ぐらぐらして不規則な足場で全身の筋肉を調整しながらの移動となるため、固有覚を大きく発達させることができます。ほかにも、前庭覚、触覚と、ここでも様々な感覚を使っていきます。

「足場を探し、身体をしっかりと固定させることができるということは、固有覚をしっかり使えている証拠。ほかにも、5本の指でぶら下がることも手指の発達につながって、お箸や鉛筆を持つ力の土台にもなっていきます」と、永塚氏。

この遊具では、頭を使って四肢を固定と運動で分けながら進むことで、見通しを立てて計画を立てる力だったり、左手でノートを押さえて右手の鉛筆で書くなど、身体の左右で別々の動きがスムーズにできるようになる力まで育まれていきます。
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普段の遊具遊びの意味を理解して、ぜひ伸び伸びとお子さんの感覚の成長を応援してあげてください

「身体の感覚を育む複雑な動きを生活の中でしにくくなっているからこそ、お子さんが走り回ったり飛び跳ねたりと感覚の刺激を求めていたら、それを塞ぐのではなく遊具も介して思う存分遊んであげてほしいと思います」と、永塚氏。

園の先生たちも熱心に質問されるなど、とても有意義な時間となったようでした。

安全性も、感覚を育む運動発達の支援も考えられたハビル遊具なら、思う存分お子さんの脳と身体を使った試行錯誤を応援することができます。『アネビー』のサイトでは、さらに詳しくハビル遊具を知ることができるので、ぜひ一度覗いてみてくださいね。
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