癇癪って防げるの?回避法やクールダウン法、相談先などを専門家が解説ーーマンガで学ぶ癇癪

ライター:マンガで分かる発達障害のキホン
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いったん始まってしまうと、癇癪を鎮めるのは難しいので、普段の生活から子どもに十分配慮をし、癇癪が起きないように回避することが重要です。今回は癇癪が起きないように気をつけたいこと、実際起きたときのクールダウン方法や対処法、相談場所などを紹介します。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

子どもが癇癪(かんしゃく)を起こさないために普段から気をつけたいこと

子どもの癇癪が起きないようにするためには、環境を整え、気持ちの伝え方を教えたり、余暇グッズで気を紛らわせたり、対処法やルールを予め決めておくことが効果的です。子どもの癇癪で悩んだ際は、一人で抱え込まず相談機関に相談してみましょう。
子どもの癇癪どうしたらいいのかわかりません!と困る保護者と癇癪を起こす子どもの様子。(監修:鳥取大学教授、専門行動療法士、自閉症支援士エキスパート、公認心理師 井上雅彦先生 )
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子どもが癇癪を起こさないように、普段から癇癪の前に要求をかなえるための環境調整を行うことが重要です。(監修:鳥取大学教授、専門行動療法士、自閉症支援士エキスパート、公認心理師 井上雅彦先生 )
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子どもが癇癪を起さないためにコミュニケーションや余暇に置き換えることも重要です。(例:いやな時に癇癪を起すのではなく、「これ買ってほしい」などと言葉で伝えられるようにする)。(監修:鳥取大学教授、専門行動療法士、自閉症支援士エキスパート、公認心理師 井上雅彦先生 )
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子どもの癇癪が起きたら、危険なものをなどを遠ざけるなど、まずは安全の確保をすることが重要です。(監修:鳥取大学教授、専門行動療法士、自閉症支援士エキスパート、公認心理師 井上雅彦先生 )
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子どもの癇癪が起きたら、必要以上にかまわず、落ち着けたらほめることが重要です。(監修:鳥取大学教授、専門行動療法士、自閉症支援士エキスパート、公認心理師 井上雅彦先生 )
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子どもの癇癪が起きるタイミングは、予測できるものばかりではありません。子どもが癇癪を起こしたときにどのように接するべきか前もって知っておくことで、焦らずに対応しやすくなります。(監修:鳥取大学教授、専門行動療法士、自閉症支援士エキスパート、公認心理師 井上雅彦先生 )
イラスト/かなしろにゃんこ。
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いったん始まってしまうと、癇癪を鎮めるのは難しいので、普段の生活から子どもに十分配慮をし、癇癪が起きないように回避することが重要です。

癇癪の起きにくい環境を整える(環境調整)

・刺激の過敏性に対する配慮
気になるものをなくす、不快な刺激を生み出すものを遠ざける、違うものに変更するなど

・見通しの立てられるような言葉がけを
気持ちの切り替えを行うことは子どもにとっては難しいことです。いきなり遊びを中断されたりすることは子どもにとって大変ストレスなことなので、癇癪を起こす要因の一つとなります。

あらかじめ予定を視覚的に見せることで伝わりやすくしたり、感覚過敏のある場合には、苦手な環境や状況を避けるなど、癇癪の背景にある特性に合わせて、癇癪が起きにくい環境を整えることが大切です。

コミュニケーションや余暇への置き換え

・自分の気持ちを知ってもらう
「今、自分はこんな気持ちだ」ということが周囲に知ってもらうだけでも、気持ちが楽になっていくこともあります。
例えば、困ったときに口に出すべき具体的なセリフを教えてあげることで、「困ったときには人に頼ってもいいんだ」という安心感が生まれます。

・余暇グッズを用意する
長時間待たなければならない場合など、何もすることのない状態だと手持無沙汰によるイライラや不安などから癇癪に繋がることがあります。本人の楽しめる余暇グッズを用意することで気を紛らわし癇癪を減らすことができます。

対処法やルールを決めておく

・ルールを一緒に決める
言葉を理解し、話すことができるくらいの年齢の子どもに対して有効な方法です。癇癪が起きてしまったときにつぶやくと落ち着く言葉や、落ち着く場所や行動など子どもと一緒にルールを決めておくとよいでしょう。

対処方法をルール化することで、怒りの感情から抜け出すための「いつもの方法」をもつことができ、癇癪が起こったときに子どもが自分で冷静さを取り戻すことも可能となります。

子どもが癇癪を起こしてしまった! クールダウンの方法は?

癇癪への対応はそれが起こる前の環境調整や対応に力を注ぐことが原則です。しかし、十分な対応をしても癇癪が起きてしまう場合があります。その場合はどのように接するべきか前もって知っておくことで、焦らずに対応しやすくなります。

子どもの安全を確保する

癇癪が起きたときは、まずは子どもが怪我をしないように安全を確保します。危険なものを遠ざけたり、周りの安全を確保したりします。

癇癪が生じている間は必要以上にかまわない

癇癪が生じた場合、必要以上に声掛けをしたり、注意したりしてかまうことで、結果的にそれが子どもの注目要求をかなえてしまったり、より興奮させてしまうことに繋がってしまうかもしれません。難しいところもありますが、できるだけほかのことに気を散らしたりして落ち着くまで待つほうがよいでしょう。

落ち着くことができたらそのことを褒める

癇癪が止まり、子どもが完全に冷静さを取り戻したタイミングで落ち着けたことをしっかり褒めるようにしましょう。褒めてあげることで子どもは安心感を抱き、さらには気分を落ち着けるための方法を学ぶことで、予防にもつながります。

時間が経ってからだと、癇癪を起して落ち着いたという一連の流れを忘れてしまうので、落ち着いたらその場で褒めてあげることを心がけましょう。

不適切な対処は、癇癪をエスカレートさせてしまう

子どもの癇癪に引きずられないように身を守る

先に述べたように子どもが激しい癇癪を起こしている様子に周囲の大人が感情的に引きずられないように注意しましょう。親自身も子どもの隣にいるだけでイライラしたり、気分が乱れてしまいます。

対応する大人の心が乱れていては、子どもに冷静に対応することはできません。物が飛んできたり、たたいたりと怒りの矛先が自分に向いたときには距離をとることも大切です。

感情的な叱責は逆効果

・感情的に叱るのはNG
頭ごなしに叱りつけたり、いきなり力でおさえるような対応は、子どもを混乱させ、癇癪をエスカレートさせてしまうこともあります。
逆に、強い癇癪に対して好きなものを与えてその場をおさめることを繰り返すと癇癪によって自分の要求をかなえると言う事を学習してしまう可能性もあります。

・要求を通さないようにする
癇癪を鎮めるためにおもちゃやお菓子を与えると、子どもの癇癪はその場では止むこともありますが、子どもに「癇癪を起こすとなにかいいことがある」と言うことを学習させてしまうことに繋がります。また、要求を通さないと最初に子どもに言ったならば、その態度を貫き一貫性をもって接することが大切です。

ただ、乳児期の子どもの泣きやぐずりについては、子どもと保護者の愛着関係をつくり上げるための大切なコミュニケーション手段となり、その後の子どもの気持ちの発達の基礎となるので、子どもの要求に合わせて応対するという姿勢が必要です。
次ページ「子どもの癇癪に悩んだら、早めに相談を」

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