3月21日は世界ダウン症の日!世界中のダウン症のある人による発信や、注目のチャリティーグッズ、日本でのイベントの様子を紹介。みんなで「インクルージョン」について考えよう
ライター:発達ナビニュース
ダウン症のある人は身近にいますか? 話したことはありますか? 一緒に遊んだり学んだりしたことはありますか? ダウン症について知ることは、インクルージョンについて考えるチャンスにもなります。3月21日は、世界ダウン症の日。公益財団法人 日本ダウン症協会(JDS)に、LITALICO発達ナビ編集部が取材しました。
そもそもダウン症って? 世界ダウン症の日はどういう日?
ヒトの46本(または23対)の染色体はそれぞれ、母親から1本、父親から1本受け継いで2本で1対となっています。3本あるのは突発変異でトリソミーといいます。このトリソミーが21番目の染色体に起こるほとんどがダウン症候群(ダウン症)です。染色体が異なることから、さまざまな特性が生まれます。
<ダウン症とは>
この染色体の突然変異は誰にでも起こり得ます。(中略)
ダウン症の特性として、筋肉の緊張度が低く、多くの場合、知的な発達に遅れがあります。発達の道筋は通常の場合とほぼ同じですが、全体的にゆっくり発達します。
心疾患などを伴うことも多いのですが、医療や療育、教育が進み、最近ではほとんどの人が普通に学校生活や社会生活を送っています。(JDSホームページより)
こうした特性のあるダウン症のある人ですが、当然のことながら、一人ひとり個性が異なります。
ダンスが好き、人懐こい、ということもよくいわれますが、人前で何かすることが苦手で引っ込み思案の人もいます。秀でた才能をもって活躍する書家の金澤翔子さんのような人もいますが、みんながみんな書家になれるわけではありません。筋力が弱いと言われ、スポーツで活躍している村井海人さんのような人もいますが、スポーツが苦手な人もたくさんいます。個性がさまざまであることは、ダウン症のない人たちと同じです。
ダンスが好き、人懐こい、ということもよくいわれますが、人前で何かすることが苦手で引っ込み思案の人もいます。秀でた才能をもって活躍する書家の金澤翔子さんのような人もいますが、みんながみんな書家になれるわけではありません。筋力が弱いと言われ、スポーツで活躍している村井海人さんのような人もいますが、スポーツが苦手な人もたくさんいます。個性がさまざまであることは、ダウン症のない人たちと同じです。
モデル・金子エミさん取材!ダウン症の息子・カイトさんが世界ダウン症水泳選手権 で3つのアジア記録を更新!ポジティブな声かけで培かわれた自信が「強さ」の背景に
今年の世界ダウン症連合(DSi)のテーマは「What does inclusion mean?」
ところで、3月21日は世界ダウン症の日ですが、その理由を知っていますか。それは、染色体23対のうち21番目が3本だから。この日は4月2日の世界自閉症啓発デーと同様に、国連で定められた記念日です。
ダウン症の「ダウン」は、最初の報告者である19世紀のイギリスの医師、ジョン・ラングドン・ダウン博士の名前からとられたものです。そして、ダウン博士の誕生日は11月18日ということから、11月には、世界ダウン症会議や隔年で開催される日本ダウン症会議が開催されます。
ダウン症の「ダウン」は、最初の報告者である19世紀のイギリスの医師、ジョン・ラングドン・ダウン博士の名前からとられたものです。そして、ダウン博士の誕生日は11月18日ということから、11月には、世界ダウン症会議や隔年で開催される日本ダウン症会議が開催されます。
世界ダウン症の日には、日本だけでなく世界中でさまざまな啓発イベント・活動が行われます。ダウン症についての国際的なNGO、世界ダウン症連合(Down Syndrome International:DSi)では、毎年のテーマを、世界ダウン症の日に合わせて制定します。
2022年のテーマは「What does inclusion mean?」、「インクルージョンってなんだろう?」。疑問形となっているのは、多くの人に、インクルージョンの意味を考えてほしいから。
2022年のテーマは「What does inclusion mean?」、「インクルージョンってなんだろう?」。疑問形となっているのは、多くの人に、インクルージョンの意味を考えてほしいから。
障害者の権利に関する国連条約(UNCRPD)では、「インクルージョンとは、教育を受けること・就労することに関して、障害者がほかの人たちと同じように平等に、自由に受ける権利があるということ」を示しています。でも、現実には、ダウン症や障害がある人々は社会参加が十分にできていません。
実現できない理由の一つは、「インクルージョンとは何か」ということに対する多くの人の理解が一致していないから。だから、みんなで「インクルージョンとは?」と考え、ことばにして発信していきましょう。
(WDSD 2022: Inclusion Means...より冒頭文を抜粋・意訳)
「インクルージョンとはどういうことなのか、普段モヤモヤと頭のなかで考えていることを具体的なことばにしてみませんか?」と、世界ダウン症連合では、#inclusionmean?(インクルージョンとは?)というハッシュタグをつけての発信を呼びかけています。
「本人」からの発信が注目されている!
JDSが運営する世界ダウン症の日記念イベントは2012からスタートし、「キックオフイベント」という形での開催は2016年から開催されるようになりました。このなかで、初回からの定番企画が「ダウン症のある本人による発表」です。発表者はダウン症のある人自身。好きなこと、頑張っていること、困っていることやそれを乗り越えた話も、自分の言葉で発表します。表情豊かなプレゼンテーションをする人もいますが、なかには発語のない人もいます。その場合は写真のスライドショーなどを使い、保護者や代弁者が本人の意思を確認しながら、本人の思いを言葉にして発表します。本人発表は、2017年から隔年で開催されている「日本ダウン症会議」でも注目のプログラムとなっています。
こうした本人による発表、セルフ・アドボカシーへの注目は世界的な流れで、2021年11月にUAE(アラブ首長国連邦)発信でオンライン開催された世界ダウン症会議でも、たくさんの当事者が発表をしました。
世界ダウン症連合のサイトには、各国のセルフ・アドボカシーをまとめたページもあります。
こうした本人による発表、セルフ・アドボカシーへの注目は世界的な流れで、2021年11月にUAE(アラブ首長国連邦)発信でオンライン開催された世界ダウン症会議でも、たくさんの当事者が発表をしました。
世界ダウン症連合のサイトには、各国のセルフ・アドボカシーをまとめたページもあります。