考えた結果…

娘には年の離れた弟がいます。当時、弟は小学校に入学して間もないころで、まだ幼さなさが残る年ごろでした。

過去に娘は私に「お母さんは弟に甘いんじゃない?」と言ったことがありました。
私からすると娘の方がずっと手がかかり、弟には不便をかけているぐらいの気持だったのですが、娘はそう感じていたようです。

そこで私は娘に
「最近お父さんが、私が小さい息子にばかり気を掛けることにヤキモチをやいているみたいなので『だっこだっこキャンペーン』というのを始めようと思う」
「これは、玄関で帰宅した家族全員を私(母親)が抱っこ(お帰りなさいのハグ)をするというキャンペーンです」
と伝えました。

本当は『娘を』抱っこすることが目的だったのですが、自然な感じ(?)にするため『お父さんが、私が息子ばかりかまうことにヤキモチをやいている』というていにしたのです(この件に関しては主人にも協力してもらいました)。

娘の反応

「だっこだっこキャンペーン」娘の反応は⁉
Upload By 荒木まち子
「え?いいの?」と言う娘。私は、娘のこの反応にとても驚きました。

娘は小さいころからだっこが苦手でした。反り返って嫌がるので、私は娘を落とさないように全身の力を込めてだっこしていました(いつも汗だく)。また、娘がいつ激しく反り返るか予測不能なので、わが家ではおんぶも危険だと思いほとんどしませんでした(おんぶで子どもが親に身を任せるなんて夢のまた夢)。手をつなぐのも苦手で、私が娘の手を握ると娘は必死に私の手の中から指を抜こうとしました。

そのため私は、娘は人に触られることが嫌(苦手)なんだとずっと思っていました。それなのに娘のこの反応って…⁉

子どもは変わる

実際娘に『お帰り』のハグをすると、娘は脱力し私に身を任せていました。表情は見えませんでしたし娘は無言ではありましたが、まんざらでもなさそうなのは感じ取ることができました。

私たち親は「食べ物」や「音」「色」「特定のシチュエーション」などで、いったん子どもが嫌がると「この子はこれが苦手(嫌い)なんだ」と思い込んでしまいます。特に子どもが癇癪やパニックを起こした経験があるとなおさらです。

でもそれらは時と共に変わる場合がある、ということを私はこのとき実感したのです。
子ども自身の体調にも影響されるので一概にそれを『成長』と言って良いのかは分かりませんが、ともかく『変わる』のだと感じました。

じゃあそのあと『だっこだっこキャンペーン』のおかげで娘のイライラや自傷がすぐに収まったかというと、まあそんな簡単なわけもなく(笑)
医療や各方面の支援者のサポートと粘り強いアプローチなども受け、長い時間をかけて娘は徐々に徐々に落ち着いていったのでした(娘が落ち着いたタイミングでわが家のだっこだっこキャンペーンは終了しました)。
次ページ「失敗も無駄じゃない」

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