過敏、多動、3歳自閉症長男の「できない」どう克服?大好きな「かず」と「ラムネ」で重ねた成功体験

ライター:ゆきみ
過敏、多動、3歳自閉症長男の「できない」どう克服?大好きな「かず」と「ラムネ」で重ねた成功体験のタイトル画像

2歳から発達支援施設で療育を始めた長男けんと。やりたいこと、やりたくないことがハッキリしている性格で、生活面も含め、できることが増えにくく悩む日々。
どんな方法が、うちの子に合っているのか、どうすれば1つでもできることが増えるのか。試行錯誤しながら家庭でできることをやっていきました。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

こだわりと興味の偏りが強い子なので…

自閉スペクトラム症のある長男は一緒に公園へ行っても、ひたすら砂の表面を触り続けていることも。
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自閉スペクトラム症のあるけんとが3歳のとき、年齢が進むにつれて周りの子たちと成長の差が広がっていくことに不安を感じ、焦っていました。

やりたいことはとことんやるけれど、やりたくないことは一切やらず、こだわりも強い性格。けんとが興味を示すものがとにかく少なく、生活面も含め、いろいろなことができるようになる気がしませんでした。

どうしたらいいのか分からず、発達支援施設の先生に相談したり、ネットや本で調べてみたりすると、いろいろな苦手に対して家で遊びながら練習する方法もたくさんあることを知りました。

長男のけんとと弟の場合は、どのようにすればできるようになるのか。難しくてやる気を出さないことも、やろうとしてくれるのか。そう考えるようになり…数ある方法の中から少しずつ試し、子どもたちの様子を観察する「うちの子研究」をはじめました。

自閉症長男が好きな数字とラムネで重ねた成功体験

自閉スペクトラム症のある長男に、「1秒ヘルメットに触ったら、大好きなラムネ(1粒)を食べよう」と言い、できるようになる。
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移動用に親子3人が乗れる電動自転車を購入。しかし、けんとはヘルメットを嫌がり、かぶってくれませんでした。そこで、けんとは数字が大好きだったので、数字にからめながらやってみることに。

「1秒ヘルメットに触ったら、大好きなラムネ(1粒)を食べよう♪」と、私が見本を見せてから誘ってみると、喜んでやってくれました。できたらハイタッチでイェーイ!テンションをあげてゲームみたいにしながら「3秒触ったら→5秒触ったら→1秒頭にのせたら→3秒のせたら、10秒のせたら…」と段階をふんでいくことに成功。

そしていざ、自転車で実践!ヘルメットをかぶるのか?自転車に乗るのか?と心配しましたが「自転車で公園へ行って、ラムネを食べて遊ぼう♪」と声をかけると喜んでヘルメットをかぶり自転車に乗ってくれました。

この体験で、ヘルメットは痛くない、怖くないということが分かった様子。数日かけて、ご褒美なしでもできるようになりました。

失敗…ダメならすぐに方法をかえてみた

4歳のとき、「ママから離れたら、プチ財布に入れたボールを減らしていく」ルールを試して失敗。
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4歳のとき、外出すると好きなところに走って行ってしまい、常に追いかけまわしてました。家族や友達といても、みんなで一緒に行動することができず落ち込む日々。何か方法はないかな?と思うようになりました。

そこで、「ママから離れたら、プチ財布に入れたボールを減らしていく」「ボールがなくなったらラムネが食べられない」という方法をやってみることに。子どもにもよるのだと思いますが、けんとの場合は、この方法だと全くなおらず、本人も嬉しそうじゃない。結果はうまくいきませんでした。
「ママと手を繋いでエレベーターまで行けたらラムネを食べようか」と言うと、できるようになっていく長男。
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その後、やり方を変えながら試行錯誤。うちの子の場合うまくいったのは…ショッピングモールで「あのエレベーター(50メートルほどの距離)まで手をつないで歩けたらラムネ(1粒)食べようか♪」と誘い、できたらイェーイ!「次はどこまでにする?あの本屋さんまで行こうか?」などと距離を伸ばしていく方法。このとき、行先は子どもの好きな場所にしました。

これで人と歩くことに慣れてくれたのか、公園や動物園、遊園地などへ行っても、一緒に手をつないで家族みんなで歩けるようになり感動しました。
次ページ「ご褒美はペットみたい?悩んだ日々」

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