ADHD息子、中2夏休みに不正乗車で補導!パトカーに乗せられ警察署へ。ガマンも金銭管理も苦手な息子に変化が?――発達ナビユーザー体験談

ライター:ユーザー体験談
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【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「思春期・反抗期・友達関係」についてのエピソードをご紹介します。】ADHDのあるわが子。今はもう成人していますが、幼児期のころから我慢することが苦手でした。今回はそんな息子が中2の夏休みに、警察から電話がかかってきてヒヤリとしたエピソードを紹介します。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

ADHDがあり、我慢が苦手な息子

ADHDのあるわが子。今はもう成人していますが、幼児期のころから我慢することが苦手でした。勉強や運動は苦手ですが、明るく活発で友達付き合いはそこそこ上手でしたので遊びに誘われることが多く、中学では仲良くなった友人と繁華街のゲームセンターに入り浸って遊ぶようになっていきました。

そのころには電車に乗って遠出もするようにもなっていました。よく遊ぶ友人のお家は共働きなことも多く、毎日いくらかお小遣いをもらっているようでしたが、わが家は毎月のお小遣いを月初めにあげるのみでした。

お金の管理があまり上手くなく、月初にお小遣いを使い切ってしまうことも多かった息子。友人たちに遠方に遊びに誘われても一緒に行くお金がなく、よく「電車賃と飲み物代をちょうだい」と催促をしてきました。ですが私は月のお小遣いの中でやりくりをしてほしいという気持ちがあり、息子がそのように言ってきても追加のお小遣いをあげないようにしていました。
お金の管理があまり上手くなく、月初にお小遣いを使い切ってしまうことも多かったADHD息子。
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夏休みのある日…警察から電話が!?

そんな息子が中2の夏休みのある日……普段通りに過ごしていると夕方警察から電話がかかってきたのです。
「息子さんが○○駅で不正乗車をしたので○○署で補導しました」
不正乗車!補導!?一瞬耳を疑いました、○○駅!?そこは地元ではなく遠く離れた都内の駅でした。そんな遠くに行っていたの!?
ADHD息子が夏休みのある日…夕方警察から「○○駅で息子さんを補導しました」と電話がかかってきたのです。
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私は大急ぎで支度をして息子が補導されている警察署に向かいました。少年課のドアを叩くと、息子と友人2人が刑事さんにお説教をされているところでした。

息子と友人は子ども運賃で電車に乗り、降りる際に音が鳴って職員に呼び止められました。年齢を確認され、不正乗車であると分かり、駅の事務室に入り警察に連絡が入ったということでした。(子ども用の切符で改札機を通るとピヨピヨと音が鳴るため、それで分かったそうです)3人は駅からパトカーに乗り、警察署へ…。私はひたすら謝りました。保護者の教育や管理が至らないことで起きたことであると、私も刑事さんに注意を受けました。
警察署ではADHD息子とその友達が保護されていました。保護者の教育や管理が至らないことで起きたことであると、私も刑事さんに注意を受けました。
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夏休み期間中は地方から都内に遊びにくる中高生が多くいます。その中でも不正な乗車や無賃乗車があとを絶たず、鉄道員の方の業務が妨害されていることを知りました。

家庭で不正乗車は犯罪であることをよく教えるようにと促され、子どもと帰ることになりました。その足で迷惑をかけた駅の職員の方に謝罪に行きました。その間も駅の職員のみなさんの忙しそうな姿を見て本当に申し訳ない思いでした。そして同時に情けなさと悲しさでいっぱいになりました。

息子の気持ちとこれからについて

息子には「友達から誘われてもお金がないときは断る」こと、それに「電車を運営するのに莫大な経費がかかっていて一人ひとりの運賃がなければ走らせられない」のだというインフラの話をしながら帰りました。

息子の言い分としては「不正乗車はいけないことだと分かっていても、友達から誘われると断れなかった。僕も遊びに行きたいと思って、無理してでもついて行こうとしてしまった」「自分だけ行けなくなるのはとてもつらくて悲しくなった」とのことでした。

しかしパトカーに乗り警察署まで行ったことを恥ずかしく感じたようで、「もう絶対にやらない」と約束してくれました。その後は友人と遠くに遊びに行くときは電車賃分のお小遣いを前借りして遊びに行くようになったり、そもそもお金がないときは遠くに出かけずに、わが家に友人を呼んでゲームで遊ぶようにしたりして、遊び方を変えました。それ以降は警察にご迷惑になることはなくなって安心をしています。
その後、ADHD息子は友人と遠くに遊びに行くときは電車賃分のお小遣いを前借りして遊びに行くようになったり、そもそもお金がないときは遠くに出かけずに、わが家に友人を呼んでゲームで遊ぶようにしたりして、遊び方を変えました。
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(監修:井上先生より)
毎月渡すお小遣いをすぐに使ってしまう子や逆に全く使えない子など、上手にお金を管理するのは意外に難しいものです。かといって「その都度渡していくと際限なくお金を要求するようになるのでは」、「前借り可能にすると癖になるかも」など、親御さんも不安になられるのではないでしょうか。

一つの方法として、最初からお小遣いを月ごとに渡すよりは、週ごと、あるいは3日ごとなど小分けにして渡すことから始めたり、「おやつ」「ゲーム」など用途ごとに袋に入れて管理させるようにしたり、お小遣い帳のアプリなどを利用するなどの方法があります。年齢とスキルに応じて、本人が管理するお金の金額や用途を少しずつ増やしていけるとよいでしょう。
イラスト/かなしろにゃんこ。
エピソード参考/星野 真弓
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