1歳での障害告知「娘は話せるようにならないの?」落ち込んでいた母を支えたのは。娘が輝いて見えた保育園での出来事――発達ナビユーザー体験談

ライター:ユーザー体験談
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【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「障害告知」についてのエピソードをご紹介します】
先天性の重度障害がある娘。2歳になる少し前に大学病院で「一生意味のある言葉を話せるようにはならないでしょう」「歩けるようになるかも分かりません」と宣告された家族が、暗闇の中からどのように抜け出し、前向きに子育てできるようになったのかというエピソードです。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

「娘は話せるようにならないの?」娘に先天性の重度障害があると宣告されて

「一生意味のある言葉を話せるようにはならないでしょう」「歩けるようになるかも分かりません」大学病院で、娘に先天性の重度障害があると宣告されたのは、2歳になる少し前のことでした。

突然の診断に、母である私はなかなか受け入れることができませんでした。そのころの娘は、地域の保育園に通っていました。

障害が分かったころに思ったことの一つに「運動会に出るのが嫌だな」ということがありました。娘の通っていた保育園は、一人ひとりに見せ場をつくるとても素敵な運動会を行う園でした。それゆえに、上手く歩けるようになるかも分からない娘が、たくさんの保護者の前で見世物にされるような気持ちになってしまったからです。
障害がわかったころに思ったことの一つに「運動会に出るのが嫌だな」ということがありました。上手く歩けるようになるかもわからない娘が、たくさんの保護者の前で見世物にされるような気持ちになってしまったからです。
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保育園でのあたたかい対応。だんだんと心に変化が

そんな否定的な気持ちになっていた私ですが、障害が分かったあとも、保育園で分け隔てなくあたたかく育てていただいている中で少しずつ思いが変わってきました。

同じ疾患のお友達の中には「運動会に出ないでほしい」「遠足には連れていけない」と園から拒否されてしまうとか、幼稚園などでは「階段を一人で登れない子どもは受け入れられません」と入園自体拒否されてしまったという話しを聞くこともありましたが、娘の通っていた園は「どうすれば娘も一緒に参加できるか」を考えて遠足や宿泊学習の行き先も調整してくれました。

例えば、園では幼児クラスになると山登りに行くのが恒例でしたが、山道を歩くのが難しい娘のことを考えて、ケーブルカーのある山に行き先を変えてくれたので、車いすでも参加できました。クラスのお友達とは山頂で待ち合わせて一緒にお弁当を食べたり散策ができました。

睡眠障害があるので宿泊学習はいけないのではないか、と思っていたのですが「お母さんは付き添わないで大丈夫です」と断言され、安心して預けることができました。

時には、担任の先生の何気ない「娘には無理だろう」という考えが前提の行動に対して、ほかの保護者が保護者会で問題提起をするなど…ママ友たちにも恵まれました。

意味のある言葉は話せず喃語だけの娘に対し、仲良しのお友達は、娘が「ままままま」というと「ままままま」と逆模倣をしてくれ、なんだか楽しいらしく笑いあっていたりもしました。特別支援学校に入学後は、発語自体あまりしなくなってしまいましたので、保育園時代、逆模倣をしてくれるお友達に恵まれていたころが一番宇宙語を話していた気がします。
園では幼児クラスになると山登りに行くのが恒例でしたが、山道を歩くのが難しい重度障害のある娘のことを考えて、ケーブルカーのある山に行き先を変えてくれたので、車いすでも参加できました。クラスのお友達とは山頂で待合せて一緒にお弁当を食べたり散策ができました。
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数年前の気持ちが嘘のように。年長になった娘の運動会を見て

娘の障害が分かって4年、年長さんの運動会のときは、数年前に「運動会に出したくない」と思っていたことが嘘のように楽しみにしている私がいました。

リレーに出場するのは(歩行が安定しないので)難しい娘には、「白と赤のバトンを第1走者に渡す」係を与えてくれ、娘が渡したのを合図にリレーがスタートするという演出!

年長組の徒競走は100メートル走のコーナーありのコースなのですが、娘は特別に50メートル走の直線コースにしてもらい、(一度自分の回は走り終えたあと)一緒に走りたいと言ってくれたクラスメート数名と走り(歩き)、一緒にゴール。

観客の保護者からも園児からも盛大な拍手をもらい、ニコニコの娘の姿が輝いて見えました。
保育園の運動会、娘は特別に50メートル走の直線コースにしてもらい、(一度自分の回は走り終えたあと)一緒に走りたいと言ってくれたクラスメート数名と走り(歩き)、一緒にゴール。観客の保護者からも園児からも盛大な拍手をもらい、ニコニコの娘の姿が輝いて見えました。
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現在の気持ちと支えになった園長先生の言葉

今は、すっかり図太くなった私。

障害が分かってすぐのいちばん落ち込んでいた時期に、たくさんの人が支えてくれ、一緒に育ててくれたからこそ、闇におちることなくすぐに浮上し、ゆっくりだけど愛しい娘の成長を味わえるようになったのだと思います。

保育園の園長先生に言われた「一緒に育てていきたい」という言葉。勤務先の人事の人から言われた「私たちは〇〇さん(私)の応援団です」という言葉。そして、言葉だけでなく、行動でも実践し、支えてくれたこと。

その恩に報いるよう、これからも前向きに、そして人に役立つことをしながら生きていきたいな、と日々思っています。
保育園の園長先生に言われた「一緒に育てていきたい」という言葉。勤務先の人事の人から言われた<b>「私たちは〇〇さん(私)の応援団です」という言葉。そして、言葉だけでなく、行動でも実践し、支えてくれたこと。その恩に報いるよう、これからも前向きに、そして人に役立つことをしながら生きていきたいな、と日々思っています。
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イラスト/taeko
エピソード参考/あっきー
(監修:井上先生より)
医師から診断を告げられたことはとてもショックだったと思います。しかし、園の先生方を中心にさまざまな配慮や工夫の中で子どもさんの可能性を引き出してくれたことがクラスメイトの関わり方にも周りの保護者たちにもそして何より親御さんたちに前向きな気持ちと勇気を与えてくれたのだと感じました。子どもの障害をどう捉えるかによって周りの人たちが大きく変わっていくことを実感されてこられたのだと思います。
娘さんがクラスにおられたことが娘さん自身にも、そして周りの子どもたちにもお互いに大きな成長に繋がったのではないでしょうか。
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