数十回震えるのは「てんかん?疾患がある?」脳波、MRI、染色体、髄液検査まで。2歳自閉症息子との検査入院は大変だったけれど

ライター:みん
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Pの発達障害を疑い始めたときに、Pには何か基礎疾患が隠れていてそれが発達障害の原因にもつながっているのかもしれないと考えていた時期があり、念のために検査入院をすることになりました。今回はそのときの経験をお話ししたいと思います。

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「TOIRO」の制作スタッフ。

2歳ごろから突然の発作?不安になった私は…

2歳ごろ、Pには体を硬直させながら震えるという症状がありました。その震えは主に食事中や、楽しいとき、興奮しているときに現れ、最初の方は1日に数回だったのに、1日に数十回も震えが見られるようになったので、Pにはてんかんなどの基礎疾患があるのかもしれないと不安に思うようになりました。そして基礎疾患の何かが発達障害の原因にもつながっているのかもしれないと考えるようになりました。

私は、Pの発達について相談していた保健センターで医師に紹介状を書いてもらい、大きな病院の「小児神経科」を予約し、受診することにしました。予約の際に、「発作が起こっているときの動画が撮れたらできれば撮っておいたほうが分かりやすいし伝わりやすい」と聞いていたので、Pが震えているときの動画も撮って持って行きました。
まだ息子Pに知的障害を伴う自閉スペクトラム症の診断が確定していなかったころ、Pには発達障害のほかにも、てんかんや何かの病気があるかもしれないと母は考えていた。Pが体を硬直させて震えている様子を動画に撮影する母。
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初診で先生は、私たち親子の様子を見ただけで「これはこれはお母さん大変そうですね」と声をかけてくださいました。何故ならこのころのPは本当に手のかかる時期だったので、長い待ち時間の間にPから受けた引っ掻き傷と噛まれた痣とで私の顔、首、腕はボロボロでしたし、P自身も初めての病院、診察室、先生を見て泣き喚き暴れていたからです。

そんな中で先生は、私の話を一つひとつ丁寧に時間をかけて聞いてくれました。そしてPの震えているときの様子の動画を先生に見せると、先生はすぐ「これはてんかんの発作ではないですね…どちらかというと癖のようなもの(身震い発作)だと思います」と言ってくれたのですが、まだ未診断だったPの様子を少し見ただけでも、自閉スペクトラム症だけではなく知的障害の可能性があること、そして今までできていたはずのことができなくなるということは、ほかにも何か病気が隠れている可能性があるということを先生に指摘され、これらの理由から一応検査入院をするようにすすめられました。

てんかんなどの発作の可能性は低いとしても、知的障害の可能性やほかにも病気が隠れている可能性があると聞き、私は頭が真っ白になりました。そして入院スケジュールを聞くと、早くて3日間、長引くと5日間も入院しないといけないと説明され、Pは家で過ごすのも大変な状態なのに入院生活なんて耐えられるのか?ととても不安になりました。でも大きくなればなるほど入院や検査は大変になるので、まだ小さい2歳のうちに一気に検査しておいたほうが良いと言われたので、覚悟を決めて検査入院をすることにしました。
てんかん発作ではないと聞いて安心したが、ほかの病気が隠れていないか「小さいうちに調べておきましょう!」という医師。何日もかけて検査入院することになり、これから始まる入院生活を思い不安になる母。
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知的障害やほかの病気の可能性も指摘され、検査入院をすることになる

検査内容は、「脳波検査」「MRI」「髄液検査」「染色体(遺伝子)検査」の4つでした。
Pはまだ幼く、親の介助が必要なので私も24時間一緒に付き添う形になりました。
Pが受ける検査は動いてはいけない検査ばかりだったので、入院中はたくさんの薬や麻酔で何度も眠らされることになり、小さな身体へのストレスや負担がとても心配でしたが、Pの身体の中に隠れているかもしれない病気や原因を探すために必死でした。
障害の原因が遺伝子レベルで見つかる可能性があるので、染色体(遺伝子)検査も念のために受けましたが、これはかなりデリケートな検査になるので、検査前に夫と電話で話し合いました。夫婦ともに何か1つでも分かることがあるのなら…という気持ちで受けました。
入院して検査したのは「脳波」「MRI」「髄液」「染色体(遺伝子)」
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検査入院中は母子ともに本当に大変だった

入院中私は、自分の好きなタイミングで食事をとることも、トイレへ行くこともできず、狭い小児用ベッドでは添い寝もできないので、ゆっくり眠ることもできず、緊張から肩にずっと力が入っていました。でも、検査のために頑張っているPや、ほかにもさまざまな病気や障害と闘いながら入院生活をしている子どもたち、それを支えている先生や看護師さんたちを見ていると、泣きごとなんて言ってられない…という気持ちになり、一緒に入院生活を頑張ることができました。幸いにも個室で過ごせていたので、その環境はかなり救いになりました。そして検査もスムーズに済み、3泊で帰れることになりました。

全ての検査が終了したあと、一つずつ検査結果を聞きましたが、大きな病気や原因は今回の検査からは何も見つからず「基礎疾患はないでしょう」と先生に言っていただき、心からホッとしました。何か基礎疾患が隠れているかもしれないとずっと思っていたので、その不安から解放されたような気持ちでした。
「検査結果に問題はみられませんでした」とMRI画像を指し示しながら話す医師に「基礎疾患はなかったのですね」と安心する母。
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