「自分の障害についてもっと知りたい」就職した20才の自閉症娘が中学以来の「障害再告知」を望んだ意味

ライター:荒木まち子
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発達障害といってもその特性は人それぞれ。
本人への障害告知のタイミングや方法もいろいろですよね。
発達障害のある娘は、本人の希望で二度障害告知を受けました。これはそのときのお話です。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

本人への障害告知

以前コラムでも書きましたが、娘は中学2年生のときに主治医から障害の本人告知を受けています。
発達障害の娘が求めたのは「居場所」。中学時代、通常学級と特別支援学級で揺れた娘がたどり着いた、高校選びの基準【わが家の進路選択 Vol.5】のタイトル画像

発達障害の娘が求めたのは「居場所」。中学時代、通常学級と特別支援学級で揺れた娘がたどり着いた、高校選びの基準【わが家の進路選択 Vol.5】

告知は

・娘自身が「自分の障害について知りたい」と思った
・本人に“居場所”があり、精神的に落ち着いている
・告知後、支援者(学校関係者)のフォロー体制ができている

ことを医師が確認したうえで行われました。

そのおかげで娘は障害告知をポジティブに受けとめることができました。

障害告知から6年後に、再告知

その後、娘は高等特別支援学校を卒業し、特例子会社(※)に就職しました。そして20才になったある日、娘は再び私に「自分の診断名を知りたい」と言いました。私は娘に、中2のときに告知を受けているのになぜまた聞きたいのか尋ねました。

娘は「診断名は知ってるけど、自分の障害の詳しい種類と程度を知りたい」と言いました。

SNS上でも発達障害に関する情報や当事者として発信する人も多くなってきていましたし、娘もそういったものを見て何かしら思うところがあったのかもしれないと、このとき私は思いました。

(※)特例子会社は、「障害のある方の雇用の促進、そして安定を図るために設立された会社」のことです。
【参考】厚生労働省 特例子会社制度の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000523775.pdf
20才になり、「自分の障害名をもう一度聞きたい」という娘に驚く母。
Upload By 荒木まち子
娘は社会人になってからは一人で通院をしていました。何か親が医師に伝えたいことがあるときは、手紙を書き娘から医師に渡してもらっていました。私は医師に『娘が自分の障害名や障害の程度を知りたがっている』旨の手紙を書きました。医師は中学生のときから娘を診ているので娘のことはよく分かっています。二度目の告知は通常診療とは別枠で予約を取り、親同伴で行われることになりました。

一度目の告知のときは

前回の告知のときは、娘と親がそれぞれ感じている“本人の長所と短所”を事前に書き出しました。

・真面目で一生懸命。我慢強い
・常識を学び、言われたことは直したいと考え努力している
・ルーチンに強く、さぼらない
・興味や関心が深く狭い。技術や知識は多い
・自分から気持ちを伝えることは、落ち着いてるとできる
・会話は苦手で、相手の言葉に不安になることがある
・新しいことや状況の変化・変更に対して臨機応変に対応することが苦手


これらのことを一緒に振り返りながら医師が娘の『特性』を文字に起こして障害の説明をしました。
本人の理解力に合った言葉選びと文字を書きながらの説明は、視覚優位の娘にはとても有効な方法です。
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本を読みだすと周りが見えなくなるほど集中!読む本は様々で…

医師からは『これからどのようにして周りの人たちに助けを求めていくのが良いか』のアドバイスもありました。
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