人気漫画「リエゾン」監修・児童精神科医による保護者の心構え、科学的視点から見た発達障害、HSPブームの功罪を問う本やブロガーがつづる自閉症育児8年の軌跡など5冊を紹介

ライター:発達ナビBOOKガイド
人気漫画「リエゾン」監修・児童精神科医による保護者の心構え、科学的視点から見た発達障害、HSPブームの功罪を問う本やブロガーがつづる自閉症育児8年の軌跡など5冊を紹介のタイトル画像

2月の新刊コラムは、人気漫画「リエゾン」の監修をしている児童精神科医・三木崇弘先生による保護者の心構え、ブロガーがつづる自閉症育児8年の軌跡、新たな子ども家庭支援に向けたアセスメントのガイドブック、科学的視点から見た発達障害やHSPブームの功罪を問う本の計5冊をご紹介します。

目次

日々子育てに奮闘する保護者へのエールーー「リエゾン-こどものこころ診療所- 凸凹のためのおとなのこころがまえ」

リエゾン-こどものこころ診療所- 凸凹のためのおとなのこころがまえ
三木 崇弘 (著), ヨンチャン (著, 原著), 竹村 優作 (原著)
講談社
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リエゾン-こどものこころ診療所- 凸凹のためのおとなのこころがまえ
三木 崇弘 (著), ヨンチャン (著, 原著), 竹村 優作 (原著)
講談社
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本書は、累計120万部を突破し、2023年1月よりドラマ化された、児童精神科を舞台とする人気漫画『リエゾンーこどものこころ診療所ー』の監修を務める、児童精神科医の三木崇弘先生によりあらわされました。

発達障害によりあらわれるさまざまな特性をまとめて「凸凹」という言葉であらわし、凸凹がある子どもの子育てにおける「こころがまえ」として、凸凹に気づくタイミングや起こりうるさまざまな課題、悩み、それに対する対応や親のアンガーマネジメントのほか、不登校、コミュニケーションのつまづき、受験など学校や社会で子どもたちが直面するさまざまな悩みへの関わり方などについて、「リエゾン」で取り上げられている診療例のほか、三木先生ご自身の現場での経験から実例を交えながら、柔らかい語り口で解説されています。

発達ナビでもコラムの監修を担当されている三木先生は、本書の中で、日々子どもと向き合い、専門家のアドバイスを実践する立場にある保護者の方々が「一番えらい」とし、さまざまなアドバイスと優しい言葉でエールを送ってくださっています。子育てで不安になったとき、この本を手に取ってみてはいかがでしょうか。
初登場【児童精神科医 三木崇弘先生】「保護者の感情」はまるでお天気?子どもの安心のために心がけたいことのタイトル画像

初登場【児童精神科医 三木崇弘先生】「保護者の感情」はまるでお天気?子どもの安心のために心がけたいこと

悩みを分かち合いながら育児に向き合うーー「虹色の朝陽 -発達障害を持つ息子との8年間-」

虹色の朝陽 - 発達障害を持つ息子との8年間 -
中尾きみか (著)
主婦の友社
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虹色の朝陽 - 発達障害を持つ息子との8年間 -
中尾きみか (著)
主婦の友社
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この本では、著者である中尾きみかさんと、自閉スペクトラム症がある三男の朝陽くん、そしてそのご家族のエピソードがつづられています。「スペクトラム」はグラデーションのようなもの、という意味で「虹色の朝陽」という言葉が用いられています。もともと「虹色の朝陽」は、中尾さんがSNSを通して、発達障害育児についての悩みなどを発信し、フォロワーやリスナーとの交流を活発に行いながら、みんなで悩みを分かち合う場となっていました。そんなSNSを1冊の本にまとめたのが本書です。

朝陽くんが生まれたときのことから、発達に違和感を覚えるようになるまで、そこから実際に発達検査を受け診断に至るまでの出来事が、そのときの率直な思いと共に事細かに描かれています。それだけでなく、療育、手帳や手当、就学先、きょうだい児や親の関わり方など、気になるさまざまな話題について、中尾さんのご家族の場合はどのように対応してきたのかというエピソードも掲載されています。

発達障害がある子どもの子育てでは、さまざまな悩みにぶつかることがあるでしょう。そんなときにそれを吐き出せたり、共感しあえたり、励ましあえたりできる場所はとても重要です。今まさに直面している困難を乗り越えるためのヒントが得られるのではないでしょうか。

「HSPブーム」を改めて考えるーー「HSPブームの功罪を問う」

HSPブームの功罪を問う
飯村 周平 (著)
岩波書店
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HSPブームの功罪を問う
飯村 周平 (著)
岩波書店
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感受性の高い人を表す「HSP」という言葉は、今やテレビや本、SNSなどで幅広く取り扱われるようになり、ここ数年で一気に認知度が高まりました。しかし、HSPという言葉やその定義が、本来の意味を超える範囲で用いられていたり、「繊細さん」「生きづらい人」という誤った認識や根拠のない誤った情報が広まっていることに危惧が示されています。

本書の著者である飯村周平先生は、HSP研究の第一人者として、HSPの本来の意味や正しい知識を広めるため、昨年「HSPの心理学:科学的根拠から理解する「繊細さ」と「生きづらさ」」という書籍を著しました。続く本書では、「HSPブーム」の実情や「HSPブームの危険性」、「HSPブーム」をどのように考えるかということがテーマとして扱われています。

「生きづらさ」に名前がつくことの安心感から、広く使われるようになった「HSP」という言葉。しかし、それが「ブーム」となった背景には、どのような実情があり、それにより社会にはどのような影響が及ぼされているのでしょうか。HSPブームの中でさまざまな情報に惑わされないようにするためにも、この本と共に「HSPブーム」の実態と正しいHSPの理解を深めてみてはいかがでしょうか。
次ページ「これからの子ども家庭支援に向けたヒントを得るためにーー「学校―家庭―地域をつなぐ 子ども家庭支援アセスメントガイドブック」」

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