学校行事は「怖い」「イヤ」小6自閉症娘の見通し不安、無理強いで失敗も。「参加できた」自信を積み重ねるために…

ライター:よしだ
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わが家の長女ゆいは小学6年生。軽度知的障害、ASD、場面緘黙の診断が下りています。
今回は、とても不安が強いゆいのことをお話しさせていただきます。

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監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

学校行事で困る!

本人が一番つらそうにしているな…と感じるのは、学校行事で未知の場所に行くことです。家族旅行ではなんの困りごともないのですが、学校行事は不安でいっぱいになってしまうのです。

遠足・社会見学・修学旅行など、小学校にはたくさんの行事があり、新しい場所に行くことをワクワクして楽しみにしているお子さんも多いと思いますが、ゆいにとっては大きなストレスになっていて、楽しむどころではなさそうです。当日がせまってくるとどんどん元気がなくなり「怖い、嫌だ」と言うようになっていくのです。

つらそうなゆいを見ていて「こんなにつらいなら行事を休ませるのもアリかな」と思ったこともありました。けれど、ゆいには不安はあるけれど、行事に参加して友達と楽しみたいという気持ちもあるのです。なので、なるべく不安を取り除いて参加させる方針にしています。

小学3年生の遠足のとき、ゆいが不安がって登校するのを嫌がったことがありました。(そのときの私は、ゆいの障害や特性についてまだ知らなかったため、わがままを言っているのだと思い込み、無理やり登校させてしまいました。今思い返してみると、かわいそうなことをしてしまったな…と思います。)しかし、この出来事があったことで、徐々にゆいの不安な気持ちに向き合うようになりました。今では、少しでも安心して学校行事に参加できるように、ネットを使った「下見」をするようになったのです。
軽度知的障害、自閉症、場面緘黙のある娘は、未知の場所への不安が強く、校外学習などの行事がせまってくるとどんどん元気がなくなり「怖い、嫌だ」と言うようになっていく。
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お役立ちのアプリ

まずは施設のWebサイトを確認します。施設の画像やフロアガイドで全体像を把握できるようゆいに見せています。そのほかSNSなどにいろんな方が投稿されている施設の画像も、ユーザー目線で分かりやすくとてもありがたいです。とくに詳細画像でなくても、ゆい本人にとっては見るだけで安心材料になっています。また、徒歩圏内の施設だと地図アプリで行き方を確認したり、実際に行ってみたりもします。
軽度知的障害、自閉症、場面緘黙のある娘の不安を軽減するため、初めての場所に行く前にはWebサイトやSNS、地図アプリなどを使って「下見」をするようにしている。
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遊園地の楽しみ方

ゆいと小さいころに遊園地に行ったことを思い返すと、屋内のアトラクションを怖がる傾向にありました。当時は「入口が暗いから怖いのかな?まだ幼いし、そりゃ怖いよね」と思っていたのですが、暗いことが怖いのではなく、中で一体何が行われるのか分からないことが怖かったのかもしれません。屋外のアトラクションなどは、これから先の流れが一目瞭然なので安心して乗ることができていました。

また、テーマパークによっては、ゆいのように不安が強い人たちをサポートする冊子が準備されている場合があります。この冊子には全てのアトラクションの写真と、大きな音が鳴る・フラッシュがたかれるなど効果の説明が載っています。いわゆるネタバレになってしまうのですが、ゆいのように、何が行われるか分からないことで不安を強く感じてしまう子どもでも、アトラクションが楽しめるよい配慮だなとうれしく思っています。
テーマパークによっては、不安が強い人たちをサポートする冊子が準備されている場合がある。アトラクションについて紹介する冊子を見ながら「少し水がかかるんだって」と言う母に「これなら乗ってみようかな」という軽度知的障害、自閉症、場面緘黙のある娘。
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