子どもはみんな「かまってちゃん」!?私が考える発達障害、定型発達の子どもがいるクラス運営のコツ
ライター:立石美津子
私は長年、幼稚園や保育園でひらがなやカタカナなどを教える先生として、幼い子どもたちに接しています。
クラスの中には発達障害がある子どももいます。私の22歳の息子にも自閉スペクトラム症があるので、ついつい、発達に課題のある子どもに意識が向いてしまいます。
監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。
1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。
発達障害のある子どもだけにスポットが当たってしまうと、クラス運営がうまくいかない?
私は長年、幼稚園や保育園でひらがなやカタカナなどを教える先生として、幼い子どもたちに接しています。クラスの中には発達障害がある子どももいます。
私の22歳の息子にも自閉スペクトラム症があるので、ついつい、発達に課題のある子どもに意識が向いてしまいます。
私の22歳の息子にも自閉スペクトラム症があるので、ついつい、発達に課題のある子どもに意識が向いてしまいます。
けれども、発達障害のある子どもだけにスポットが当たってしまうと、定型発達の子どもたちが放っておかれる状況になり、クラス運営がうまくいかなくなることもあります。
なぜ、うまくいかないのでしょうか。それは、子どもたちはみんな、「先生に構ってほしい」「自分だけを見てほしい」と思っているからだと感じています。
例えば次のようなことがありました。
なぜ、うまくいかないのでしょうか。それは、子どもたちはみんな、「先生に構ってほしい」「自分だけを見てほしい」と思っているからだと感じています。
例えば次のようなことがありました。
先生の役に立とうと必死
指導中、(子どもたちは着席していなくてはならない状況で)私がホワイトボードのペンを落としてしまったところ、子どもの一人が拾いにきました。
「ありがとう。○○ちゃん」と言ってしまうと、子どもたちは「次に立石先生が何かを落とさないか」と必死に見るようになります。自分も先生の役に立って認めてもらい、みんなの前でほめてもらい、注目してもらいたいからです。
ですから、私はホワイドボードのペンを落として、それを子どもが拾ってくれたとしても、「ありがとう」とは言いますが、そのあとに「でも、先生は自分で拾うから席に座っていていいよ」と、必ず言うようにしています。
ですから、私はホワイドボードのペンを落として、それを子どもが拾ってくれたとしても、「ありがとう」とは言いますが、そのあとに「でも、先生は自分で拾うから席に座っていていいよ」と、必ず言うようにしています。
わざと悪い行動をする
発達障害のある子どもは、サポートが必要なことも多くあります。そのため、私の意識が、発達障害がある子どもに向いてしまっているとき、定型発達の子どもも、わざと鉛筆を落としたり、机をガタガタさせたりすることがあります。
これは、「そっちばかり行かないで、自分のところにも来て~来て~」のSOSを出しているのではないでしょうか。
これは、「そっちばかり行かないで、自分のところにも来て~来て~」のSOSを出しているのではないでしょうか。
発達障害のある子ばかりに私の気持ちが向いていると、「先生の役に立ってお手柄を見せて褒めてもらいたい」と思っているのか、定型発達の子どもが「チクリ魔」になってしまい、「立石先生、○○君が席を立とうとしています」とか「○○君がいじわるしています」と言いにくることがあります。
そんなときは「それを気にするのは先生のお仕事なので、みんなは先生のお仕事をとらないでね」と言うようにしています。
そんなときは「それを気にするのは先生のお仕事なので、みんなは先生のお仕事をとらないでね」と言うようにしています。