チクリ魔になる
家で、親御さんに次のように訴えた子どもがいました。
「○○君は椅子に座ってるだけで褒められる。そんなことくらいで褒められてズルい!」
「どうしてあの子だけ教室を歩きまわっても叱られないんだ?」
「私が同じことをしたら、先生は叱るのに太郎君が同じことをしても、叱られない。えこひいき」
私は次のように伝えました。
「走るのが速い子も遅い子もいるよね、給食をお替りする子も全部食べられない子もいるよね。それと同じで、椅子に座ってじっと話を聞くのが上手な子もいるし、動いていることの方が得意な子もいます。できないのではなくて、できることが違うだけです。
そのことをしっかりとみんなには頭にいれてほしいです。先生はそれぞれの違いに合わせて、言葉をかけています。○○君だけ許されてずるい、と考えないようにしてほしいです」
それ以降、「えこひいき先生」と言われることはなくなりました。
「○○君は椅子に座ってるだけで褒められる。そんなことくらいで褒められてズルい!」
「どうしてあの子だけ教室を歩きまわっても叱られないんだ?」
「私が同じことをしたら、先生は叱るのに太郎君が同じことをしても、叱られない。えこひいき」
私は次のように伝えました。
「走るのが速い子も遅い子もいるよね、給食をお替りする子も全部食べられない子もいるよね。それと同じで、椅子に座ってじっと話を聞くのが上手な子もいるし、動いていることの方が得意な子もいます。できないのではなくて、できることが違うだけです。
そのことをしっかりとみんなには頭にいれてほしいです。先生はそれぞれの違いに合わせて、言葉をかけています。○○君だけ許されてずるい、と考えないようにしてほしいです」
それ以降、「えこひいき先生」と言われることはなくなりました。
子どもはみんな「かまってちゃん」褒めポイントを変える
前記のようなことにならないようにするには…
発達障害のある子どもに特別な対応をする場合、定型発達の子どもたちにもそれぞれの褒めポイントを見つけるようにします。
これは学習面や態度だけではなく
・給食をおかわりする
・寝癖がついていない
・誰よりも早く学校に到着している
・蝉とりがうまい
・風邪をあまりひかない
・砂場で泥団子を上手につくれる
5歳だからこれくらいできて当たり前、4歳の基準はこうであってほしいという一定の基準で褒めたり叱ったりするのではなく、定型発達児であっても発達障害のある子どもへの対応と同じように、一人ひとりの褒めポイントを変えるのです。
このことにより、保育中や指導中に発達障害のある子どもへ私の意識が向く場面が多くなっても、定型発達の子どもたちは「僕も、私も決して先生に私の存在を忘れられていない」と感じ、安定するようになりました。
発達障害のある子どもに特別な対応をする場合、定型発達の子どもたちにもそれぞれの褒めポイントを見つけるようにします。
これは学習面や態度だけではなく
・給食をおかわりする
・寝癖がついていない
・誰よりも早く学校に到着している
・蝉とりがうまい
・風邪をあまりひかない
・砂場で泥団子を上手につくれる
5歳だからこれくらいできて当たり前、4歳の基準はこうであってほしいという一定の基準で褒めたり叱ったりするのではなく、定型発達児であっても発達障害のある子どもへの対応と同じように、一人ひとりの褒めポイントを変えるのです。
このことにより、保育中や指導中に発達障害のある子どもへ私の意識が向く場面が多くなっても、定型発達の子どもたちは「僕も、私も決して先生に私の存在を忘れられていない」と感じ、安定するようになりました。
定型発達のきょうだいへも同じ
家庭で定型発達のきょうだいがいるときも、同様だと思います。
どうしても、障害がある子どもにばかり手をかけることが多く、「あなたはできて当たり前」と定型発達のきょうだいに対応してしまうこともあるでしょう。でも、きょうだいもまだ子ども、親にかまってほしいのです。
「いつも我慢していることをお母さんはちゃんと分かってるよ。偉いね」など褒めポイントを変えたり、定型発達の子どもだけと遊ぶ時間を毎日どこかで作ったり、週末、定型発達の子と親だけで出かける時間を設けたり、「あなたのことも決して忘れている訳ではないんだよ。大切に思っているんだよ」ということを体験させるとよいと思います。
子どもはまだ生まれて数年、みんな「かまってちゃん」ということを忘れてはならないと感じています。
執筆/立石美津子
どうしても、障害がある子どもにばかり手をかけることが多く、「あなたはできて当たり前」と定型発達のきょうだいに対応してしまうこともあるでしょう。でも、きょうだいもまだ子ども、親にかまってほしいのです。
「いつも我慢していることをお母さんはちゃんと分かってるよ。偉いね」など褒めポイントを変えたり、定型発達の子どもだけと遊ぶ時間を毎日どこかで作ったり、週末、定型発達の子と親だけで出かける時間を設けたり、「あなたのことも決して忘れている訳ではないんだよ。大切に思っているんだよ」ということを体験させるとよいと思います。
子どもはまだ生まれて数年、みんな「かまってちゃん」ということを忘れてはならないと感じています。
執筆/立石美津子
(監修・鈴木先生より)
ASDのお子さんは、先生が呼ぶときに「みんなおいで」では通じづらく、本人の名前も呼んであげないと通じないことが多々あります。何ができないかではなく、何ができるかに注目することはASDだけではなく、身体障がいのあるお子さんにも通じることです。
障がいのあるお子さんのきょうだいには外来でいつも気遣っています。とかく障がいのあるお子さんにばかり目が行ってしまい、きょうだいへの扱いが疎かになってしまう傾向があるからです。
障がいのあるお子さんが入院したり、外来通院したりで母親が取られてしまって結果そのきょうだいが心身症になってしまうケースも多々経験しています。
本当はもっと甘えたいのに我慢しているきょうだいへの気遣いも子育ての中では重要なのです。
ASDのお子さんは、先生が呼ぶときに「みんなおいで」では通じづらく、本人の名前も呼んであげないと通じないことが多々あります。何ができないかではなく、何ができるかに注目することはASDだけではなく、身体障がいのあるお子さんにも通じることです。
障がいのあるお子さんのきょうだいには外来でいつも気遣っています。とかく障がいのあるお子さんにばかり目が行ってしまい、きょうだいへの扱いが疎かになってしまう傾向があるからです。
障がいのあるお子さんが入院したり、外来通院したりで母親が取られてしまって結果そのきょうだいが心身症になってしまうケースも多々経験しています。
本当はもっと甘えたいのに我慢しているきょうだいへの気遣いも子育ての中では重要なのです。
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コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。

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