「不登校」はマイナスばかりではない!処方箋的一冊、ほそかわてんてん作の福音館創作童話、「女性の発達障害」や生きるのがラクになる「話し方」など、注目の5冊をご紹介!

ライター:発達ナビBOOKガイド
「不登校」はマイナスばかりではない!処方箋的一冊、ほそかわてんてん作の福音館創作童話、「女性の発達障害」や生きるのがラクになる「話し方」など、注目の5冊をご紹介!のタイトル画像

5月の新刊コラムでは、不登校の子どもとその保護者に向けた「不登校の歩き方」、初めての学校生活で不安を感じる子どもの気持ちに寄り添う「がっこうのてんこちゃん」、女性の発達障害の困りごとに向き合う本や、コミュニケーションスキルの解説を読みやすくマンガ化した本、支援者向けペアレント・トレーニングの実施マニュアルなど注目の5冊をご紹介!

不登校の歩き方は一人ひとりにある。1万人の当事者、親たちの言葉と語りーー『不登校の歩き方』

不登校の歩き方
荒井 裕司 (著), 小林 正幸 (監修)
主婦の友社
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不登校の歩き方
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少子化が進むなかでも不登校の小中学生は毎年増え続け、文部科学省によると2022年には全国で24万人、コロナ禍の自主休校など潜在的な不登校をあわせると30万人になると言われています。本書は、1万人を超える、不登校を経験した子どもたちや保護者の語りの記録から生まれ、不登校の悩みと質問に加え専門家のアドバイスがこの一冊に詰まっています。

本書では、不登校に対する基本的な考え方や関わり方、子どもをより深く理解するためのヒント、昼夜逆転やネット・ゲーム依存への対応、きょうだいへの配慮、学校とのつきあい方、発達障害と不登校、進路問題など、多岐にわたる内容が取り上げられています。

不登校は子どもからのSOSかもしれません。親は「不登校になってしまった」という言い方をする場面もありますが、これを「不登校になることができる」と考えてみると、子どもの見方も少し変わってくることも。親にとって不登校は困ったことかもしれませんが、子どもにとってはプラスの面もあると本書では書かれています。

本書は、不登校で傷ついた子どもたち、そして、わが子と共に傷つき、悩み苦しみ疲れはてた親にとって「あわてない、せかさない、くらべない」ための処方箋のような一冊になるのではないでしょうか。

子どもの心に寄り添う、ゆかいでホッとするお話ーー『がっこうのてんこちゃん はじめてばかりでどうしよう!の巻』

がっこうのてんこちゃん はじめてばかりでどうしよう! の巻
ほそかわ てんてん (著)
福音館書店
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ほそかわ てんてん (著)
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この春、新1年生として小学校に通い始めている子どもたちもたくさんいることでしょう。授業や給食、クラスメイトなど、初めてのことだらけの学校生活。楽しい気持ちと同じくらい、不安やドキドキを毎日感じているのではないでしょうか。

本書は『ツレがうつになりまして』の著者、漫画家・イラストレーターのほそかわてんてんさんが、そんな子どもたちに寄り添うお話をユーモラスな絵と文で綴った一冊です。

本の主人公「てんこちゃん」は、初めてのことがとっても苦手。学校が始まり、クラス全員の前で自己紹介をすることになりましたが、緊張して何も言えなくなってしまうエピソードのほか、お弁当や遠足のお話などが全部で5話入っています。

初めての学校で、誰もが経験する不安を「てんこちゃん」が少しずつ乗り越えていく姿を描いた本書は子どもたちの心に寄り添い、安心感を与えてくれることでしょう。絵と文が一体化しているので読みやすく、親子での読み聞かせはもちろん、子どもが自分で読むファーストブックにもおすすめです。

日常生活、職場での困りごとに対する対処法が盛りだくさんーー『女性の発達障害 困りごとにどう向き合うか』

女性の発達障害 困りごとにどう向き合うか
司馬 理英子 (監修)
講談社
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発達障害は、男性よりも女性の方が症状が目立ちにくいことから、診断が遅れたり、診断されないまま成人してしまう人も多いと言われています。特に女性は、家事や育児など、家庭内での役割を任されることがまだまだ多い社会であり、その中で特有の負担、生きづらさを感じることも少なくないと考えられています。本書では、そんな発達障害がある女性たちが抱える悩みや生きづらさについて、具体的なアドバイスが提供されています。

特に、「女性なのに」という視線、社会で求められる女性像とのギャップが、発達障害がある女性たちを苦しめることもあります。本書では、発達障害の基礎知識から始まり、家事、買い物、恋愛、人間関係など、日常生活、職場での困りごとや発生しやすいトラブルに対する具体的な対処法が紹介されています。

この本の最終章では、自分をいたわり、自己肯定感を高める方法についても言及されています。あらゆる状況に対する具体的な対処法を知っていても、日常的に自分を責めてしまう癖があったり、リフレッシュ方法を知らなかったりすると、根本的な生きづらさは解消されないままになってしまうかもしれません。自分自身の心身の状況に向き合い受け入れることが、生きづらさをやわらげるための第一歩になるのではないでしょうか。本書は、当事者だけでなく、その家族、支援者などにもおすすめの一冊です。
次ページ「具体的な改善策をーー『マンガでわかる!「わたし、発達障害かも?」生きるのがラクになる「話し方」あります』」

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