発達凸凹次男、大学で初の合理的配慮を申請。順調に迎えた夏休み、今度は自動車教習所で家族を巻き込んでの大波乱!?

ライター:ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
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わが家は10人家族です。家族全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。
次男ウッシーヤは専門学校を卒業し、高卒認定試験をパスしました。次は大学入試です。念願の保育士資格の取得をめざして受験することになりました。
(今回のイラストは長女ニャーイが担当しました!)

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監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。 現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。

受験時に大学での合理的配慮を申請

療育施設や高校の先生方からのサポートを受け、大学受験に臨む次男
療育施設の支援員さんや高校の学園長からのサポート
Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
わが家は母である私・ワッシーナを筆頭に、家族全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。
次男ウッシーヤは専門学校を卒業し、高卒認定試験をパスしました。次は大学入試です。念願の保育士資格の取得を目指して受験することになりました。

ウッシーヤがお世話になったインターナショナルスクールの学園長から推薦状と合理的配慮を申請する手紙を受けとり、長年お世話になっている療育施設へ夫ラクマといっしょに相談に行きました。わが家では、いまも定期的にこちらの施設へ相談しています。

療育施設の支援員さんから、県が発行している「サポートブック」の活用をすすめられ、学校で合理的配慮を受ける際の具体的な記入方法を教わりました。私は「サポートブック」の存在を知っていましたが、改めてその存在を確認して記入方法を教わるのに、ベストなタイミングでした。

受験の申請のときには、「サポートブック」に加えて要望書を提出しました。要望書には、家庭内での工夫を学内でも希望すること、別室での定期テストの受験を認めてほしいこと、耳せんを活用したいことなどを書きました。

その後、ウッシーヤは大学合格を果たしたので、夫と本人と3人で入学式に参加しました。式のあとで、ウッシーヤのクラスを担当する教授から声をかけていただき、大学での合理的配慮のサポート体制の説明を受けることになりました。

大学の教職員のチームで支援を受ける

大学の入学式が終わった後、担当教授から次男への合理的配慮のサポート体制の紹介を受ける
入学式の後、大学の支援チームとの初会合
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会議室に入ると学生課の職員や教科担任の先生が待っており、全部で6人くらいいました。それぞれから紹介を受け、各部門の担当者でチームをつくって支援体制を整えるという説明を受け、とても感激しました。
このような合理的配慮は、開学以来初めての試みだとも言われ、息子の後輩のためにもよい実績にならなくてはと、身のひきしまる思いをしました。

講義が始まると、担当の先生から事前にメールで授業のレジュメが届き、自宅で予習ができました。また別室での試験や耳せんなどの工夫もすべて認められました。また、学内で必要な支援について、ウッシーヤ本人が説明する機会をいただき、先生方に理解してもらえたことで、事前にしっかり練習して講義や実習に取り組むことができました。

さらに、クラスの中でのサポートもしてくれており、担任教授が毎週ランチ会を行ってくれました。毎月本人との面談を実施し、どんなことで困っているのかを確認して、保護者宛にメールで連絡してくれました。私も、家庭で効果のある工夫を学校側とシェアしました。

入学前はウッシーヤが講義についていけるか心配していましたが、このようなしっかりとした体制で支援していただき、想像以上のよい成績を収めることができました。

自動車の運転免許取得を決める

教習所に行っていなかったことを母が問い詰めると、次男はパニックを起こした挙句に逆ギレしてしまう。「叱りすぎたぁ」と反省する母
次男がパニック後に逆キレ
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1年次の前期の講義が順調に進んだので、夏休みを利用して自動車の運転免許を取得するために自動車教習所に通うことになりました。先に運転免許の取得にチャレンジした長女ニャーイは3回教習の期限切れをおこしてしまい、結局、運転免許の取得に10年かかりました。ウッシーヤはスポーツが極端に苦手だし、不器用なところがあるし、左右をよく間違えるので、自動車の運転をさせるうえで大きな不安がありました。でも、電車のない沖縄では、運転免許を取得することは就労の備えとして必須なのです。先々の不安はありますが、とにかくやらせてみなければ結果は分かりませんのでチャレンジさせることにしました。

それからしばらく経ったある日、教習所に通っているはずのウッシーヤの様子が、おかしいことに気がつきました。受講している講義の内容や実技の過程のことを聞いても、返ってくる答えがあいまいでつじつまが合わないのです。強く問いつめると、教習所にはまるっきり通っていないということが分かり、私はパニックになってしまいました。
私はパニックになると相手を追いこみすぎてしまうことがあります。厳しい言葉を投げかけているうちにウッシーヤが過呼吸を起こしてしまったので、私は我にかえりました。発達凸凹タイプを追いこむのは逆効果であると思いだしたからです。

パニックになったウッシーヤは逆ギレしてしまい、自動運転が普及するまで運転免許は取らないと言いだす始末です。なんと支援のやりとりのさじ加減が難しい子でしょう。
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