てんやわんやの自動車運転免許取得の支援

学科試験の対策は父、送迎支援は母と、家族総出で次男をサポートする
家族総出で役割分担し、送迎、試験・本免対策
Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
しばらく間をおいてウッシーヤを休ませたあと、家族で話し合いの場を持ち説得を始めました。運転免許を取るメリットをたくさんならべて、先の見通しを伝えたのです。

免許を取った後にドライブで行けそうな彼の大好きな花のテーマパークや海や森の自然風景をたっぷり見せて、車を運転する楽しさをイメージさせたのです。この成功体験の先取りイメージ・トレーニングは、ウッシーヤにとっての安全基地なのです。教習所に通う前にすべきことでした。

なんとか運転免許を取りに行く気になってきたウッシーヤの支援のために、家族全体で役割分担をしました。教習所への送迎や講義の予約手続き、試験勉強や路上試験対策のための練習にも付き添いを行いました。

学科試験は○×式なので、あてずっぽうに回答しても半分くらいは点数が取れるはずなのに、ウッシーヤは指導員が「こんなひどい点は初めて見る」というくらい成績が悪いのです。間違えたところを「この問いは、どういう意味だと思うの?」というふうに解きほぐす感じで確認していきました。すると、とんでもない思い違いをしていることが次々に分かりました。

例えば、「高速道路では、どんな場合でも最低速度に達しない速度で運転してはならない」という問題があるとします。これは「『渋滞時などやむを得ない場合は除く』ので、答えは×」という、よくあるひっかけ問題なのですが、ウッシーヤは「ルールには従わなければならない」という思い込みが強いので、この手の問題は必ずと言っていいほど答えを間違えてしまいます。

そして路上教習に出ると、今度は直線でスピードが出せず苦労していました。速度オーバーは事故のもとだと習うと過剰に萎縮してしまったようです。また「おおむね」とか「だいたい」という言葉の意味をしっかりと解釈できず、教官に「だいたい時速40㎞で走るように」と言われれば、そのスピードを常に出し続けなければいけないと感じていたようです。これは技能以前の認知の問題だと思います。

いろいろな苦労はありましたが、ウッシーヤは、教習期限残り0日、合格ラインちょうどの点数というギリギリのところで合格し、運転免許を取得しました。

その後のウッシーヤの自動車運転ライフは、今後のお楽しみにしておきます。
執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
(監修:室伏先生より)
大学受験、そして入学後のご家族と学校の先生方による具体的な支援内容、運転免許取得までの葛藤と乗り越えるための工夫について共有してくださり、ありがとうございました。ウッシーヤくんが大学でよい時間が過ごせるよう、受験前から準備されたのですね。また学校の先生方にもご家族の熱意が伝わり、素晴らしい配慮をしてくださったのですね。こういった合理的配慮が当たり前の社会になっていくとよいですね。
また、家族が一丸となってさまざまな工夫をして、運転免許を取得されたこと、素晴らしいですね。ウッシーヤくんにとっても、大きな自信になったのではないでしょうか。これまでの生活でもきっとたくさんの工夫をして、さまざまな困難を乗り越えられてきたのだと思います。そういった工夫や努力は、ご家族にとってもお子さんにとっても、今後に繋がる大切な経験、力となっていると思います。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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