発達障害の診断・検査方法は?診断・検査は受けるべき?発症年齢や検査・診断の方法を紹介します【専門家監修】
自分の子どもに発達障害があると思われる場合、いつごろからどこに診断を受けに行くべきでしょうか?また診断方法や診断の基準はどのようなものなのでしょうか?医療機関での詳しい診断方法や診断の流れなどをご紹介します。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
発達障害とは?
これらは互いに重なり合っている場合もあり、また知的障害(知的発達症)※2が併存する場合もあります。
※1…現在は「SLD(限局性学習症)」という診断名となっていますが、一般的には最新版DSM-5以前の診断名である「LD(学習障害/限局性学習症)」と呼ばれることが多くあるため、ここでは「LD(学習障害/限局性学習症)」と表記します。
※2…以前は「知的障害」との表記でしたが、DCM-5以降は「知的発達症」との表記となりました。ここでは一般的に使用されている「知的障害」と併記し「知的障害(知的発達症)」と記載しています。
発達障害とは?特徴・症状・分類や診断方法について【専門家監修】
発達障害の診断・検査は受けるべき?
身体の障害などと違い、発達障害はなかなか第三者から分かりにくいことがあり、「見えない障害」と呼ばれることもあります。発達障害の症状や特性、困りごとは一人ひとり違います。そして周りからは困りごとが見えにくいこと、また発達障害自体が日本で広く知られるようになったのもここ20年ほどであり、誤解されてしまったり理解を得られないこともあるのです。
ですが、専門機関に相談することで、それらの特性に気づき、早期にサポートをすることで困りごとが軽減できる場合もあります。持続的な支援のためには、検査や診断があった方が本人の状態がより専門的に把握でき、密な支援が受けられる場合があるのです。また、近年、発達障害者支援法をはじめ、さまざまな法や制度も整備されつつあり、診断や検査を受けることによってそれらの支援や治療法の幅が広がります。
本人の障害について理解し、困難に合わせた適切な支援につなげるために、検査や診断は有効な手段の一つだといえます。どのように診断・検査が行われるのか、以下でご説明します。
発達障害はいつ分かる?診断・検査の前の発症年齢は?
また、必ずしも医療機関による診断がなくても受けられる支援もありますし、検査やアセスメントを受けることで困りごとや特性が把握できることもあります。医療機関を受診するかどうかや、そのタイミングを決めるのは本人や保護者の判断となります。なんらかの症状や困りごとが現れていないか、早期に気づき相談・診断を受け、適切な支援を受けることで、二次障害などを予防しやすくなります。
発達障害は、その種類や症状にもよりますが、乳幼児期ごろに傾向が見え始めることが多いと言われています。3~4歳ごろには、保育園や幼稚園での集団生活も始まり、ことばやコミュニケーション面など、特徴的な行動や発達の遅れが目立ち始めます。地域の3歳児健診で指摘されたり、園から相談機関を紹介される場合もあります。乳児期のころであっても、表情が乏しさや視線の合いにくさ、集団の遊びができなかったり、言葉に遅れが見えるなどといった症状から、何らかの違和感に気づくこともあります。
また、LD(学習障害/限局性学習症)の場合は、読み書きや算数といった学習が始まってから症状が明らかになるため、就学前後の年齢になってから気づく場合がほとんどです。
乳幼児期は成長に従い症状や困りごとが軽減したり大きく変わりやすいこともあり、一度出た診断が見直されたり変わることもあります。以前よりは発達障害の認知度が上がったものの、症状が分かりにくい人もいて、支援の得られない状況で悪化したり、診断が遅くなったりすることがあります。周りが障害に気づかず、見逃されている場合も少なくありません。大人になってから初めて診断される場合もあります。
発達障害の診断・検査、医療機関での診断基準は?
発達障害の診断・検査方法
発達障害の症状は、先天的な脳機能障害が原因となって生じますが、その詳細なメカニズムや、なぜその脳機能障害が引き起こされるのかは遺伝的要因と環境要因が相互に影響して脳機能障害が起きると考えられており、まだはっきりとは解明されてはいません。また、発達障害の症状はさまざまであり、原因も多様であると考えられ、全ての人に当てはまる唯一の原因はないのではないかとも言われています。
このような中、現在の医学では妊娠中の羊水検査、血液検査、エコー写真などの出生前診断で判明することはありません。また、出生後も遺伝子検査や血液検査といった生理学的な検査では診断できません。今後も生理学的な検査方法を確立するのはかなり難しいとも言われています。また、症状の有無について、今のところ数値化された基準がありません。
そのため、医療機関で診断を受ける場合、現れる症状について医師が問診や行動観察を行い、次に、問診で得た情報をもとに、心理検査や発達検査などを行います。それらの結果から、『DSM-5』の診断基準を満たしているかどうか、また日常生活・社会生活に著しい不適応を起こしているかどうかなどを総合的にみて診断されます。
診断に際しては、その症状が一定期間以上持続することが条件となっているため、何度か検査や経過を見て診断されることもあります。
以下に具体的な検査法・診断方法をご紹介します。
発達障害の診断・検査方法
このような中、現在の医学では妊娠中の羊水検査、血液検査、エコー写真などの出生前診断で判明することはありません。また、出生後も遺伝子検査や血液検査といった生理学的な検査では診断できません。今後も生理学的な検査方法を確立するのはかなり難しいとも言われています。また、症状の有無について、今のところ数値化された基準がありません。
そのため、医療機関で診断を受ける場合、現れる症状について医師が問診や行動観察を行い、次に、問診で得た情報をもとに、心理検査や発達検査などを行います。それらの結果から、『DSM-5』や『ICD-10』などの診断基準を満たしているかどうか、また日常生活・社会生活に著しい不適応を起こしているかどうかなどを総合的にみて診断されます。
診断に際しては、その症状が一定期間以上持続することが条件となっているため、何度か検査や経過を見て診断されることもあります。
以下に具体的な検査法・診断方法をご紹介します。
問診・行動観察
■行動観察
遊びの空間で子どもを遊ばせ、それを注意深く観察することと保護者の方へのインタビューに基づいて行われます。
■生育歴
生まれてから今までの社会性や対人コミュニケーション、言葉の発達、幼稚園・保育園での様子や1歳半健診・3歳児健診での様子などをヒアリングします。発達面で知的障害(知的発達症)の疑いがありそうか、発達にどんな特性がありそうかなどを見立てていきます。
発達検査
発達検査にはさまざまな種類があり、検査ごとに検査結果の表現方法や評価の仕方が異なります。現在、日本では「新版K式発達検査」や「遠城寺式乳幼児分析的発達診断検査」などが使用されることが多い発達検査です。さらに詳しく特性を調べる場合や支援の方法を探りたい場合、このほかの発達検査が用いられることもあります。なお、発達検査だけで発達障害の診断が決まることはありません。
発達検査とは?発達障害の診断は出る?検査の種類、費用など【専門家監修】
合併する症状の診断や鑑別のための検査
■知能検査
知能検査は心理検査のひとつであり、精神年齢、IQ(知能指数)、知能偏差値などによって測定されます。一般的には、ウェクスラー式知能検査、田中ビネー知能検査などがよく使われています。知能検査を行うことで、発達障害と知的障害(知的発達症)の合併の有無を調べます。なお、知能検査の結果だけで、発達障害の診断が決まることはありません。
■脳波検査
発達障害の中にはてんかんとの合併リスクがあるものもあるため、場合によっては脳に器質的な疾患や以上がないかどうかCTやMRIをとったり脳波検査を行うことがあります。狭い空間に入るとパニックになってしまうお子さんもいるので、検査をする際には注意が必要です。なお、脳波検査に異常がないことが発達障害がないことを示すわけではありません。
■鑑別のための検査
発達障害の症状と似ている障害と見分けるため、遺伝子検査や血液検査、そのほかのさまざまな検査を行う場合があります。また、精神疾患との合併症の疑いがみられる方には精神病に関する検査を行う場合があります。
知能検査や発達検査などは児童発達支援センターや療育機関といった医療機関以外でも、検査を行っているところもあります。これらの検査だけでは確定診断は出ません。診断は、あくまで医師が問診やさまざまな検査結果から総合的に行います。
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発達障害の診断・検査をうけるには、どこへ行けばいいの?
発達障害かもしれないと思ったらたら、まずは相談機関へ
【子どもの場合】
・保健センター
・子育て支援センター
・児童発達支援事業所 など
【大人の場合】
・発達障害者支援センター
・障害者就業・生活支援センター
・相談支援事業所 など
自宅の近くに相談センターがない場合には、電話での相談にものってくれることもあります。まず身近な相談センターに行って、より専門的な相談や受診の必要があればそこから専門医を紹介してもらいましょう。
診断が受けられる医療機関は?
小児科・児童精神科・小児神経科や発達外来などで受けることができます。たいていは大学病院や総合病院などで診断できます。子どもが通い慣れているかかりつけの個人病院で「発達相談」と記載があれば、まずは相談に行ってみても良いでしょう。
【大人の場合】
大人になって検査・診断を初めて受ける場合には、精神科や心療内科、発達障害専門の医療機関を受診することが一般的です。児童精神科・小児神経科の中にも大人を見てくれるところもあります。地域にもよりますが大人の発達障害を診断できる病院はまだ数が多くありません。問い合わせてみたり、上記の相談機関で紹介してもらったりするとよいでしょう。
発達障害の専門機関はほかの病気に比べると少ないですが、発達障害者支援法などの施行によって年々増加はしています。以下のリンクは発達障害の診療を行える医師の一覧です。
診断に必要な持ち物は?
診断に必要な準備や持ち物
以下は子どもの場合、問診の際にあるとよい資料になります。
・母子手帳
・成績表(通信簿)
・保育園や幼稚園時代の連絡ノートなど
・学校のプリント・ノートなど ※LD(学習障害/限局性学習症)の疑いのある場合
受診の際には保険証を持参します。問診票の記入が必要な場合もありますので、持ち物や準備は事前に受診する医療機関に確認しましょう。
まとめ
また、うまくいかないことが続いたときに、叱咤・非難されるようなことが多ければ、自尊心を失ったり、やる気がなくなることで、本来できていたことも困難になってしまいます。これらを避けるためにもなるべく早めに対応法を考えたいものです。
適切な治療やサポートを受けられない場合、思春期以降、上で述べたような発達障害の主症状とは異なる症状や状態を引き起こしてしまうことがあります。このような症状や状態を、一般的に併存症や二次障害と言うことがあります。
併存症や二次障害が現れた場合には、それらに対する治療を行うことが必要となります。また、このような症状を引き起こさないためにも、発達障害の早期発見と、早期からの対処が理想です。
相談機関では、その行動の理解や対処法を教えてもらったり、必要に応じて専門機関や医療機関を紹介してもらったりすることも可能です。
専門機関や医療機関では専門家の検査や診断を通じてお子さんの症状や特性、困りごとをより客観的に知ることができます。これらの情報をもとにお子さんに合った対応をすることで、お子さんの能力をより発揮させ、自信を高めることにもつながります。最初は不安もたくさんあると思いますが、一歩ずつ歩んでいきましょう。
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