発達凸凹きょうだいとの帰省は大変のオンパレード!こだわり、多動で到着前から疲弊…「実家でのんびり」は夢のまた夢だけど

ライター:海乃けだま
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わが家はいつもお盆休み中に私の実家(他県)に2~3泊するのですが、ADHDのあるなんでも好奇心旺盛な娘はもちろん、ASDのある息子も実家に行くことを毎回とても楽しみにしています。そんな帰省ですが、発達凸凹さんならでは(?)の問題はやはり発生します。今回はそんな実家帰省のお話をさせていただきます。

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「TOIRO」の制作スタッフ。

実家に着く前にどっと疲れる車移動。

お盆休みに入ると、私の実家に2〜3泊帰省するわが家。実家は大人にとってはそこまで遠くない"車で2〜3時間の距離"ですが、子どもにとっては長く感じるものです。子どもたちが飽きないようにDVDや歌を流したり、家から持参したぬいぐるみやおもちゃで遊んだりしますが…やはり車に小一時間も乗っていると「もう着く??まだー??」と後部座席の子どもたちが騒ぎ出します(私も後部座席に乗れればいいのですが…もともと車酔いがひどく、産後はさらに拍車がかかって今では助手席しか乗れません)。

こだわり強めなASDのある息子(5歳)は、トイレとお昼休憩がてらサービスエリアに寄るときも「ここじゃない!(実家と違う)」と降車拒否します。なんとかなだめてお昼ごはんを食べに行っても、今度は車に戻ろうとすると「疲れた。もう車乗らない!」と言い出す息子(まぁ…確かに。つまらんよなぁ…車移動。でも乗らんと永遠に着かへんで…?)。
ぐずる息子を遊ぶところのないサービスエリアで10~20分散歩してなだめて、なんとか車に乗り込みます(特に炎天下なお盆休み中はほんとキツい…)。
車で2~3時間の実家への帰省。車内では、子どもたちが「まだ着かないの?」と大ブーイング。途中休憩で立ち寄るサービスエリアでは、ASDのある長男が「(祖父母の家は)ここじゃない!」と降車拒否。いざ出発しようとすると、今度は「車に乗らない!」というので、仕方なく長男とサービスエリアを散歩する。「早く行こうや―」とげんなりする母
実家への帰省は出発から大変のオンパレード!
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過去に子どもがドライブに飽きたときの対策で、何度か遊び場の付属するサービスエリアに行ったことがあるのですが、遊び疲れて帰省途中の車内で爆睡し、実家に着いてから覚醒して夜中まで起きているという"大人が瀕死になる"スケジュールとなってしまったので、あえて遊び場のないところに行くようにしています。

私と子どもたち、実家に着いて真っ先にすることは…

やっと実家に着いたところで、まずADHDのある娘(4歳)は、ひたすら家の中を走りまわります!!
私の両親は孫たちと普段頻繁に会うことがないので、やはり実家には安全対策の甘い箇所がかなりあります。ガラス戸が自由に開閉できたり(息子は扉の開け閉めが大好きです)、仏壇の蝋燭やマッチ、お線香立て(香炉灰)が出しっぱなしだったり、手の届く高さにハサミやペーパーナイフが置いてあったり・・・。
特にリビングに入る扉は閉まるときにゆっくりになる構造ではないため、子どもの力でも容易に「バタンッッ」と勢いよく閉まります。今まで幾度となく多動な娘が挟まれそうになったり、蝶番で指を挟みそうになったり…実家に着いてホッとする間もなく、私は実家の安全対策に追われます…。
次にASDのある息子は、祖父母への挨拶などスルーして実家にある"あるもの"を真っ先に取りに行きます。"あるもの"…それは、小さな卓上専用ゴミ箱です(ゴミ箱かーい!)。
なぜそんなにもそのゴミ箱に魅了されているのか、親の私もさっぱり分からないのですが(笑)毎度必ずそれを取りに行きます。あまりゴミ箱に触ってほしくはないので、一度、母(息子にとっては祖母)に頼んで隠しておいてもらったこともあるのですが、そしたら息子は「ここに置いてあったやつー!ない!!」とすこぶる不機嫌に。今では祖母が折れて、卓上ゴミ箱はゴミを入れずに息子用のおもちゃとして保管されています(笑)。
ひたすら実家の中を走りまわるADHDのある娘(4歳)と、なぜか小さな卓上ゴミ箱にこだわるASDの息子。実家に到着し、休む間もなく安全対策に追われる母
実家に到着し、休む間もなく安全対策に追われる
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…あ、夫ですか?夫は着替えやおもちゃなど、家から持ってきた荷物を家の中に運ぶ作業を1人で任されてます(ごめんね)。
ちなみに、私の両親にも、孫たちの診断については話してあるのですが…実母は良くも悪くも干渉しないタイプなので、息子の発達に遅れがあることについて伝えたときも「そう?これくらい心配ないんちゃう?」という感じでした。実際子どもたちに診断が出たことを伝えたときも「今はなんでも診断がついてしまうんやなぁ」と割とアッサリとした反応でした。実父は「そうか」という感じで、よく言えば気にしない、悪くとれば無関心なタイプです(笑)。

従姉兄たちとの微笑ましい遊び…と超早朝覚醒。

私たちの帰省のときには、私の姉家族と弟家族もタイミングを合わせて帰ってきます。面倒見のいい小4の姪っ子、たくさん遊んでくれる小1の甥っ子、そして娘と同い年の甥っ子…子どもたちだけで仲良く遊んでいる姿は癒されるし、親もひと息つけるし(笑)最高の時間です。「このままこの時間がずっと続けばいいのに…」と思った矢先に兄妹喧嘩は始まりますが、帰省中は夕食の用意を考えなくていいので心はかなり穏やかです(笑)。
そして環境が変わっても、疲れていれば割とすぐに寝てくれるわが子たちなので、昼寝さえしなければ実家でも寝かしつけは楽なほうです。しかし問題は朝…眠りの浅い時間帯(5~6時)には必ず息子か娘のどちらかが目を覚まし、そしてその物音と声にもう1人も起きてくると言う協力プレイをしてくれます(白目)。
食欲旺盛な娘は「おなかすいたー」と寝起き一番に騒ぎ始めるので、ほかの家族や祖父母を起こさないよう静かにリビングへ行き…実家に帰省しても朝ごはんは用意しなければならない私です(羽を伸ばすとは一体…)。
超早朝に覚醒するわが子たちのため、実家帰省中も朝食づくりをする羽目になる母
超早朝覚醒のわが子たちのため、実家帰省中も朝食づくり
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次ページ「姉たちと帰省日を合わせる理由は2つ。それは・・・」

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