「障害は遠い世界の話」だったのに、わが子に障害が?子育てがつらい、未来が見えない…絶望していた私が障害受容にいたるまで

ライター:みん
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中度知的障害を伴う自閉スペクトラム症の息子P。現在は小学2年生で、特別支援学校に通っています。振り返ってみると、Pには障害がある?と疑い始めた頃は本当に重く苦しい日々でした。思い返してみても、今までどうやって子育てしてきたのか?思い出したいような、思い出したくないような気持ちになります。でも時と共に、私の心も少しずつ変化してきました。今回はそんな私自身のこれまでのさまざまな気持ちを書いてみようと思います。

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監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている。 ・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮):https://yuik.net/ ・ゆうスキンクリニック(上野/池袋/新宿/横浜):https://yubt.net/

「障害」について深く考えたことがなかった私

私は身近に障害のある人がいたことがなく、障害者と直接関わった経験もないまま大人になり、母親になりました。世の中にはさまざまな障害のある人がいるけれど、それは自分とは関係のない、どこか遠い世界の話のように思っていたのです。そんな私がまさか障害のある子どもを産み育てることになるなんて、想像もしていませんでした。妊娠すれば障害のある子どもが生まれる可能性を、誰しも一度は考えることがあるとは思いますが、私はそんなときでも「わが子に限って大丈夫だろう」と安易に考えていました。
「障害者」はテレビやメディアの中だけでたまに見る、私にとっては遠い世界の話だと思っていた。妊娠中も「わが子に限って…きっと大丈夫」と楽観的だった
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障害があるかもしれないわが子を心から可愛いとは思えない日々

でも次男のPを出産後、わが子の成長に違和感を感じはじめ、発達障害の可能性を疑い、その不安がみるみる現実のものとなっていく日々は本当につらく苦しい時期でした。

息子に発達障害があるかもしれないと分かった頃は、一体どの程度の障害なのか?どんな風に成長するのか?がまだまだ未知だったので、障害のあるお子さんをもつ人のブログやSNSを読み漁っては、不安に思っていました。見ず知らずの人の子どもとわが子を比べては、感情の浮き沈みが常にありましたし、「障害があってもわが子は可愛い」という障害のあるお子さんを育てている親御さんたちの言葉を耳にしても、私にもそんな風に思える日が来るの?と正直自信がありませんでした。なぜなら、毎日Pと関わることに必死で、初めての育児でもないのにこんなに育てづらいものなのか?と、1歳半を過ぎた頃からは可愛いと思う余裕もなく目まぐるしく日々が過ぎていくだけだったからです。
育てづらい次男Pを可愛いと思う余裕も、自信もなかった
育児に余裕も自信もなかった
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将来を悲観していた私…障害の受容へと繋がったきっかけは?

そんな悲観的だった私の心に変化が現れたのは、Pを療育園へ入園させた時期です。
それまで、「こんなに大変な子どもはどこにもいない!周りのお母さんたちは育児がラクで羨ましい!」と卑屈になっていた私の気持ちが、入園とともに少しずつ溶けていきました。

なぜなら、療育園にはPと同じように困りごとを抱えたお子さんと、私のように育児に悩み、疲れているお母さんたちがたくさんいて、そんな親子を助けてくれる療育の知識や経験をもった先生方がたくさんいたからです。同じ目線で私の話を聞いてもらえ、共感してもらえる療育園の環境はたった1人で戦っているわけじゃないと実感できましたし、何より孤独ではなくなりました。

それに療育園では、困りごとを相談すれば関わり方のアドバイスをもらえ、先生たちの知識や経験の多さに救われながら、私自身にも知識や経験が増えていきました。同時に障害のある子どもへの福祉制度のことや、就学、就労についてなども見聞きする機会が増えていきました。
療育園で同じ境遇のお母さんたちや、専門的な知識を持った先生たちと出会い、「1人じゃない」と思えるようになった
1人じゃないと思えた
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