発達凸凹長女「やる気がない、ふざけている」と叱責された学生生活。真面目なのになぜ?大人になって発覚した理由とは

ライター:ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
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わが家は家族のほぼ全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。
今回は、長女ニャーイが中学生だった25年ほど前のエピソードです。
(今回のイラストは父ラクマが担当しました!)

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監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている。 ・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮):https://yuik.net/ ・ゆうスキンクリニック(上野/池袋/新宿/横浜):https://yubt.net/

吹奏楽部の顧問から強く叱責されてしまう

吹奏楽の部活で顧問から「ふざけないで」と強い叱責を受け落ち込むニャーイ
吹奏楽の部活で顧問から強い叱責を受け落ち込むニャーイ
Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
わが家は母である私・ワッシーナを筆頭に、家族のほぼ全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。

中学生になった長女ニャーイは、音楽が好きだったこともあり、友人に誘われて吹奏楽部に入部しました。
ニャーイはフルートを担当することになり、熱心に部活の練習に通ううちに、だんだん上達してきました。そのうち、フルートのパートでリーダーとしての役割を担うようになりました。

ところが、せっかく実力が認められてリーダーになったのに、ニャーイ自身はだんだんと暗くなって落ち込んでいくのです。
私は気になってしまい、部活で何があったのかを、本人からじっくり聞き取ることにしました。

すると、ニャーイは部活の顧問から「やればできるのに、ちゃんとやろうとしない」「やる気がない、ふざけている」と強い叱責を受けていると言うのです。

私はとても驚きました。家庭の中でのニャーイは家事の手伝いもきちんとこなすし、家庭学習も毎日しているし、性格も素直で真面目です。こんな彼女が、好きな音楽に真面目に取り組まないなんてありえないと思ったからです。

きっと顧問の誤解だろうと感じましたが、よく考えると小学校時代の担任からも「やればできる子なのに、きちんとやろうとしない」というふうに学習態度をよく注意されていました。

この学習問題の時、私はニャーイの性格からして悪ふざけをして勉強していないとは考えられなかったし、成績は標準くらいあったので「まぁ、そのうち良くなっていくだろう」と楽観的に考えていました。
この部活の問題もどこかで繋がっているかもしれないと感じていましたが、どう考えてもよく分かりません。

この誤解をどう解決すべきか思い悩み、夫ラクマに相談しました。すると彼は少し憤慨して「それは絶対に誤解だから、顧問の先生に会いに行ってくる」と言うのです。
部活の顧問にニャーイのまじめな面を懸命に伝える夫ラクマ
部活の顧問にニャーイのまじめな面を懸命に伝える夫ラクマ
Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ

部活の顧問と話し合い誤解を解く

ラクマはめったに着ないスーツに袖を通し、ネクタイを締めてニャーイの通う中学校を訪ね、部活の顧問と面談をしました。改めてニャーイの部活での態度を確認すると、顧問の発言はニャーイ本人が話した内容通りでした。
「楽譜は読めるし、演奏もうまい。なのに、譜面通り、きちんと演奏しない」ということでした。

ラクマは、ニャーイの幼少期から現在まで、いかに真面目で素直な性格であるか、家庭学習や家の手伝いもちゃんとする子かを説明しました。

顧問が「やればできるのに、ちゃんとやろうとしない」と言う原因はよく分からないけれど、決して悪ふざけや怠けがあるわけではないことを力説したそうです。

ラクマの熱意が伝わったようで、その後は顧問からニャーイに強い叱責はなくなりました。
でもニャーイに対する根本的な問題が解決したわけではないので、私はずっと心に留めていました。

16年後、「やればできるのに、ちゃんとやろうとしない」問題の根っこに気づく

視力検査では分からない読字問題の存在を確かめる夫ラクマ
視力検査では分からない読字問題の存在を確かめる夫ラクマ
Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ
ニャーイの部活トラブルから16年後のことです。長女ニャーイは30歳になっていました。
その頃のわが家は、夫ラクマ以外の家族全員が発達凸凹の当事者であることが分かっていたので、各地で体験発表や当事者支援活動を行なっていました。

そこへ、家族ぐるみでお世話になっているある方から夫ラクマへ、催しの運営の依頼がありました。
「学校の視力検査では発見できないような、読字の問題解決について書いた本の著者と知り合いになった。地元に招聘して地域貢献のイベントを行いたい。運営を手伝って欲しい。ラクマ家の活動と近いかもしれない」という内容でした。

ラクマは依頼を快諾し、その講演は地元で3回開催されました。
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