自閉症長男の幼少期、多すぎるマイルールに疲弊…12歳になった今、こだわりはどうなった?
ライター:よいこ
ASD(自閉スペクトラム症)のある長男あーは、現在12歳の小学6年生です。あーは、小さな頃から謎行動の宝庫でした。いま思えばこだわり、感覚過敏などASD特性から来るものだったのかもしれませんが、とにかく「こうでなければならない」が多すぎて、本人も周りもしんどい!
今回は、幼稚園頃のこだわりについて書かせていただきます。
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
こだわりその1。必ず「へーそうなんだ」と返さなければならない!
ASD(自閉スペクトラム症)のあるわが家の長男あーは、アニメのキャラクターの図鑑が大好き(今でも)なんですが、文字が読めるようになった一時期、図鑑に載っているキャラクターの名前をあーが言うたびに、私が「へーそうなんだ」と返さなければならない遊びがブームでした。
コミュニケーションが一方的だったあーが話しかけてくれた! とうれしくて、あーがキャラクターの名前を言った後に、うっかり「え、そのキャラのことあーくん好きなの? ママも好き!」などとほかの返しをしたらアウト。「なんでへーそうなんだって言ってくれないんだよ!」と怒り狂います……。
そう、コミュニケーションが取れるのかも! はぬか喜びで、実際は他人を巻き込んだ壮大な1人遊びだったんですね……とほほ。
コミュニケーションが一方的だったあーが話しかけてくれた! とうれしくて、あーがキャラクターの名前を言った後に、うっかり「え、そのキャラのことあーくん好きなの? ママも好き!」などとほかの返しをしたらアウト。「なんでへーそうなんだって言ってくれないんだよ!」と怒り狂います……。
そう、コミュニケーションが取れるのかも! はぬか喜びで、実際は他人を巻き込んだ壮大な1人遊びだったんですね……とほほ。
こだわりその2。車に乗る時の儀式が多すぎる!
幼稚園の頃は車に乗るのも大変でした。「車に乗るため」にこなさなければならない儀式が多いのです。……意味が分からないですよね、ご説明します。
まず、シートベルトは絶対に自分でしなければならない。それまでエンジンはかけてはいけないので(かけたら怒られます)、特に夏の場合は、手間取っていると車内の温度がめっちゃ高くなり暑い。つらい。そのあとDVDをつけるのですが、日本のアニメでも字幕を出さなければいけない。音声は日本語に設定しなければいけない。その設定を終えるまでは出発してはいけない……! (ああ、自分で書き連ねていてめまいがしてきた……!)
まず、シートベルトは絶対に自分でしなければならない。それまでエンジンはかけてはいけないので(かけたら怒られます)、特に夏の場合は、手間取っていると車内の温度がめっちゃ高くなり暑い。つらい。そのあとDVDをつけるのですが、日本のアニメでも字幕を出さなければいけない。音声は日本語に設定しなければいけない。その設定を終えるまでは出発してはいけない……! (ああ、自分で書き連ねていてめまいがしてきた……!)
こだわりその3。幼稚園ではいつも「決まった友達」と帰る!
もちろん、幼稚園でのこだわりもあります。あーは、毎日一緒に帰るお友達が決まっていて、絶対その子と帰ると決めていました。でも、その子と仲がいいわけでも、遊ぶわけでもないんです。ただ一緒に帰る、そう決めていただけなんです。あーが勝手に。
だからその子もあーも黙って歩く……。 いつもその子にもお母さんにも申し訳ない気持ちでした。そして、その子が事情があって先に帰るとか、幼稚園をお休みした場合は大パニックです。先に帰ったその子を追いかけて路上に飛び出したこともあったし、その子が休みの日は雨の中路上で大泣きされて、道端で15分とかたたずんだこともありましたね……(遠い目)。
だからその子もあーも黙って歩く……。 いつもその子にもお母さんにも申し訳ない気持ちでした。そして、その子が事情があって先に帰るとか、幼稚園をお休みした場合は大パニックです。先に帰ったその子を追いかけて路上に飛び出したこともあったし、その子が休みの日は雨の中路上で大泣きされて、道端で15分とかたたずんだこともありましたね……(遠い目)。