「こだわり」はASDの特性と分かってはいるけれど……

ASDのある子どもを育てていると、「他人と自分を傷つけなければオッケー、できないことは大目に見よう、できることに注目しよう!」なんてことをよく聞きます。でもね、毎回毎回そうも言ってられないというか……。たとえ他人を傷つけなくても、迷惑をかけてしまうことはあるし、母親も人間なので、「悪気はない、これがこの子の特性なんだ」と分かっていても、我慢の限界っていうものは当然あるわけで……。そこをやすやすと超えてくる場合どうしたらいいんでしょうかね!?(地団駄)

12歳の今も、「こだわり」は形を変えながら継続中

今回は幼稚園の頃のあーのこだわりエピソードを紹介しましたが、12歳の今もこだわりは強いです。ただし、こだわりは移り変わります。

今のこだわりは、自分の好きなキャラクターの名前やアニメのタイトルをぎっしり書き連ねた自由帳をどこにでも持って行く、アニメのDVDが大好きで、何かに急かされるかのように毎週DVDレンタルショップに足を運ばなければならない(レンタルショップが少しずつ減っている昨今、近所のお店が閉店してしまったらどうしようと心配している母です)、登校時絶対に弟より先に靴を履く、など……。書いているだけで疲れます……。

今回コラムを執筆するにあたり、思い返す作業をしていたのですが、あの頃はあんなに大変だったのに今となってはちょっと懐かしい気持ちすらある。12歳の今のこだわりに相も変わらず頭を悩ませている母ですが、いつかは懐かしめる未来が来るんですかね……(涙)。
執筆/よいこ
(監修:初川先生より)
あーくん幼稚園時代のこだわりの歴史のシェアをありがとうございます。こだわりは特性によるもの、悪気はないと理解していても、なかなかこだわりを守れない状況(お友達がお休みなどはそういう状況ですね)も時にはあるわけで、もう少し何とかならないのかとじれったく思われるのも自然なことと感じます。

最初の、「へーそうなんだ」で返さなければならないこだわり、とても興味深く感じました。相手を巻き込んでいるといえばそうではありますが、ただ、自分が話して相手の反応を得て安心したいということ自体は、コミュニケーションの土台の一段階ではあるのだろうなと感じました。最後に書かれていた、今は過去のこだわりをちょっと懐かしく感じる、こだわりは移り変わること。今という時の行き詰まり感、ずっとこのままなのではと不安になっている方にとっては淡く明るい兆しではありますね(とはいえ、今には今の悩ましさもあるということで、一筋縄ではいかないのだなという気配もそれはそれで大事な先達の声だと感じます)。
【精神科医・本田秀夫】イラつく母の「誰が汚れた服を洗うと思ってるの?」に、「洗濯機」の返答!?場の空気が読めない子への対応を解説のタイトル画像

【精神科医・本田秀夫】イラつく母の「誰が汚れた服を洗うと思ってるの?」に、「洗濯機」の返答!?場の空気が読めない子への対応を解説

ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の違いは?こだわりはどちらの特徴?【専門家監修】のタイトル画像

ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の違いは?こだわりはどちらの特徴?【専門家監修】

未診断なのに特別支援教室判定。「どうしてこの子が?」から「なるほど」になったワケのタイトル画像

未診断なのに特別支援教室判定。「どうしてこの子が?」から「なるほど」になったワケ

療育手帳を取得できない発達障害娘。特性や困難の証明はできないの?のタイトル画像

療育手帳を取得できない発達障害娘。特性や困難の証明はできないの?

発達グレー息子の運動会、毎年1人だけ踊らないダンス競技。保育園最後に見せた成長に涙のタイトル画像

発達グレー息子の運動会、毎年1人だけ踊らないダンス競技。保育園最後に見せた成長に涙


(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
療育支援探しバナー

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。