Q 言語聴覚士(ST)へ相談したいときはどこに行けばいいのでしょうか? また相談に行く際、用意をしたほうがいいものはありますか?
健診の時に担当してくれた保健師さんなどに相談してみましょう
1歳半健診や3歳児健診などの乳幼児健診で、「少しことばが遅い」と言われたのであれば、その時担当してくれた保健師さんなどに相談してみるのがよいでしょう。その地域にある言語聴覚士がいる施設、機関を紹介してもらえると思います。
子ども発達センター、療育センターなど
多くの自治体で、子ども発達センター、療育センターなどの名称で、総合的に子どもの発達支援をする機関を設置しています。そういったところには言語聴覚士、作業療法士などの専門家がいて、それぞれ専門的な助言や支援を行っています。
総合病院、リハビリテーション病院、小児科、耳鼻咽喉科、歯科などのクリニックの中にも、言語聴覚士などの専門家をおいて、お子さんの発達支援を実施ししているところがあります。
総合病院、リハビリテーション病院、小児科、耳鼻咽喉科、歯科などのクリニックの中にも、言語聴覚士などの専門家をおいて、お子さんの発達支援を実施ししているところがあります。
都道府県の言語聴覚士会で調べることができます
どこの施設に言語聴覚士がいるか、日本言語聴覚士協会、各都道府県言語聴覚士会で調べることができます。ホームページに検索サイトがある、メールで問い合わせをすると答えてくれるなど、都道府県によって対応は異なりますが、分からないことがあればまず問い合わせてみてください。
児童発達支援事業所、放課後等デイサービス事業所
最近はこれらの事業所で言語聴覚士をおいて専門的な支援をしているところが増えています。ただサービス内容は事業所によって異なり、言語聴覚療法をやっているという記載があっても、毎日専門家がいるわけではないところもありますから、詳細は直接問い合わせて確認をしてください。
相談に行く際に準備した方がよいもの
療育センターや病院、クリニックに行く場合は、出産前後の状況や、これまでのお子さんの発達の経緯について聞かれることが多いため、母子手帳を持っていくとよいと思います。また普段どのようなことばに反応するか、どのくらいのことばをしゃべっているかについてのメモだけでなく、好きなおもちゃやお友達との遊び方の様子などについてもメモして準備していくとよいでしょう。
Q 1歳半健診でことばの遅れを指摘されましたが、「まだ様子見で構わない」といわれています。子どものことばをのばすために、家でなにかできることはないでしょうか。
健診で「様子を見ましょう」と言われた場合、「様子」って何を見ればよいのか、家庭で何かできることはないのかと不安になると思います。「様子」を見るとは、何を見ることなのでしょう。
今理解できることば、お話しできることばの語彙や長さを観察する
先ほどご説明したことばの発達の目安を参考に、お話しできることばの数がそんなに変わらなくても、理解できることばが増えてきているかを観察していくとよいと思います。毎日見ていると以前どうだったかなど記憶があいまいになってきますから、半年ごとくらいに「今理解できることばの数や長さ」「今お話しできることばの数や長さ」をメモしておくとよいと思います。
そのほかに気になる行動がないかどうか観察する
ことば以外に、かんしゃくやこだわりなどの気になる特徴があるかどうか、それがだんだん強くなってきているか、目立たなくなってきているかなどの変化の様子についても、半年単位でメモしておくとよいと思います。
ことば以外の生活習慣の様子を観察する
着替えやトイレなど生活習慣の自立ができるようになるかにも注目してみてください。同じくらいの年齢のお子さんと比べて遅いような気がするなど、「様子を見て」いて不安なことがある場合は、上記の相談先へ相談してみましょう。専門機関へ相談というと、ちょっと不安がある方も多いと思いますが、子育てのヒントやよい対応の仕方の助言をもらえるはずです。
Q 3歳の娘のことばがほかの子と比べると遅く、言っていることは親にしか通じないという状態です。保育園や小児科で相談すると、絵本を読みなさいといわれることが多いのですが、かなり多くの本を読んできたつもりです。このような場合、読み方が悪いということでしょうか?
絵本はお子さんとの遊びを楽しむツールに過ぎない
絵本を読み聞かせするとよい、動画を見せっぱなしにするのはよくないなど、ことばの発達のためにこうしたほうがよいという情報が氾濫しています。でも絵本も動画もその時にお子さんと楽しい時間を共有するためのツールにすぎません。要は使い方次第だと思います。動画も、見せっぱなしにするのではなく、出てきた動物や食べ物など子どもが興味を持ったものについて、その都度タイミングよく大人が話しかける、子どもが指さしたものの名前を言って共感するなど、うまく使えば楽しくことばをはぐくむことができます。
ことばの発達に見合った絵本を選ぶ
単純に「絵本を読めばことばが出てくる」というわけではありません。大人でも、まったく聞いたことのない外国語で延々と読み聞かせをされても、つまらないだけで、その外国語を習得できるわけではありません。絵本というのはおもちゃと同じ遊びのアイテムのひとつですから、子どもが分かる内容でなければ、楽しくありません。
単語がまだ分からないお子さんにとっては、オノマトペの音感を楽しむような絵本が適しています。単語がいくつか分かるようになってきたお子さんには、具体的な名詞が絵と共にたくさん出てくるような絵本がおもしろいでしょう。2、3語文が理解できるお子さんには、短いフレーズが繰り返し出てきて、少しずつ変化していくような絵本が楽しめます。もっと長い文が理解できるお子さんにとっては、ストーリー性のある絵本が適しているでしょう。そこでお子さんが興味を持って視線を向ける、絵を指さす、笑顔を返すなどの反応がみられたら、すかさず大人も反応を返してあげる、そのやり取りの中でことばが育っていくのです。
単語がまだ分からないお子さんにとっては、オノマトペの音感を楽しむような絵本が適しています。単語がいくつか分かるようになってきたお子さんには、具体的な名詞が絵と共にたくさん出てくるような絵本がおもしろいでしょう。2、3語文が理解できるお子さんには、短いフレーズが繰り返し出てきて、少しずつ変化していくような絵本が楽しめます。もっと長い文が理解できるお子さんにとっては、ストーリー性のある絵本が適しているでしょう。そこでお子さんが興味を持って視線を向ける、絵を指さす、笑顔を返すなどの反応がみられたら、すかさず大人も反応を返してあげる、そのやり取りの中でことばが育っていくのです。