「早く終わってほしい…」発達障害2歳息子、試練の連続だったクリスマス会。5年経って思うこと

ライター:カタバミ
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息子のまちゃは今、特別支援学級に通う小学2年生。現在のわが家ではクリスマスといえば、クリスマスツリーを飾ってケーキを食べてプレゼントを渡すくらいです。
でもまちゃが幼稚園に入る前の年は、私も一緒に3つのクリスマス会に参加しました。この頃のまちゃはクリスマスやサンタクロースを今よりもっと理解していなさそうな状態でした。その時の3つのクリスマス会を振り返ってお伝えできたらと思います。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

のびのびと……預け合い育児サークルのクリスマス会

広い畳の間で開催された預け合い育児サークルのクリスマス会。子どもたちも母ものびのびと過ごせました。
広い畳の間で開催された預け合い育児サークルのクリスマス会。子どもたちも母ものびのびと過ごせました。
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言葉がなかなか出ないまちゃを心配して、私はまちゃが2歳3ヶ月の時に地域のお母さん方が運営する預け合いのサークルに入りました。
保育はお母さん方による当番制、屋外でのどろんこ遊びや絵本や手遊びを推奨するサークルで、勉強熱心なお母さんが多かったです。手が掛かるまちゃにも手厚く接してくださり、まちゃも私もこのサークルをとても気に入っていました。

しかし、2歳年上の娘が通う幼稚園にまちゃも来年の4月に年少から入園するには、「今年の10月からプレ幼稚園に入って下さい」と娘の幼稚園の園長先生に言われ、9月に泣く泣くこちらを辞めることに……。でも、12月のクリスマス会には呼んでいただけました。

クリスマス会の会場は町会の寄り合い場所になっている、古いけど広い畳の間で、まちゃも他の子どもたちも走り放題。母たちはたまに注意しつつも笑顔で対応。まちゃは出し物や手遊びや絵本は、途中から私の膝の上になりましたが他の子と一緒に見ることはできていました。

ただ……、まちゃは会場の電気を勝手にパチパチ消したり、クリスマス会後の昼食会ではおにぎりを食べ歩きして、注意した他の子のお母さんをかもうとしたりと、私は大ショックでした。
このサークルを退会してプレ幼稚園に入れた成果を見せたい気持ちもありましたが、全くうまくいきませんでした。

試練! プレ幼稚園のクリスマス会

プレ幼稚園のクリスマス会。途中で飽きてしまったまちゃを抱っこしたら……首元をかまれた!
プレ幼稚園のクリスマス会。途中で飽きてしまったまちゃを抱っこしたら……首元をかまれた!
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娘の通う幼稚園には、年少で入園する1年前の4月から週に1、2回幼稚園に通って園に慣らす『プレ幼稚園』というものがあり、幼稚園にすすめられて10月からまちゃも通うことになりました。

プレ幼稚園クリスマス会は、幼稚園のホール室が会場になっていました。
4月からプレ幼稚園に通い、すでに打ち解けているお母さん方はグループができていて固まって座っており、10月から入ったばかりの私はどこに座って良いのか分かりません。

私はまちゃのことが心配で、子どもたちの姿がよく見える前のほうの空いていた席に座ったら「そこは僕のママの席だ!」と知らない子に大きな声で言われ、後ろ席の知らないお母さん方からドッと笑い声が起きました。

まちゃは友達に興味がなく、私もプレ幼稚園の中にママ友はいません。居心地はとても悪いですが、「まちゃのために」と、それでも前のほうの席を探して座り直しました。

まちゃは手遊びなどは良く見ていましたが、サンタクロースが来てお話しを始めると姿勢がどんどん楽な姿勢になり、しまいには寝転がってしまいました。結局ステージの端で先生の膝の上にいましたが、途中から飽きて片づけてある跳び箱に登り始め、降ろしたら泣いたので私が抱っこしたら首元をかまれ、とても悲しい気持ちになりました。

お遊戯が始まるとまちゃお気に入りの先生が迎えに来てくれて笑顔で戻って行きましたが、私はヘトヘトになりました。

油断大敵! 児童発達支援事業所のクリスマス会

いて暴れるまちゃをなだめながら「早く終わって……」と願った、児童発達支援事業所のクリスマス会。
泣いて暴れるまちゃをなだめながら「早く終わって……」と願った、児童発達支援事業所のクリスマス会。
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まちゃは幼稚園に入る前年の8月から週に1回ほど、預かりがメインの近所にある児童発達支援事業所に通っていました。
発達に不安があるお子さんの場所なので、私はこちらのクリスマス会にはなんの不安もありませんでした。

まず連れて行くと、いつも通り入り口で嫌がって寝そべるまちゃをまたいで「おはようございます」と挨拶しながら、次々と他のお子さんが登園してきます。お母さん方はお子さんを気にせず先生と楽しそうに話をしていて、始まりの挨拶が終わると仲のいいママ友同士で集まって座り、あちこちの幼稚園について情報交換をしています。わが家のように、幼稚園に入れるか心配している様子はどこにもありません。

クリスマス会が始まっても、私はどこかに行こうとするまちゃを常に抑えながら出し物を観ました。
手遊びを交えた歌の途中で、名前を呼ばれた子は前に出て何かをもらえるという出し物があり、4、5人の子どもが選ばれて呼ばれました。まちゃの名前は最後まで呼ばれずに終わり、まちゃは何ももらえないと分かった瞬間「ギャー!」と叫んで倒れて泣いて暴れました。
そこからは機嫌が悪く座っていられません。サンタクロースが登場してお話してもまちゃは理解できませんし、助けを求めることもできませんでした。

「早く終わってほしい」と、私はずっと願っていました。
次ページ「夫に言われたことと、5年後の今振り返って思うこと」

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