これも自閉症の特性?「目の前にあるのに見えてない」息子が帰省で持ち帰った大荷物の中身にビックリ!

ライター:寺島ヒロ
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わが家の長男、タケルはASD(自閉スペクトラム症)の特性からか、物を探すことがとても苦手です。置いたところを忘れてしまう……ということもあるのですが、見えていても見えていないかのようなことがあるのです。今回は年末の帰省の時に起こった、そんな特性に関わる不思議な出来事についてです。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

「見た目」が変わっていると見失う?

わが家の長男、タケル(ASD/自閉スペクトラム症・現在23歳)はASDの特性からか、物を見つけることがとても苦手です。
タケルが机の上に置いていったものを、私がどこかに移動させたりすると、どんなに近くてももう見つけきれません。横向きに置いてあった財布を、自分でうっかり縦向きにしていただけで見失ったこともあります。
財布がない! と騒ぐ息子、しかし財布は目の前に……。
財布がない! と騒ぐ息子、しかし財布は目の前に……。
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タケルの記憶の中の「カタチ」が少しでも変わっていると、「違うモノ」と思い込んでしまうようです。だから、目の前にあるものでも、見つからないなんてことがしょっちゅうあります。

帰省のついでに読まない本を持って帰ろうと……

さて、昨年のお正月のことです。
 
久しぶりに大分県の自宅に帰れることになったので(私たち家族は息子の通学のために大阪府に家を借りて普段はそちらで暮らしています)、大阪の家のリビングの本棚にあった、もう読まない私の本を持ち帰ることにしました。
2段の棚に入っていた本は、中くらいの段ボール箱ちょうど1個分になりました。
大分の自宅まではおよそ500キロ。車で8時間半の道のりです。私と夫で交代しながら、丸一日かけて帰省しました。
大分の家では、長らく放っておいた部屋の掃除、そして近所の方へのご挨拶、地元でしか買えない調味料などを買いに行くなどして忙しく働きました。
 
その間、子どもたちはそれぞれの部屋を掃除し、大阪に持って行きたいものを物色したりなどしていました。

イリュージョン? ないはずの本が本棚に!?

翌日また一日かけて大阪に帰宅しました。
タケルといっちゃんは、2人とも重そうな紙袋を持っています。大分の家で見つけたもう一度やりたいゲームや本などを持って帰ったとのこと。
 
大阪の家は借りている家ですから、あまり荷物を増やしたくないんだがなあ……とは思いましたが、気持ちは分かります。「仕方ないなあ、自分で置き場所を決めて片付けるのよ」と言い渡して、その日は寝てしまいました。
翌朝、目を覚ますと……
なんと! リビングの本棚に、私が大分の家に持って帰ったはずの本が詰まっているではありませんか!
そう、タケルが大分の家で見つけて「めっちゃいい本があった!」と思い、大阪の家に持って帰ってしまったのです!
 
タケル「ちょうど良い感じに棚が空いてた」
 
って! 違うヨ!
その本、以前からここにあったんだヨゥ……。
本が戻ってきていることに驚き「ずっとここに並んでいたでしょう?」という私。「えっ、あったっけ?」と息子。
大分の家に持ち帰ったはずの本が、再び大阪の家の本棚にズラリと……!
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