ワンオペ育児で限界に追いつめられないために……解決策や相談先はある?

ワンオペ育児を続けることで、心身の健康に悪影響が出ることが懸念されています。ここでは、ワンオペ育児の負担を軽減させるための方法をいくつか紹介していきます。

・パートナーと解決策を話し合う
ワンオペ育児になっている場合に、パートナーと解決策を話し合っていくことが大事です。といっても、パートナーは仕事などによりその状況をよく把握していないことも考えられます。

まずは、時間を取って現在どのようなことでつらい思いをしているかをパートナーに伝えて、家事や育児の役割分担、次にあげるさまざまなサービスの活用などを話し合っていくといいでしょう。

・さまざまな支援サービスを利用する
ワンオペ育児をはじめとして子育ての負担を軽減させるためのサービスがあります。公的なものでは自治体が運営をする「ファミリー・サポート」サービスがあり、保育園などへの子どもの送迎や一時的な預かりなどを実施しています。ほかにも、民間では家事代行サービスや一時預かりサービスなどがあります。うまく活用して、負担を減らしていくようにするといいでしょう。
参考:ファミリー・サポート・センター事業|東京都福祉局
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/kosodate/famisapo.html
・地域子育て支援センターなどの保健師やカウンセラーに育児相談してみる
各地域には、主に未就学の子どもたちや保護者同士の交流ができる子育て支援センターが設置されています。センターには子育ての専門家がいて、ワンオペ育児に関する相談をすることも可能です。また、ほかの保護者と話すことによって、つらさに共感してもらったり、アドバイスがもらえたりすることもあるでしょう。

・ワンオペ育児からうつ病などの精神疾患になった場合
ワンオペ育児のストレスからうつ病などを発症すると、子育てに対する意欲が低下したり、感情的な対応が増えたりして、保護者がつらいのみならず子どもの発達にも多大な影響を与えることが考えられます。また、保護者の感情的な対応がエスカレートすることで、子どもへの不適切な関わりにもつながりかねません。

そうならないためにも、上に挙げた対策を取るとともに、早めに悩みを相談することが大切です。子育てに関する相談窓口はたくさんあり、電話、SNS、メールなどさまざまな方法で相談が可能です。東京都の窓口を掲載しますが、各自治体にも同様なWEBサイトがあると思いますので、つらいと感じたときは早めに相談するようにしましょう。
参考:相談窓口|東京都こども子育て相談窓口
https://kodomo-smile.metro.tokyo.lg.jp/st/soudan/support.html
また、子どもの発達が気になる場合は専門機関に相談することも重要です。子どもに発達上の特性があるときは、その特性に応じた対応をすることが大切ですが、ワンオペ育児をしている中で一人で適切に対応することは難しいと言えるでしょう。そこで、専門家の力を借りて、発達の気になる子どもの特性の把握や対応方法のアドバイスなどを受けることで、子育ての大変さを減らしていくことにもつながっていきます。

発達の気になる子どもの相談先としては、
・発達障害者支援センター
・児童相談所
・保健センター
・かかりつけの小児科

などがあります。

相談しやすい場所から問い合わせてみるといいでしょう。

まとめ

ワンオペ育児は保護者の一人が育児の大部分を担うことで、孤独感などから保護者の心身に悪影響が出る可能性も指摘されています。

ワンオペ育児は社会的な背景や家庭の事情もあり仕方がない部分もありますが、できるだけパートナーと役割分担することや、公的、民間の家事や子育てサービスを活用することで負担を軽減させていくことも大切です。

また、子どもに発達の遅れや、発達の凸凹がある場合は、こだわりが強かったり癇癪が激しかったりと、一人での対応がより難しくなることも考えられます。子どもの状態によっては、療育手帳や通所受給者証を取得して、さまざまな福祉サービスを利用できる可能性があります。

福祉サービスには、子どもの特性に合わせた支援が受けられる通所支援のほか、レスパイトと呼ばれる一時預かりやショートステイなどのサービスもあります。詳しくは、自治体の障害福祉窓口にご相談ください。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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