【LITALICO発達特性検査】 結果の理解と活用:「学習」の困りQ&A

ライター:LITALICO発達特性検査 活用サポート
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LITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問に回答することでお子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。

この記事では、LITALICO発達特性検査の検査結果で分類「学習」の困りが表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方や対応方法を試す際などのヒントとしてご活用ください。

監修者成田まいのアイコン
監修: 成田まい
臨床発達心理士
東京学芸大学で特別支援教育を学び、秋田こどもの心と発達クリニック、市立秋田総合病院小児科で心理士として勤務。子どもの発達支援のさらなる発展を目指している臨床家のひとり。医療機関での読み書き評価及び療育だけではなく学校や行政との連携を図りながら、子どもたちの多様性を活かした支援や配慮を提案していく活動をしている。LITALICO発達特性検査における「学習」の困りについての監修を担当している。
目次

LITALICO発達特性検査の分類「学習」の困りとは

LITALICO発達特性検査とは

LITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問にスマートフォンやパソコンから回答することで、お子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。

検査について知りたい方はこちらをご覧ください。

分類「学習」の困りについて

分類「学習」の困りはLITALICO発達特性検査において、以下のような特性に当てはまる場合に表示されます。さらに特性の現れ方のタイプによって「読み」「書き」「算数」に分かれています。それらの特性は重複して現れる場合もあります。

・読み
文字を読むことに困りごとのあるタイプに関する分類です。文字を読む速度がゆっくりだったり、読み飛ばしや読み間違いが多いなどの特徴がみられる場合があります。読むときにたどたどしさがみられ、読んでいる文章の内容やあらすじを理解して読み取るのが難しいこともあります。本人は努力していても、授業についていくことが難しくなったり、人前での音読や発表などを嫌がったりする場合もあります。

・書き
文字を書くことに困りごとのあるタイプに関する分類です。文字を書くことが苦手であり、書き写しが極端に遅い、鏡文字になる、文字のバランスが悪い、書き順通りに書き進められない、筆圧のコントロールが難しいなどの特徴がみられます。日記や作文については、頭のなかで考えたことを書いて表現するのが難しくなることも多いです。本人は努力していても、学習全般に遅れが生じたり、苦手意識が芽生えたりする場合もあります。

※基本的に読みと書きは就学後に必要になる分類ですが、未就学の場合でもお子さまによっては必要な場面があることを想定し、検査に含めています。

・算数
算数・数学の学習で計算や推論などが苦手なタイプに関する分類です。例えば、算数や数学の学習での九九の暗記、繰り上がりや繰り下がりの計算などのほか、文章題だけが苦手など、部分的に苦手なことが出ることもあります。算数は前に学んだことを一つひとつ積み重ねながら学習が進んでいくので、つまずいた単元があるとそこから先が分からなくなることが多いです。学年が進むにつれ、授業についていけなくなる場合もあります。学習意欲や自信をなくしたり、買い物など数を扱う日常の場面で困ったりすることもあります。

※LITALICO発達特性検査では、小学校の学習範囲を用いて算数・数学に関する特性を測定しています。

それぞれの困りや特性のより詳しい説明については、LITALICO発達特性検査の検査結果「お子さまの特性」でご紹介しています。

次に、LITALICO発達特性検査の検査結果で分類「学習」が表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方や対応方法を試す際など、検査結果を実際に活用するためのヒントとしてご活用ください。

Q.専門家に相談する目安はありますか?その場合、どこに行けばよいでしょうか?

違和感や相談したいことがあるなど、少しでも気になることがある場合は、専門家への相談を検討しましょう。特に以下のような場合、家庭で抱え込まずに専門家に相談することが望ましいと考えられます。

・家庭でのサポートをいくつか試してみたが、なかなかうまくいかない場合
・保護者自身がお子さまと接することに疲れたり、不安を感じる場合
・困りごとが強く、日常生活に支障が出ている場合やお子さま自身がつらさを抱えている場合
・園や学校とうまく連携が取れない場合 など

相談先は、困りごとによっていくつかありますが、まずは自治体の子育て支援センターや児童発達支援、学校のスクールカウンセラーなどがあげられます。その際には検査結果を持参し、見てもらうことによって、保護者や本人の困っていることや特性の共有ツールとして役立つこともあるのでご活用ください。

医療機関へ相談したい場合は、まずはかかりつけの小児科で相談するのも一つの選択肢です。その際には検査結果を資料として提出することで特性を把握する参考になるかもしれません。

Q.学習の困りごとや特性と関連する疾患や障害はありますか?

LITALICO発達特性検査で、特定の分類(例えば「学習」の困り)で困難が示されても、特定の疾患や障害の有無や診断を意味することはありません。

ただし、学習の困りがあり、特性や困りごとが日常生活や心身の健康状態に影響するなど、医療的な診断基準を満たす場合には、発達障害の一つである学習障害(LD)/限局性学習症(SLD)/発達性学習症などの診断をされる人もいます。

学習障害については以下の記事をご覧ください。
学習障害(限局性学習症)の特徴や関わり方のポイントを解説/専門家監修のタイトル画像

学習障害(限局性学習症)の特徴や関わり方のポイントを解説/専門家監修

いずれにしても、特性によって日常生活に強い困難を感じている場合などには、専門機関に相談するといいでしょう。小児の発達障害についての専門の医療機関は発達障害専門医の在籍する児童精神科などが挙げられますが、受診までに時間を要することが多いので、まずはかかりつけの小児科などで相談するのもひとつの選択肢です。

また、診断の有無に関わらず、LITALICO発達特性検査ではいくつかの対応方法を紹介しているので、支援を開始していくことができます。
次ページ「Q.学習に関する困りごとや特性は変わったり、なくなったりすることはありますか?」

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