【LITALICO発達特性検査】 結果の理解と活用:「話し方」の困りQ&A

ライター:LITALICO発達特性検査 活用サポート
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LITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問に回答することでお子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。

この記事では、LITALICO発達特性検査の検査結果で分類「話し方」の困りが表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方や対処法を試す際などのヒントとしてご活用ください。

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監修: 矢田康人
慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科共同研究員
豊村医院耳鼻咽喉科
株式会社エルチェ
児童発達支援事業所や耳鼻咽喉科にて、音声や言語に困難を抱える人たちの支援に従事。なかでも吃音のある方の支援や研究に力を入れている。 大学院では認知神経科学や音声学を専門に吃音や神経発達障害のある方の発話特徴に関する研究、治療法に関する研究を行っている。
目次

LITALICO発達特性検査の分類「話し方」の困りとは

LITALICO発達特性検査とは

LITALICO発達特性検査は、保護者がお子さまについての質問にスマートフォンやパソコンから回答することで、お子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。

検査について知りたい方はこちらをご覧ください。

分類「話し方」の困りについて

分類「話し方」の困りは、LITALICO発達特性検査において、以下のような特性に当てはまる場合に表示されます。

・話し方
話す際に言葉がなめらかに出ないことがある……言葉の詰まりや音の繰り返しといった、話し方の困りごとについて測定する分類です。

※言葉の詰まりや音の繰り返しといった、話し方は通常、医学的には「吃音」と呼ばれる場合がありますが、LITALICO発達特性検査では「話し方」の名称を用いています。また、この分類には発語や文法の獲得といった言語発達の遅れについては含みません。

それぞれの困りや特性のより詳しい説明については、LITALICO発達特性検査の検査結果「お子さまの特性」でご紹介しています。

次に、LITALICO発達特性検査の検査結果で分類「話し方」の困りが表示された場合のよくある疑問にQ&A形式でお答えします。検査結果を読み解くときや、お子さまへの接し方や対応方法を試す際など、検査結果を実際に活用するためのヒントとしてご活用ください。

Q.専門家に相談する目安はありますか?その場合、どこに行けばいいでしょうか?

発達性吃音(どもり)の研究プロジェクトによる『幼児吃音臨床ガイドライン』では専門家への相談の目安として以下を挙げています。
・ 吃音の状態が1年以上続いて)いる。
・その1年のうちに症状が悪化している
・話し方が苦しそうである
・子供が話し方を気にしている
・小学校入学までの期間が1年以下である

『幼児吃音臨床ガイドライン 添付資料 2』(発達性吃音(どもり)の研究プロジェクト)より引用
出典:http://kitsuon-kenkyu.umin.jp/guideline/v1.01/YoujiKitsuonCGLTenpu2.pdf
保護者の方に向けての資料もあり、詳しく紹介されていますので、参考にするといいでしょう。
参考:『幼児吃音臨床ガイドライン 添付資料 4 お子さんがどもっている( きつおん 吃音がある)と感じたら ―家族にできるお子さんへのサポートについてー』
http://kitsuon-kenkyu.umin.jp/guideline/v1/YoujiKitsuonCGLTenpu4.pdf
また、違和感や相談したいことがあるなど、少しでも気になることがある場合は、相談機関での相談を検討しましょう。以下のような場合も、家庭で抱え込まずに専門家に相談することが望ましいと考えられます。

・家庭でのサポートをいくつか試してみたが、なかなかうまくいかない場合
・保護者自身がお子さまと接することに疲れたり、不安を感じる場合
・困りごとが強く長い間現れ、日常生活に支障が出ている場合やお子さま自身がつらそうな場合
・園や学校とうまく連携が取れない場合 など

相談先は、困りごとによっていくつかありますが、まずは自治体の子育て支援センターや児童発達支援、学校のスクールカウンセラーなどがあげられます。その際には検査結果を持参し、見てもらうと、保護者や本人の困っていることや特性の共有ツールとして役立つこともあるのでご活用ください。医療機関へ相談したい場合は、まずはかかりつけの小児科で相談するのも一つの方法です。

話し方についての悩みの専門家としては、聞こえやことばを専門とする耳鼻咽喉科医のほか、言語聴覚士がいます。まずは地域の発達支援センターや、「小児言語外来」や「吃音外来」などの専門外来のある医療機関に問い合わせるといいでしょう。言語聴覚士が在籍しているか、あるいは吃音に関して診療しているか確認するといいでしょう。言語聴覚士は、医療機関のほか、地域の発達支援センター、児童発達支援施設や放課後等デイサービスなどに在籍している場合もあります。

また、小・中学生の場合は、「ことばの教室」(「言語障害通級指導教室」、「言語障害特別支援学級」)があります。診断がない場合でも利用できることもあるので、相談してみるといいでしょう。

Q.特性と関連する疾患や障害はありますか?

LITALICO発達特性検査で、特定の分類(例えば「話し方」の困り)で困難が示されても、特定の疾患や障害の有無や診断を意味することはありません。

ただし、話すときに詰まるなどの特性があって、それが日常生活や心身の健康状態に影響するなど、医療的な診断基準を満たす場合には、吃音症と診断される人もいます。吃音症については以下の記事をご覧ください。
吃音(きつおん)とは?吃音の3つの種類や症状、原因、治療法について詳しく解説!【専門家監修】のタイトル画像

吃音(きつおん)とは?吃音の3つの種類や症状、原因、治療法について詳しく解説!【専門家監修】

いずれにしても、特性によって日常生活に強い困難を感じている場合などには、専門機関に相談するといいでしょう。吃音症を専門的に扱う医療機関は耳鼻咽喉科などが挙げられますが、専門の医療機関が見つからないなど、受診しにくい場合は、まずはかかりつけの小児科などで相談するのも一つの方法です。

また、診断の有無に関わらず、LITALICO発達特性検査ではいくつかの対応方法を紹介しているので、支援を開始していくことができます。
次ページ「Q.特性は変わったり、なくなったりすることはありますか?」

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