【精神科医・本田秀夫】個性を否定しない!発達に特性がある子どもの褒め方は?すぐ使える5つのヒント【マンガで分かる】

ライター:専門家体験談
【精神科医・本田秀夫】個性を否定しない!発達に特性がある子どもの褒め方は?すぐ使える5つのヒント【マンガで分かる】のタイトル画像
Upload By 専門家体験談

子ども一人ひとりにあった育て方が大事だと分かっていても、子どもが個性的すぎる行動をしたとき、保護者としてそれを手放しで褒めていいのか悩むこともありませんか? 子どもの個性的な行動をどのように褒めたらいいのか、精神科医の本田秀夫先生にマンガで解説いただきます。

監修者本田秀夫のアイコン
監修: 本田秀夫
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授
附属病院子どものこころ診療部長
発達障害に関する学術論文多数。日本自閉スペクトラム学会理事長。

発達障害のある子どもの個性的な行動、どうやって褒める? 注意したほうがいい?

「平均」や「常識」にとらわれず、子ども一人ひとりにあった育て方が大事だと思っている方は多いと思います。ですが、子どもが個性的すぎる行動をしている……こんな時、保護者としてそれを手放しで褒めていいのか、注意したほうがいいのか悩まれることもあるのではないでしょうか。
子どもの個性的な行動にどのように声を掛ければいいのか、どのように褒めたらいいのか、ケースごとに見てみましょう。

ケース:ミニカーをひたすら並べて遊んでいるとき

ミニカーをひたすら並べて遊んでいるとき、どう声をかけますか?
ミニカーをひたすら並べて遊んでいるとき、どう声をかけますか?
Upload By 専門家体験談
発達障害のあるお子さんは、ちょっと変わった遊び方をすることがあります。この例のように、ミニカーを走らせるのではなく、何台も何台もきれいにひたすら並べて遊ぶことも。
大人がこれを見ると「ミニカーって走らせて遊ぶものじゃないの?」といった常識にとらわれてしまい、良かれと思ってそのような遊び方をお子さんにうながしてしまうことがありませんか?

しかし、それでは子どもの個性を認めず、保護者側の常識を押しつける形になってしまうと思います。子どもがミニカーを並べることを楽しんでいるのならば、それが子どもが「好き」で「興味」があり「楽しい」遊び方なのです。それを理解して、そのまま「長く並べたね」と声をかけるのが大切ではないでしょうか。

子どもが一番自信をつけるのは 自分が好きなことなどを褒められた時です。特に、本人がやりたいことを達成して少し興奮をしているような時に、その達成感に共鳴するような形で「やったね」と軽く褒めるのがいいでしょう。

ケース:頑張っても忘れ物をしてしまう子ども。頑張る努力を褒めたらプレッシャーに?

頑張っても忘れ物をしてしまう子ども。怒るより褒めた方がいいと思い頑張りを褒めたら……
頑張っても忘れ物をしてしまう子ども。怒るより褒めた方がいいと思い頑張りを褒めたら……
Upload By 専門家体験談
このお子さんはADHD(注意欠如多動症)で不注意の特性があります。努力しても忘れ物をしてしまうことが多いようですが、本人はまあいいかと深刻にはとらえていません。

ただここで、母親が「頑張ってるけど今回は忘れちゃったんだよね」「次はきっとできるよ」と褒めて励ましていたところ、これがお子さんにとってプレッシャーとなってしまったようです。「努力を褒めることはいいこと」と言われますが、このお子さんのように「まあいいか」と切り替えられるタイプなら、毎回声掛けする必要はありません。見守っていて、たまたまうまくいったときに「よかったね!」と声をかけるくらいがいいですね。
児童支援最大化バナー
PLUSバナー

褒め方のポイントは? 5つの褒め方のヒント

褒め方は、そのお子さんにあったものかどうかが大事です。それを見極めるポイントは「褒めたときに喜ぶかどうか」。お子さんの様子を観察して、褒め方を変えてみましょう。
また以下の5つのヒントも参考にしてみてください。

褒め方のヒント1 幼児期は「すごいね」

子どもがまだ小さく、保護者やまわりの人から声をかけられることを喜ぶ場合は、あまり深く考えず、「よくできたね」「えらいね」とどんどん褒めていいでしょう。やがて子どもが成長するにつれ褒めてもうれしそうではないと感じるようになったら、なんでもかんでも褒めることはやめて、子どもが達成感などを感じているときに共鳴する形で褒めましょう。

褒め方のヒント2 学童期はボソッと一言

この頃には保護者とお子さんの間に信頼関係のようなものができていますので、露骨に褒めるのではなく、さりげなくつぶやく言葉も褒め言葉になります。子どもがやりたいことをやっているときにボソッと「やるじゃん」「イェイ」「やったね」と声をかけるくらいでいいでしょう。

褒め方のヒント1、2での年齢は目安です。学童期になっても褒められると無邪気に喜ぶ子どももいるので、子どもの様子を見て褒め方を考えましょう。

褒め方のヒント3  ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんへは具体的な言葉でしっかり褒める

ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんの場合は、遠回しな表現が伝わりづらいことがあります。「すごいね」「やるじゃん」よりも「(ミニカーを)長く並べたね」「(積み木を)高く積めてすごいね」と、お子さんの行動を具体的に褒めましょう。

褒め方のヒント4  ADHD(注意欠如多動症)のお子さんへは、できたことを「結果オーライ」で褒める

ADHD(注意欠如多動症)のお子さんの場合は「できていなくても頑張ったことを褒める」と間違ってはいけないというプレッシャーなど間違ったメッセージになってしまう場合があるので、過程よりなんとかなった結果を見て「結果オーライ! よかったね」といった褒め方がおすすめです。

自分はミスが多い、周りに手伝ってもらったりお騒がせすることもあるけれど、みんなで相談すればなんとかなるという考え方を得て、「人の助けを借りればなんとかなる」「最後には帳尻が合う」という感覚を持てれば、のびのびと育っていくことができるでしょう。

褒め方のヒント5 ハイタッチなど動作を組み合わせる

褒めるときに動作も組み合わせると子どもが達成感を持ちやすくなる場合があります。達成感だけでなく相手と共感しやすい、活動を切り替えやすいというメリットも。ただ、子どもが嫌がる場合は無理にやることはありません。

「子どものやりたいこと」と「保護者がやらせたいこと」が違うことは多々あります。私は「子どもは自発的に伸びていく芽であり、それを見つけてそのまま伸ばすことが大事」だと考えています。「こう育ってほしい」と思って褒めるのではなく、お子さんの特性はそのままに、子どもの個性を伸ばす褒め方をしていけるといいですね。

マンガ/吉田いらこ
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35029877
次の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35029968
知的障害と発達障害の子どもたち
知的障害と発達障害の子どもたち
Upload By 専門家体験談
知的障害と発達障害の子どもたち
本田秀夫
SBクリエイティブ (2024/3/7刊行予定)
Amazonで詳しく見る
【精神科医・本田秀夫】イラつく母の「誰が汚れた服を洗うと思ってるの?」に、「洗濯機」の返答!?場の空気が読めない子への対応を解説のタイトル画像

【精神科医・本田秀夫】イラつく母の「誰が汚れた服を洗うと思ってるの?」に、「洗濯機」の返答!?場の空気が読めない子への対応を解説

忘れ物が多いのタイトル画像

「連絡帳」に一工夫してみよう

「せめてこれくらい…」が子どもを潰す?発達障害の専門医が語る、発達グレーを白にしようとしないでほしい理由のタイトル画像

「せめてこれくらい…」が子どもを潰す?発達障害の専門医が語る、発達グレーを白にしようとしないでほしい理由

通級や特別支援学級、発達特性がある子どもへの「特別支援は小1の4月からがいい」理由――精神科医・本田秀夫先生のタイトル画像

通級や特別支援学級、発達特性がある子どもへの「特別支援は小1の4月からがいい」理由――精神科医・本田秀夫先生

数学のつまづき、不登校、ゲーム漬け、部活動…発達障害のある子どものトラブル、みんなの経験を紹介します!【24年1月読者体験談特集】のタイトル画像

数学のつまづき、不登校、ゲーム漬け、部活動…発達障害のある子どものトラブル、みんなの経験を紹介します!【24年1月読者体験談特集】

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
児童支援最大化バナー
PLUSバナー


年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。