無発語、呼びかけや手遊びに反応なし…自閉症長男、1歳半健診での医師の言葉にショック
ライター:かし りりあ
わが家の長男りーは中度知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)です。
今回は長男りーの幼少期の様子や私が感じたことを書きたいと思います。
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
痛みでは泣かず、跳ねるような動きがみられた幼少期
わが家の長男りーは、赤ちゃんの頃から泣き声がとても大きい子でした。お腹が空いた時には特に激しく泣いていました。しかし頭をぶつけるなど痛い思いをした時にはあまり泣かないので、不思議に思っていました。
そして1歳を過ぎた頃、今思うと気になる動きをしていました。興奮すると跳ねるように、座った状態から、立膝になる動作をするのです。
当時は「変わった動きをするなあ」「かわいいなあ」程度にしか思ってませんでした。しかしこの行動、今のりーの飛び跳ねている様子とそっくりで、りーの特性と関係があるのかなと思っています。
当時は「変わった動きをするなあ」「かわいいなあ」程度にしか思ってませんでした。しかしこの行動、今のりーの飛び跳ねている様子とそっくりで、りーの特性と関係があるのかなと思っています。
聞こえているはずなのに……名前を呼んでも、手遊びにも反応なし
同じ頃「そろそろ、りーとやりとりの遊びができるかな」と思っていました。名前を呼んでみたり、りーの手をとって一緒に手遊びをしたりと誘いかけていました。しかし、りーは私を見るだけで、特に反応はありませんでした。
もしかして、私の声が聞こえていないのかな?とも思ったのですが、テレビ番組の歌には反応しているので、聴力の問題ではなく私の遊びに興味がないのかと思っていました。そのため、りーの興味を引きそうな手遊びや人形遊びなどをいろいろ試して、何度も誘いかけてみましたが、反応はいまいちでした。
もしかして、私の声が聞こえていないのかな?とも思ったのですが、テレビ番組の歌には反応しているので、聴力の問題ではなく私の遊びに興味がないのかと思っていました。そのため、りーの興味を引きそうな手遊びや人形遊びなどをいろいろ試して、何度も誘いかけてみましたが、反応はいまいちでした。
1歳半健診での医師の言葉にショック。親子療育を提案されたけれど
そして迎えた1歳半健診。りーは保健師さんの問いかけにも指差しはなし、指示に対しても反応しませんでした。待っている間は姿勢を保てず、椅子の上で寝転がろうとするりーを何とか支えて、小児科医の先生の診察となりました。いつもと違う環境でキョロキョロあたりを見まわしたり、あちこち動くりー。
そんな様子を見て先生は「この子は落ち着きがない」とひとこと。そんなつもりはなかったのかもしれませんが、その時の表情や言い方は、当時の私たちには冷たく、また突き放されたように感じました。
初めての育児で不安な中、ショックが大きかったのかもしれません。そこからははっきりと覚えてはいませんが、一緒に参加していた夫が話を聞き、対応してくれました。
その後、発達相談の担当の方にも診てもらい、りーが理解しやすい方法をアドバイスしてもらいました。その方法とは、お菓子や飲み物などを実際に見せて、本人に欲しいものを選ばせるというやりとりをしていく、というもの。実際行ってみると、最初は全てのものに手を伸ばしていたりーですが、少しずつ欲しいものを選ぶようになりました。
そんな様子を見て先生は「この子は落ち着きがない」とひとこと。そんなつもりはなかったのかもしれませんが、その時の表情や言い方は、当時の私たちには冷たく、また突き放されたように感じました。
初めての育児で不安な中、ショックが大きかったのかもしれません。そこからははっきりと覚えてはいませんが、一緒に参加していた夫が話を聞き、対応してくれました。
その後、発達相談の担当の方にも診てもらい、りーが理解しやすい方法をアドバイスしてもらいました。その方法とは、お菓子や飲み物などを実際に見せて、本人に欲しいものを選ばせるというやりとりをしていく、というもの。実際行ってみると、最初は全てのものに手を伸ばしていたりーですが、少しずつ欲しいものを選ぶようになりました。
最後に、「こういったものもあります」と親子療育の案内を受けました。週に2回、午前中の療育。フルタイムで働いている私たちにとっては、時間的になかなか難しいものがありました。そのため、夫婦で相談した結果、まずは家でできることをやってみて、幼稚園入園までに変わらなければ、療育を考えていくということになりました。