眠らない、声掛けを無視…「周りの子との違い」に気づき始めた自閉症娘1歳の頃

ライター:サチコ
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わが家は私・長女・次女・夫の4人家族で、長女マユユは2歳の時に発達障害の診断を受けています。(ASD/自閉スペクトラム症・軽度知的発達症/知的障害)

0歳の頃、授乳や睡眠が難しい赤ちゃんだったマユユですが、無事に1歳のお誕生日を迎えました。
元々あまりおっぱいやミルクを飲めていなかったこともあり1歳になってすぐ卒乳、そして念願の一人歩き、公園デビュー。
たくさん動けるようになった刺激や生活の変化でなにか発達にも良い影響があるかも?という期待を抱いていました。

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監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている。 ・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮):https://yuik.net/ ・ゆうスキンクリニック(上野/池袋/新宿/横浜):https://yubt.net/

一人歩きと公園デビュー

赤ちゃんの頃からほとんど育児書のめやす通りに身体的発達がみられたマユユは、1歳1ヶ月ごろになると一人で歩けるようになりました。

この頃まだ夜通し眠れたことがほぼなく(むしろゼロだったかも)、数十分から数時間おきに泣いたり唸ったりしていたマユユ。もちろん成長が喜ばしいというのもありましたが、正直「日中からだを動かして疲れたら今までより眠れるのでは……!」という想いもあり、念願の一人歩きでした。

ヨタヨタとした歩きが少し安定してきた頃、私たちはさっそく公園デビューしに行きました。
念願の一人歩きと公園デビュー!内心やっと眠れるようになるかも?と期待。
念願の一人歩きと公園デビュー!内心やっと眠れるようになるかも?と期待。
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自宅保育だったので、この頃からほぼ毎日公園に通うようになった私とマユユ。

初めの方はただ座り込んで砂を触ったりするだけだったので「あまり公園は好きじゃないのかな?」と心配になりましたが、何度か出かけるうちにだんだんと本領を発揮していきました。

公園について一度地面に降ろすと、それ以降は母のほうを気にかける様子はなく、一人でふらふらと楽しむようになったマユユ。
声かけや制止がまったく効かず、手を繋ぐことも嫌がったので、私は危険や周囲への迷惑に配慮しながらせっせとガードしてついて回るようになりました。

この”声かけや制止が効かない”ことを当時は、「まだまだ赤ちゃんだし、何もかも目新しくて楽しいんだろうな」と深く考えていませんでした。しかし、今思い返すとあれは単に赤ちゃんだったからというわけではなかったのだろうと思います。

声かけの届かなさや制止の効かなさなどは、このあとエスカレートしていきました。

外出時に私の「待って、止まって」などの声かけにある程度応じてくれるようになったのは3歳過ぎてからでした。理解・人への意識・私との関係などいろんなものが成長したりして、ようやく声が入ってくるようになったのだろうと思います。
声かけには反応しないし、手も繋がせてくれず。お外で”ただママについていく”ようなことが長らくできませんでした。
声かけには反応しないし、手も繋がせてくれず。お外で”ただママについていく”ようなことが長らくできませんでした。
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眠れるようになった?

しばらく公園通いの日々を続けていましたが、肝心の睡眠はどうなったかというと”わが子は寝なかった”です!
スマートフォンであれこれ調べる検索魔がクセになっていた私は、外の刺激が強過ぎて逆に眠れないのかも……?これがよくいう”(成長の)アップデート”なのかな?と悶々と考えたりもしました……。

ただ、たくさん遊ばせても、雨などであまり遊べなくても、けっきょく睡眠に大きな差が出るようなことはなかったです。

期待していたのになんで……
ほかにどうすればいいの……

喉から手が出るほど睡眠時間が欲しかった私は、当時はとても落ち込んでいました。
1歳を過ぎてもまだ全然眠れない!というような話は私の周囲では聞かず、次第に「どうしてうちの子はこんなに育てにくいんだろう」と悩むようになっていきました。
周囲の親子の様子とのギャップがいつもつらかったです。
周囲の親子の様子とのギャップがいつもつらかったです。
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それでも、もうお外で過ごすのが大好きになっていたマユユ。
眠らないからと公園の日課をなくすことはできず、もはや義務のように毎日どこかしらお出かけしました。

子育て支援センターデビュー

ある日、気分を変えて子育て支援センターに行ってみることにしました。この時はいわゆるコロナ禍で、保育士さんにもみてもらえるスペースを少人数の時間制でやっているとのことでした。

人数制限の枠に間に合ってほっとしていたけれど……保育士さんが絵本を読み聞かせしてくださったのですが、マユユはお話を聞いていないどころか、一人ふらふらと自由に歩き回っていました。
「絵本読んでくれるよ、座ろう」など声をかけてみますが、声かけへの反応はありません。

どうしようと思っていると、まるで読み聞かせなど見えていないように保育士さんとほかの親子の間で遊びだす始末。これはダメだと止めましたが、それはそれは大泣きでした。

小さい子たちがちらほらそういう様子……とかだったらまだ良かったのですが、そういった子はいません。みんな絵本を楽しんでいたり、ママのお膝で喜んだり。
私たちはそうそうに退出しました。
ほかの親子は静かに読み聞かせを楽しんでいるのに、わが子だけ大騒ぎ。注目をあび、いたたまれませんでした。
ほかの親子は静かに読み聞かせを楽しんでいるのに、わが子だけ大騒ぎ。注目をあび、いたたまれませんでした。
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読み聞かせのあとも、マユユはセンター内の制限のないスペースでおもちゃや絵本を手にとってはすぐ飽きたように次へ、次へ……いわゆる物から物へ興味が移り変わるような状態で、落ち着いて遊ぶことはしませんでした。
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