こだわりの減少とともに対人トラブルも激減!道へのこだわりもなくなりました

そんな登下校トラブルが絶えなかった息子ですが、学年が上がるにつれトラブルも減少、小学校5年生頃からは友達と一緒に歩いて帰って来られるようになりました。

これは、息子のこだわりが全体的に減ったことも関わっていると思います。以前強くこだわっていた「車の絵が描いてある洋服しか着ない」こだわりですが、それらはサイズがなくて買えないことを事前に話し納得してくれるようになりました。

そして、色へのこだわりもなくなりました。それまでは何でもかんでも「青」にこだわっていましたが、何色でも大丈夫になりました。また、給食についても、偏食で食べられるものが少なかったのに、少しずつではありますが、一口は食べるようになっていました。

このようなこだわりが減り始めた頃から、対人トラブルも急に減ってきました。
学年が上がるにつれ息子のこだわりも減っていき……
学年が上がるにつれ息子のこだわりも減っていき……
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そして息子は現在高校2年生。基本的に平和主義ですが、ルールにそぐわないことを周りの人がしていると、注意や皮肉を言うことがあります。でもそんなときは「こんなことがあってね~」と家で自己申告してくれます。特にトラブルなく生活しているので、今思うと小学校時代が一番大変でした。

息子とは、きちんと親子で発達障害について学習し、一つひとつ受け入れてきたので、障害受容、自分の得意不得意への理解不足といった心配はしていません。自分と同じような障害を持つ子の手助けをしたいと言った息子の思いが、届くように私も願っています。
イラスト/志士ノまる
エピソード参考/しのっぺ

(監修:鈴木先生より)
ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんはルートメモリー(道順の暗記)が得意です。どこに信号があって、どこに橋があって、どこに自動販売機があってなど鮮明に記憶しているのです。カーナビの代わりになるくらい道を知っている場合もあります。しかし、新しい道ができたときなどのバージョンアップが苦手な傾向にあります。いつまでも最初に覚えた古い道は分かりますが、少しでも情景が変わると戸惑います。これと同じ現象はお弁当でも見受けられます。白いご飯は食べられるけれど、ご飯に少しでも黒いゴマがかかっていると全く別物ととらえて食べられなくなる、などです。決まったルーティン、同じ環境が好きで、予定の変更を嫌うのです。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。

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