医療機関との連携をスムーズにするには?問診での伝え方や相談でのポイントを紹介します【LITALICO発達特性検査】

ライター:LITALICO発達特性検査 活用サポート
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お子さまの発達が気になるとき、相談先の一つとして医療機関があげられます。医療機関での問診は時間が限られていることもあります。そのような際にはお子さまについての情報など、相談したいことを事前にまとめておくとスムーズです。

LITALICO発達特性検査は、お子さまの特性や困っていること、その対応方法が分かるオンラインの検査です。この記事では、医療機関との連携の際の検査結果活用の方法をご紹介します。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

医療機関での相談と連携

お子さまの発達が気になるとき、医療機関を受診する場合もあるでしょう。受診では、お子さまの様子を実際に診察するほか、保護者の方への問診が行われます。特に、それまでの生育歴や様子、気になっていることなどの保護者の方からの情報が重視されます。必要に応じて検査や診断を行う場合もあります。

発達が気になる場合の受診先

発達が気になる場合の専門科としては、発達外来や児童精神科、小児神経科などがあります。Webサイトなどで診療科を確認したり、発達障害の診断や診察ができる専門医が在籍している医療機関を調べたりしてみましょう。

かかりつけの小児科や、相談機関から紹介を受けて受診するケースもあります。もし、自分で専門の医療機関を見つけることが難しい場合や、受診すべきか迷う場合などには、地域の子育て支援センターや発達支援センター、保健センターなどの相談機関や、かかりつけの小児科などで受診について相談するといいでしょう。紹介状をもらえることもあります。
発達障害診療医師名簿(一般社団法人日本小児神経学会)
https://www.childneuro.jp/themes/childneuro/relation/licenselist_dd.html

LITALICO発達特性検査でできること

事前に具体的な困りごとを整理しておくと、問診がスムーズに進みます。その方法の一つとして、LITALICO発達特性検査があります。

オンラインで受検できる検査サービスのため、自宅など好きな場所で利用でき、受検後すぐに検査結果レポートをWebブラウザで閲覧できるほか、PDF形式でダウンロードできます。

お子さまの困っていることや特性の傾向や強さのほか、その困りや特性の背景にどのようなことがあるか、またどう対応すればいいかのサポートの方向性が表示されます。

検査結果のデータやPDFをプリントすることで、医療機関での相談・共有のためのツールとしてお役立てください。

検査について知りたい方はこちらをご覧ください。
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LITALICO発達特性検査とは。特徴、対象、検査で分かること、受検方法などを解説

連携と情報提供のポイント

困っていることや状況を共有する

問診では、まずは家庭での様子や保護者の方やお子さまが感じている困りごとや課題を具体的に共有します。どのくらい困っているかなどは、主観的な内容でもあり、なかなか説明するのが難しい部分です。LITALICO発達特性検査を受検している場合は、その結果を持参し、検査結果のグラフなどを見せながら説明すると、より伝わりやすくなります。

注意点としては、LITALICO発達特性検査は保護者の方の視点で測定されるということです。保護者として感じている不安や困りごとは重要な情報となりますが、医療機関では、そのほかの情報も含め、診断基準を満たしているかなどを慎重に判断します。そのため、医師の見立てが保護者の方の見立てと異なることもあります。

環境によって特性や困りごとの現れ方が変わっている可能性もあり、見立てが異なること自体も重要な情報になります。専門家の見立てや場面による行動の違いを知る機会と考えて、相談を進めるとお子さまの理解が深まるかもしれません。検査結果のほかにもフラットな情報収集を意識するといいでしょう。

生育歴や状況の変化を伝える

問診では、出産時の状況やその後の病歴、歩き始めた時期や言葉の発達の様子など、生育歴についても聞かれることがあります。また1歳半健診や3歳児健診時の様子やそこで言われたことなどが確認されるケースもあるので、母子健康手帳なども準備しておくとよいでしょう。

LITALICO発達特性検査を複数回受検している場合には、過去の結果も持参すると、困りごとの現れ方の変化の情報にもなります。

また、授業についていけなくなった、学校に行くのを嫌がるようになったなど、新しい困りごとが出てきたり、お子さまの様子が変わってきたことをきっかけに受診する場合にも、情報を整理しておくと問診がスムーズになります。
変化によって不安が強まりやすい特性があるお子さまの場合、また、困りごとの生じにくい環境や方法がある場合などには、本人に合った環境で一貫した対応が必要なことがあります。そこで、保護者だけでなく、周囲で関わる人が情報の共有をし、理解をしたうえで同じような接し方をすることが大切です。

特に、医療機関では、治療方針や診断をよりきめ細やかにするために、実際に家庭や園・学校で試してみた対応方法などの結果といった情報の共有が必要になることがあります。

また対応方法や環境調整についても、医学的な見地からのアドバイスを得られるチャンスとなります。具体的な支援方法や、家庭で試してみてもうまくいかなかったことなどについて、レポートの結果をもとに話すことで、限られた診察時間の中で、より具体的で専門的な相談ができるかもしれません。

予約や診断まで時間がある場合にできること

医療機関や状況によっては、予約がとりにくいなどで初診までに時間がかかることもあります。また、子どもの発達障害の診断には、さまざまな検査や経過をみる必要があるため、ある程度の期間がかかる傾向があります。また、一度受診したあと、再診までに期間があくこともあるでしょう。その間にできることをいくつかご紹介します。

情報収集

受診時にその場で考えると意外と焦ってうまく伝えられないことや、思い出せないこともあります。事前に以下のような情報を集め、まとめておくといいでしょう。

・困っていることやお子さまの気になる様子
・様子がいつ頃から続いているか、変化した時期はいつか
・いつ、どのような状況で困りごとが起きるか、家庭で試してみた対応方法などの様子
・園や学校での様子や、相談機関などに相談した際の内容など、外部からの情報 など

家庭で保護者の方が観察したり、これまでを振り返ったりすると、時間がかかって負担が大きいと感じるかもしれません。LITALICO発達特性検査の検査結果の情報を切り取ったり、マーカーや付箋、メモなどをつけて活用するといいでしょう。

どのような観点で気になっているかが分からないときには、ヒントとしてLITALICO発達特性検査の検査結果を活用することもできます。検査結果で困りが強く出ているところや、特性などで当てはまると感じた部分に注目してみましょう。

事前に相談機関や園・学校で情報収集する際の連携ツールとしても、検査結果を活用できます。
園・学校とどう連携する?検査結果共有のポイントを紹介します【LITALICO発達特性検査】のタイトル画像

園・学校とどう連携する?検査結果共有のポイントを紹介します【LITALICO発達特性検査】

相談機関との連携、相談での情報共有のポイントを紹介します【LITALICO発達特性検査】のタイトル画像

相談機関との連携、相談での情報共有のポイントを紹介します【LITALICO発達特性検査】

優先順位をつける

問診の時間が限られていることもあるので、相談したいことが複数ある場合は、事前に相談したいことに優先順位をつけておくことをおすすめします。検査結果を持参する際には、特に相談したい点にマーカーや付箋をつけておいたり、自分でメモをつくる際には箇条書きなどにしたり、簡潔にまとめておくといいでしょう。

家庭での対応方法を試してみる

さらに時間がある場合、検査結果で表示されたお子さまに合いそうなサポートの中からいくつか試してみて、その結果がどうだったかメモしておくのもおすすめです。

それらを医療機関で伝えることで、お子さまの特性についてより把握しやすくなることもあります。今後の方針や、より具体的な配慮について相談するきっかけにもなります。
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