こんなにあるんだ!?多種多様な事業内容

地域の事業所は参加されている数が少なく、別の地域のブースも回ってみることにしました。同じ市内でも場所によって事業所の数が全然違います。こちらの会場内は活気にあふれ、通路を歩いているだけでも「チラシだけでもどうぞ!」「SNSあるんでよかったら見てくださーい!」とたくさん声をかけられました。その中でパソコン関係の事業所があったので、説明を聞いてみることにしました。パソコンの修理や解体、組み立てなど、実際に手を動かしながらパソコンの仕組みを学べるというところが、パソコン好きな息子に合いそうだなぁと感じました。「いつでも見学に来てくださいね!」と事業所の方もとても親切でした。

ほかにもさまざまな事業所がありました。カブトムシや熱帯魚のお世話を自宅で行うという事業所では「温度管理やルーティンワークが得意な方に向いているんですよ」と、具体的な仕事内容について説明がありました。カフェを運営する事業所では、実際に販売されているメニューや店内の写真を見せてもらい、カフェ運営を通しての地域の人との交流を伺いました。さらに、野菜栽培、ネイルチップ制作、グラフィックデザインなど、多岐にわたる分野の事業所があり、就労支援の幅の広さに本当に驚きました。特に、野菜栽培の事業所のSNSでは、丁寧に野菜を育てる様子が写真や動画で細かく紹介されており、笑顔で楽しそうに仕事に取り組んでいる様子が伝わってきました。
活気にあふれる会場内
活気にあふれる会場内
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福祉事業所合同説明会で開けた未来への扉

説明会にいざ参加してみると、高校2年生や3年生の保護者ばかりで、中等部からの参加は少数派でした。特別支援学校高等部では、在学中は就労に向けた実習を積極的に行っているため、高等部を卒業してから就労支援を利用するのが一般的です。就労支援の利用はA型B型共に原則は18歳以上の成人なので、相談支援の方からも、「残念ながら中等部卒業直後の就労支援の事例は聞いたことがないです」と言われてしまいました。このまま高等部に進んで就労支援を目指すのか、この先も就職への道を模索するのか、私たちはもう一度進路についてよく考えてみることになりました。

しかし、今回の説明会を通して、就労支援に対する認識が大きく変わりました。就労支援というと軽作業のイメージがありましたが、自分に合った仕事を見つけて「社会参加」できると感じました。自分の子どもが不登校になって、精神障害福祉手帳を取得し、この先どういった未来が待っているんだろうと不透明だったところに、こんな仕事もあるんだ!あんな仕事もあるんだ!とたくさんの可能性を見せていただき、希望の光が見えた気がしました。

執筆/花森はな
(監修:初川先生より)
特別支援学校中等部に適応できず、中3になり進路を考える中で中等部卒業直後に就労する(あるいは就労支援を受ける)選択肢について考えるために福祉事業所合同説明会に参加されたエピソードをありがとうございます。特別支援学校にうまく適応することができなかったり、あるいは障害の種別にうまく合致していなかったり(知的に低くない場合など)すると、中学(中等部)卒業後の進路選択は一筋縄ではいかない面がでてきます。学校の先生や主治医の先生、地域の支援者などと相談しながら検討していかれると良いでしょう。

さて、地域の福祉事業所の合同説明会に参加されたとのことですが、就労継続支援A型、B型など地域にある福祉事業所はさまざまな業種、作業を担っています。その地域に長く住んでいても、どの事業所が何をしているのかということはあまり知る機会がないのが実情かもしれません。このように事業所が集まって説明会をしてくださるのはとても素敵で貴重な機会だと感じました。その地域に根差して活発に活動している事業所さんは結構あるというのが私の印象です。息子さんが車やバス移動が苦手となると居住地域に近い事業所がゆくゆくは就労支援をお願いする事業所になるかもしれません。説明会や地域の福祉祭りなど、さまざまな機会に知ることから始めたいですね。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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